二月十二日に打ち上げられたスペースシャトルで「地球環境改善のために」観
測した立体地図で巡航ミサイルの命中精度もあがり、コソボ攻撃のように中国大
使館にあたるようなこともなくなることでしょう。マスコミは「未来の子供たち
に夢を」なんぞと調子あわせてまあ。日本は宇宙の軍事開発を禁じているんです
がね。
ちなみに、巡航ミサイルはあらかじめ目標までのコースをプログラムした立体地
図が組み込まれ、ミサイルは地上の地形を読みとり、内蔵された地図とくらべな
がら、さらに衛星システムGPSのデータも参照し、数千キロ離れた目標に指示
どおりのコースを飛んで約一メートルの精度で「正確に」命中させるとのこと。
明治学院大学の浅井基文教授(国際論)「(日本有事や周辺事態の際に、自衛
隊と在日米軍が作戦の調整を行う「日米統合司令部」が、5月完成の防衛庁新庁
舎に設置など)日米間で着実に関連法発動への準備が進んでおり、米軍は重要視
する港で、艦船がいつでも問題なく入港できるかチェックしている」「港湾管理
者の行政や県民が、このまま見過ごしていていいのか。米艦船入港の真意を見極
めるべき」(南日本新聞2月20日)
日本軍にとって、渡りに船の「朗報」も
コンゴPKOに「貢献」した南アフリカは94年に国連活動に完全復帰。ともに
常任理事国入りを目指し、日本にとってもアフリカ諸国は大事な票田とのこと。
陸自のゴランPKOもすでに9次隊と「恒例化」
国連安全保障理事会は24日の公式協議で、中央アフリカのコンゴ民主共和国(旧
ザイール)に総勢5537人の大型の平和維持活動(PKO)を展開する決議を全会
一致で採択。
クリントン米大統領は24日、頻発する地域紛争への対応策の一環として、国連平
和維持活動にあたる文民警察の強化を支援していく方針を発表した。軍隊を導入
するほどではないがこれまでの文民警察では手に余るような事態への対応を想定
し、国連のもとに2000人規模の即応展開能力を持つ特別警察部隊の創設を目指
す。
オルブライト国務長官「旧来の平和維持活動では現代の危機に必ずしも対応で
きないことを認識すべきだ」。コソボや東ティモールなどを念頭に「厳密な意味
での軍隊でも警察でもない双方を組み合わせたような機能を持つ部隊が必要とさ
れている」
(日経00/02/25)
石原知事や稲嶺知事らも軍民両用空港案を出して、地元の住民や観光客などの安
全を軍隊に売り渡そうとしていますが、
かつての戦時、軍港がどんな大役を果たしたか、現在なぜ自治体が港湾を管理す
るようになったかを振り返れば、相次ぐ軍艦の入港が何を物語っているか想像に
難くないはず。
判で押したように「休養と友好・親善、観光」とくり返すのはもう、いい加減に
してほしいところ。いずれこれまでですが。長崎には「通常目的」で入港。
軍艦が自治体を侵略し、その間に日米共同統合指揮所演習や八省庁による治安訓
練。雪国では、北の国への出兵に備えてか、積雪寒冷地共同実動訓練の恒例化。
こちらではよく知られている「八甲田死の行軍」を思い出す人もいるでしょう。
このほかの軍艦もきているかも知れませんが
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆99年12月6日 佐世保港
長崎県の国会議員や関係省庁などで構成する「佐世保問題対策検討会」は、佐世
保重工業(SSK)側が佐世保港のジュリエットベースン(平瀬係船地)に仮桟
橋を造る構想を明らかにした。
今回の構想は、SSKがジュリエットベースンに約八十億円かけて佐世保港岸
壁に仮桟橋を建設し、後に国に買い上げてもらうというもの。これに対し防衛施
設庁側は「受注調整などで従来通り、やりくりしてほしい」と回答、仮桟橋建設
には消極的
立神岸壁は米海軍への提供施設で、SSKが米海軍の許可を得て新造船の艤装
(ぎそう)に使用中。しかし、米海軍は2000年六月、強襲揚陸艦ベローウッ
ドと同エセックスの交代を計画、引き継ぎなどで二隻が同時に六―八週間接岸予
定で、岸壁不足のためSSKに明け渡しを要求するとみられる。
佐世保港の軍民すみ分け問題については九九年九月、野呂田芳成前防衛庁長官
が米海軍佐世保基地などを視察した際、立神第四、五岸壁の代替施設として、二
〇〇一年度中にジュリエットベースンの一部を埋め立て、米海軍用の岸壁として
整備する計画に着手することを明らかにしている。
[西日本新聞1999年12月7日]
◆99年12月10日 海上自衛隊呉基地
在日米海軍横須賀基地在籍の駆逐艦「オブライエン」(八、〇四 〇トン、乗員
三百五十人)が十日、海上自衛隊呉基地に入港。十四日まで寄港。99年の米軍
艦の呉基地への寄港は六隻目。九八三隻、九七年四隻、 九六年五隻、九五年一隻
で、ここ五年間では最高になった。
オブライエンの呉基地寄港は初めて。一九七七年に就役し、九二年に横須賀基
地に配備。巡航ミサイル「トマホーク」を搭載し、湾岸戦争にも参戦して発射し
た経歴を持つ。
米国駐総大阪領事が「米艦船が広島港に寄港できるように希望する」と表明し
たことについて、同艦のエリック・リンデンバーム艦長は「一般的に日本のいろ
いろな港に行ってみたいが、具体的な計画はない」と語った。
(中国新聞'99/12/11)
