オキナワ・おか けんすけです。
ちょっと長い引用ですが、ぜひお読みになってください。
知人の高校・英語科教師の宜野座映子さんが
3月17日の沖縄タイムスに投稿された文章です。
<<<<<<<<<<<<<<<< 引用 ここから >>>>>>>>>>>>>>>>
沖縄タイムス 3月17日(金)論壇より
「非常識な米軍ヘリの騒音」宜野座映子
三月九日と十日、沖縄の春には珍しいほどの寒さの中で高校入試が一斉に行われた。職員室に入って行こうとすると、受験生の群れの仲から「おはようございます。
僕は○番です!」という大きな声が上がり、私も「元気だね。頑張って!」と答
えながら、思わず顔がほころんだ。
今年の高校受験者数は一万六千五百六十九人。この日を迎えるまで、どの受験者も周りの大人もきっと悩み迷い葛藤(かっとう)の日々があったに違いない。
入学試験は順調に進み、午後の英語の試験が始まった。英語の試験は「聞き取り検査」から始まる。入試に際し高校側は、事前に地域に聞き取り検査の妨げがないよう十分な配慮を求める。教育長も嘉手納基地、普天間基地へ事前に配慮を申し出た、と聞いている。
英語科全職員がそろって全神経を放送に集中したとき、何やらプロペラの音がする。慌てて窓の外を見上げるとヘリが飛んでいる。すると操縦席が見えるほど近くなって、それが米軍攻撃用ヘリAHI(ヒューイコブラ)であることが分かった。
ヘリの音は四、五分続いた。まさかのときのまさかの事態に、その場にいた職員たちはあ然としてしまった。すぐに「これは大きな問題である」と、科全体で確認したのである。
ほんの少しの想像力とほんの少しの配慮があれば、この事態は回避できたはずである。沖縄ではいくつもの学校が、米軍機の騒音に悩まされ授業の中断を余儀なくされている。だからこそ、せめて入試の聞き取り検査の時ぐらいは米軍ヘリの騒音で妨げられたくない、と入試現場から声を上げざるを得ない。
若者たちが未来を懸けて精いっぱい挑むとき、大人たちは最大限の配慮を施すものである。しかし、このような事態に直面したとき、あらためて「沖縄は非常識がまかり通る所なのだ」と思った。
聞き取り検査の最中に聞こえた騒音が、どれほど、どのように影響したかを証明するすべはない。いや、そもそも過ぎ去った時間に逆戻りすることはできないのである。しかし、受験生が試験中全神経を集中させ、今まで努力してきたすべてを出し切ろうとしているとき、それを妨げられることがどれほどストレスになるかを知ってほしい。
受験というプレッシャーは大変なもので、現に緊張のあまり受験途中で吐き気を催したり、保健室に移動した受験生もいるのだ。
毎年担任をしていてハッとさせられるのは、若者の内面のナイーブさである。そして彼らのさまざまな行動には、必ず理由があることを知らされる。
今回の聞き取り検査中の騒音が、すぐには形としては表れてこないかもしれない。しかし、鋭く柔らかい感性を持っている彼らにとって、決して良い影響を与えていないことだけは確かであろう。
今年の国語の作文の課題は「夢」であった。受験生たちはそれぞれの夢を一生懸命書いたことであろう。沖縄が、若者が夢を追い求められる静かな島となってほしい、と切に願う。
<<<<<<<<<<<<<<<< 引用 ここまで >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
校長、教頭は この件について、NO PROBLEM 何ら支障はなかった!と言い張り、
「公にするな」と、強硬だそうです。この記事が掲載されて、
校長らからどのようなリアクションがあったのか、まだ聞いていません。
そのような職場の状況の中で、敢えて書かれた、書かずにおられなかった
映子さんを憶えてください。
おか けんすけ
bogiko@m1.cosmos.ne.jp
nothing on earth stays forever,
but none of your deeds were in vain.