名護ヘリポート基地に反対する会(本部・横浜)の原義和です。
3月18日に、シニアワーク東京(東京・飯田橋)で「沖縄と
私たち/平和をつくる市民大交流」という集会が行われまし
た。参加者は約110名でした。
沖縄から、上里和美さん(「あの海を誰にもわたさない」と
いう一人芝居)、真喜志好一さん(SACO究明のお話)、東恩
納琢磨さん(名護のお話)の3名による報告の後、第二部で5
つの分科会(A基地と環境問題/B沖縄の女たちの運動/C沖
縄・日本・アメリカ/Dマスコミの沖縄報道/E周辺事態法
と自治体)に分かれて討論を行いました。
20を超える集会の賛同グループが、それぞれ1分間でアピ
ールをする時間もあり圧巻でした。身近なところで本当にた
くさんの人たちが運動の貴重な蓄積を持っていることを教え
られました。交流の輪を強めていくことで、互いに学ぶこと
や力づけられることがたくさんあることを知らされました。
以下、アピール文です。
沖縄には、たくさんの基地があります。基地の中に沖縄があるとも
言われます。日本国土の0.6%の面積である沖縄に、75%もの米
軍基地があります。そのほとんどは、戦場に真っ先に乗り込むことか
ら「殴り込み部隊」と呼ばれる海兵隊の基地です。幾種類もの人の殺
し方を覚え、日々、実戦さながらの軍事訓練を行う海兵隊員は、基地
の外でも、住民の命を脅かし、奪い続けてきました。95年の少女レ
イプ事件は、そんな海兵隊員による犯罪でした。あの事件は、大きな
大きな運動の火を沖縄に燃え上がらせました。
しかし、その後の政治展開は、沖縄県民に苦しみをもたらしました。
普天間海兵隊基地の日米政府による返還合意は、県内移設という基地
たらい回しの条件つきだったのです。そして、名護へ押しつけられよ
うとしている代替基地が、海兵隊の最新鋭の垂直離着陸機オスプレイ
に対応し、アジア太平洋から中東諸国までを範囲とする新たな出撃拠
点となることもわかりました。返還の大義名分である「整理・縮小」
を逆手に取り、「再編・強化」を図ろうとする日米政府の思惑が暴か
れています。
新たな基地建設は、騒音などによる地域住民への凄まじい生活破壊
を引き起こすと同時に、多種多様な動植物の生息するヤンバルの自然
生態系の壊滅的破壊を招きます。辺野古沿岸域は、沖縄県が「自然環
境の厳粛な保護、保全を図る区域」として最も高いランクに指定した
ところです。また国の天然記念物であり、国際保護動物であるジュゴ
ンの国内唯一の生息域です。基地建設は、日本に生息するジュゴンの
絶滅をまねくものなのです。
かつて「本土」の捨て石とされた地上戦により20万もの命が奪わ
れた小さな島では、住民が今なお差別と抑圧にさらされています。戦
後、銃剣とブルドーザーによって力ずくで奪われた沖縄の土地は、今
なお住民の手に戻ることなく、むき出しの基地、軍隊の手による破壊
の歴史が続けられています。眩しい太陽に照らされた大地の底から、
命の叫びが聞こえてきます。戦争のための基地、軍隊はもういらない
と。破滅へ導く魔の手を、この大地から追い出してくれと。
軍事力が希望を生み出すことはなく、基地、軍隊が平和をもたらす
ことはありません。来る21世紀は、私たち市民の手で、軍事力によ
らない真の平和をつくり出していかなければならないと考えます。
沖縄は今、春を迎えています。ヤンバル、イタジイの森は、新しい
命であふれかえり、黄金の輝きに満ちています。そのいのちの輝きが、
死への誘いを固く拒んでいます。
私たちは、日米政府の横暴を決して許しません。私たちは沖縄の仲
間たちと共に、基地、軍隊のない島、沖縄を求め続けます。
日本政府に、次のことを強く求めます。
1.普天間基地の名護市辺野古沿岸域への移設計画を断念して下さい。
2.普天間基地を無条件で返還して下さい。
3.沖縄から米海兵隊をただちに撤退させて下さい。
4.沖縄から、日本から、全ての米軍基地を撤去させて下さい。
2000年3月18日
沖縄と私たち・平和をつくる市民大交流
参加者一同