日出生台での米軍演習について、福岡防衛施設局に質問状を出して
おいた返事が以下のように返ってきました。
返事は、今回も電話の向こうで施設局員が読み上げる文書を
こちらで録音して、後でテープ起こししたもの。
電話の相手:福岡防衛施設局 広報 増田
■質問1:現在、日出生台演習場内に建設中の鉄筋3階建てを含む各施設
の概要、建設目的、費用、規模、完成予定時期、予算の出所等を教えて
下さい。
(施設局)
【食厨等施設】
食堂、厨房、シャワー室など。事業費は約6億1千万円。
規模は鉄筋コンクリート作りで一部鉄骨づくりの平屋建て。
面積1200平米。
完成予定平成12年8月末。
【隊舎】
宿泊施設。規模は鉄筋コンクリート作りの3階建て。事業費は今後の
発注等の業務の関係で公表は控えさせていただきたい。
完成予定は平成12年12月末。
現在、造成工事には入っている。
【目的】104号線越えの移転米軍訓練を安全、かつ円滑に実施するため。
【予算】提供施設整備費ということでSACOの関連経費。
■質問2:日出生台に演習に来ている米海兵隊の大隊長ケリー中佐は「宿
舎は米軍演習に必要ない」と答えています。この宿泊施設は一体誰が使
うためのものなのですか。米軍からの要望もないのに、このような米軍
滞在恒常化につながりかねない施設を作る計画を、防衛施設局側から出
したのですか。理由を説明して下さい。
(施設局)
県道104号線越え実弾射撃訓練の本土の演習場への分散実施にあたっ
て、各演習場とも約1カ月の訓練滞在期間を要し、長期間にわたり安全
対策、及び訓練の円滑化を図るなど万全を期す必要がある。実弾射撃訓
練における安全管理の徹底、及び訓練の円滑化を図るため、日米間で調
整の上、必要最小限の(老朽化、あるいは不足した)生活関連施設等の
施設整備を行っているものである。
これらの施設については米軍の訓練期間は米軍が使用し、米軍訓練期
間以外は陸上自衛隊に維持管理を兼ねて使用してもらうこととしてい
る。
(ローカルNET)この間のケリー中佐の話では、米軍は宿舎を必要だと思
わないし、要請もしたことはないと言っていた。そうすると実際の理由
は、実は自衛隊が使いたくて、その予算をSACO予算から出そうと、ここ
で宿舎の話がでてきたんじゃないかとの疑問があるのですが。
(施設局)
そういうことではなくて、安全管理の徹底、訓練の円滑を図るために、
日米間で調整の上、必要最小限の生活関連施設の整備を行っているとい
うこと。1回目の演習の時に工事は入ってない。その時点で計画がすで
に出されていたかどうかは承知してない。
(ローカルNET)これは私たちの税金の使われ方の問題で、SACO予算が
「うちでの小槌」のように、いろんなふうに使われていることを指摘す
る人もいます。きちんと説明をお願いします。宿舎ができるようになっ
た具体的な経緯、計画立案の時期、やりとりを調べて、また後日教えて
下さい。
■質問3:米軍演習が終了した2月10日の柴尾浩朗本部長とローカルNET
の会見の際に本庁に確認して下さるとの約束になっていた件ですが、あ
らためて質問いたします。移転補償、防音工事の範囲を決める元になっ
たとされる30ヶ所の測定地点、測定方法、回数、測定日時、その測定結
果数値を教えて下さい。
(施設局)
騒音測定は、平成10年1月、及び平成11年2月に、日出生台演習場周
辺の30箇所において実施した。日出生台演習場に関わる住宅防音区域、
及び移転保障区域は、騒音度調査の結果を区域指定という形で公表した
ものであり、調査結果の具体的数値については区域指定を行うための内
部の検討資料であるので、お知らせすることは控えたい。
(ローカルNET)施設局が出していた資料の中の移転補償、防音工事の範
囲の概念図では、発射地点と着弾地点を中心にひょうたん型に範囲が拡
がっていた。しかし、実際に発表された範囲は南北に丸く拡がってお
り、概念図と全く違う形になっている。これはおかしいんじゃないかと
