仲田です。
忍び寄るファシズムの足音、許してはならないと感じます。
戦前のドイツ・日本も気がついたときは、声が挙げられない状況に追い
込まれていた。現在の政府の動きを一つびとつ指摘しながら周りの人々
に訴えていきたい。
3月28日に開催された沖縄県マスコミ労働組合協議会の春闘統一総決
起集会における抗議声明です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
森喜朗自民党幹事長の発言に対する抗議声明
自由民主党党本部
去る三月二十日、石川県内で行なわれた講演で、森喜朗・自民党幹事長は沖縄県内二紙
の名をあげ「組合が強いし、共産党が入り込んでいるとも聞いている。何でも政府に反対、
何でも国に反対する」などと事実誤認の発言をし、後日の釈明でも同主旨の発言を繰り返
した。
政権与党の幹部によるこのような発言に対し、私たちはマスコミ人としてまた労働者と
して激しい憤りを覚える。絶対に許すことのできない発言であり、その撤回を強く求める
ものである。
私たちは常に客観報道を心がけ、努めてきた。それはかつて大本営発表で県民を戦禍に
導き、多くの尊い人命、豊かな自然を失った反省から、事実の報道のみが県民の立場とな
ることを信じるからである。私たちは今後もその報道姿勢を保ち続けていく決意である。
もしその報道姿勢が「何でも政府に反対、何でも国に反対」としか読み取れないとしたら、
沖縄県民の声に耳を傾けない自らの政治姿勢こそ正すべきである。
また、私たちは労働者として自らの生活、職場、社会がよりよくなるために取り組んで
いる。その労働組合によって客観報道がゆがめられているかのような発言は断じて許され
るものではない。
マスコミが圧力でその主張を変える程の脆弱なものであると考えているとすれば、言論
の自由という民主主義の根幹が何たるかを理解しているのか? はなはだ疑問である。
この発言は、沖縄出身の歌手が「君が代」を歌わなかったことから始まったという。な
ぜ歌わないことを殊更に指摘する必要があるのか。「君が代」が法律で国歌として決まっ
たとしても、それを歌う、歌わないという自由の保障は、その法律よりも優先されるのは
言うまでもなく、また政府・自民党もそのことを認めているはずである。私たちが懸念し
た思想・信条の強制がここでも行なわれている。
私たちマスコミ労協は、こうした事実誤認にもとづいたマスコミ批判、労働組合敵視、
思想・信条の自由を踏みにじる発言に断固抗議するとともに、発言の撤回を求めるもので
ある。
二〇〇〇年 三月二十八日
沖縄県マスコミ労働組合協議会
二〇〇〇年春闘統一総決起集会
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
仲田博康
nakada_h@jca.apc.org