の疑問があるから測定結果を出して下さいと言っているのです。
(施設局)
防音工事、移転保障の概念図は、あくまで概念図にすぎない。実際に測
定してみたら、そうはならなかった。内部の検討資料なので公表はさし
ひかえたい。
■質問4:移転補償、防音工事の範囲を線引きする基準は、どのように、
決めたのですか。具体的な数値でお答え下さい。
(施設局)
砲撃音は、衝撃性が強い低周波成分が多いという特徴があるが、航空
機騒音と同様な間欠騒音であることから、航空機騒音の評価方法の考え
方にならって、さらに砲撃音の特徴を加味したC特性時間帯補正等価音
圧レベルLCDENを評価方法としている。なお、指定基準値は住宅防音工事
はLCDEN値81以上。移転補償はLCDEN値89以上とされている。
計測日は、平成10年の1月6日、10日、11日(自衛隊の演習)と平成12年
の2月6日、7日、8日(米軍の演習)の6日間。
■質問5:今後、演習がさらに激化、拡大していったときには、移転補
償、防音工事の範囲はまた変化するのですか。
(施設局)仮定の話は考えていない。今後激化、拡大までは、今の時点
では検討していない。
■質問6:沖縄でも同様の基準で防音工事の範囲設定、または移転補償が
おこなわれているのですか。
(施設局)
砲撃音対策として実施している住宅防音事業とか移転補償について
は、県道104号線越え実弾砲撃訓練が実施されている5つの演習場で実施
されている。沖縄ではこれまでやってこなかった。
【要望事項】
2月19日のケリー中佐と米軍演習に反対する住民との対談の際に、ケ
リー中佐が【質問6】の夜間演習に関する質問の中で、ケリー中佐は「私
たちは射撃した時間をちゃんと記録してありますから、それも後で提供
できます」と返事をしてくれたのですが、そのままになっています。こ
の時間ごとの砲撃記録表を提供してくれるよう米海兵隊にお伝え下さ
い。どうぞ、よろしくお願いします。
(施設局)
ご要望については、貴団体とケリー中佐との当事者間の問題であり、
当局としてはご要望にお答えする立場にないが、実弾射撃訓練期間中の
射撃時間については、米海兵隊から連絡を得て、開始時間、及び、終了
時間を関係自治体にお知らせしているところである。なお、当局からそ
の内容をお知らせすることも可能である。
(ローカルNET)あの、いったい施設局というのは住民に対して、
どういう立場なんですか?
(施設局)・・・・・。
(ローカルNET)施設局現地対策本部の目的としては「米軍演習の円滑実
施と、住民の不安を取り除くため」となっていたと思いますが、住民と
米軍の間に入って、米軍が出すといっている資料の取り次ぎをするだけ
のこともできないんですか。これまでも海兵隊に質問状をこれまでも何
回も出していますが、なんでこれまでは取り次いでいたのに、今回はで
きないんですか。
(施設局)施設庁として本庁に聞いたところ、こういった返事だったん
です。
*この後、質問2の宿舎建設の話が出てきた具体的な経緯、計画立案の
時期を調べて、後日答えるように確認をして、電話を切った。
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浦田龍次 Ryuji Urata
〔e-mail〕 yufukiri@fat.coara.or.jp
地域の暮らしの「安心」と「安全」を奪い、
自立した地域経済を壊す米軍基地や演習は、
日出生台にも名護にも、どこにもいらない!
日出生台で2月に行われる米海兵隊実弾砲撃演習に抗議する
「日出生台ピースアクション2000」
http://www.coara.or.jp/~yufukiri/localnet/lonets.html
米海兵隊は日本にいらない!アクションプロジェクト
(米紙意見広告を実現する会)
http://www.coara.or.jp/~yufukiri/
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