断られたとは言わない。
◆2000年1月23日 博多港
在日米海軍・横須賀基地所属のミサイル巡洋艦「ビンセンス」(三百六十五人
乗り組み、九、八〇〇トン)が二十三日、福岡市の博多港に入港。二十八日午前
十一時出港。
同艦は、博多港内の能古島東側の検疫びょう地に正午前沖合停。「接岸停泊を
希望したが、連絡の手違いがあった。」として、あらためて港湾管理者の福岡市
に接岸を希望したが、二十四日、申し込みを取り下げ。
在日米軍当局筋は「接岸には、既に上陸した乗組員を帰艦させる必要などがあ
り、手続きに時間もかかるため、今回は接岸を見送ることにした」と説明
99年2月、イージス駆逐艦「ジョン・S・マッケーン」が入港。99年五月、
「周辺事態」の際の自治体協力が盛り込まれた日米防衛協力のための新指針(ガ
イドライン)関連法が成立して以来、博多港への米艦船入港は初めて。
同艦は核搭載が可能な巡航ミサイル・トマホークなどを配備。サム・ペレッツ艦
長は「原則として洋上艦などには核を配備しないことになっている」
入港中、養護施設への訪問や自衛隊との親善サッカー試合など。
[西日本新聞2000年1月24、25日][毎日新聞 01月14日]
耐用年数は?だが、少なくとも15年以上は塩害に苦しむことになりそう
◆1月26日 長崎県西海町に米軍基地
米海軍エアクッション型揚陸艇(LCAC)駐機場の西彼西海町への移転問題で、
福岡防衛施設局の小竹秀雄局長と同町の山下純一郎町長は26日、見返り策などを
盛り込んだ「横瀬貯油所内におけるLCAC施設の整備等に関する協定書」に調印。
協定書は9条、計20項目。基本事項として「LCAC運用に当たっては町の意向を最
大限尊重する」と定め、佐世保港内航行時は上限20ノット(約37キロ)で航路設
定、夜間や早朝の航行禁止などの「安全確保」、環境整備法第9条1項の要件が満
たされた場合は特定防衛施設関連市町村に指定するという「周辺生活環境整備」
−などを規定。夜間航行禁止や被害補償は協定書締結後に適用される。
新駐機場は同貯油所前の海を約7ヘクタール埋め立て、防音装置付きエンジンテス
ト場や整備場などを整備する。LCAC収容能力は現在の倍の12隻。同施設局は来年
度から環境アセスメントに着手、完成までに15年を見込んでいる。今後計画水域
に漁業権を持つ瀬川漁協の同意を取り付ける。
[長崎新聞1月27日]
◆1月27日 大分港 米軍砲門など陸揚げ
大分県・日出生台演習場での在沖縄米海兵隊による実弾砲撃訓練(二月三日)
で使われる砲門などの関連物資を二十七日朝、民間貨物船が大分港の大在公共ふ
頭(大分市)に運び込む。
二十五日に沖縄県の那覇港を出港した貨物船一隻は二十七日午前七時半、同ふ
頭に接岸。大量の物資が次々に、クレーンで降ろされ、米兵がトラックや小型四
輪駆動車など四十台を運転して、日出生台演習場に向かった。一五五ミリりゅう
弾砲四門などはチャーターした民間の大型トレーラーなど九台に積み込まれた。
大分自動車道を通って同演習場に運び込む予定だったが、雪で通行止めになった
ため、一般道を使うなどして同日午後、演習場入り。
[西日本新聞2000年1月27日]
◆2月3日 小樽港
米海軍第七艦隊のイージスミサイル巡洋艦「モービルベイ」(九、四六六t)
が、二月三日午後一時に小樽港中央ふ頭に入港、七日午前九時に出港。
小樽市は在札幌米総領事館と外務省に核兵器搭載の有無について文書での回答
を要請。
在札幌米総領事館は二十六日までに、昨年二月、小樽に入港した同艦隊のイージ
ス艦「ジョン・S・マッケイン」のジェームズ・ワイズ艦長が報道陣向けに発表
した文書をもって、同市へ返答。「核兵器を搭載しないことが、米政府の一般的
な方針。しかし、特定の艦船に関しては論議しない」との内容で、総領事館は
「正式な回答は外務省を通じて小樽市に伝えている。この文書あくまで参考とし
て渡した」としている。
外務省からは「安保条約に基づく核持ち込みの事前協議がない以上、政府として
疑いを有しない」という文書回答を得た。
山田市長は「外務省の見解を重く受け止める」と、同日寄港受け入れを決めた。
市は過去に延べ五十九隻の米軍艦を受け入れ。
寄港中、艦内の一般公開については、「積雪期で危険」として、総領事館を通じ
て米軍に中止を申し入れ。寄港中は除雪ボランティアなどの親善交流。乗組員の
子供約二十人が「体験乗船」として乗り込み、家族らも空路で本道入りし、開幕
前のさっぽろ雪まつりも見学。
モービルベイは一九九○年七月に米海軍横須賀基地に配備。全長一七三m、幅
一七mで、核・非核両用の巡航ミサイル「トマホーク」が発射できる垂直発射装
置を装備。最新鋭の電子防空システム(イージスシステム)も搭載。九一年の湾
岸戦争にも参戦。
[北海道新聞01月15、27日]
◆2月5日 鹿児島港
米海軍のミサイルフリゲート艦「バンデグリフト」(4、100トン、横須賀
基地所属)が、2月5日午前9時に鹿児島市の鹿児島港谷山1区1号岸壁に入
港。出港は8日午前9時。5−7日に一般公開。乗組員と自衛隊員とのスポーツ
交流や、艦長の知事への表敬訪問など。
さらに米海軍の掃海艦「ガーディアン」「パトリオット」の2隻が、25日午前
8時、鹿児島港谷山岸壁に入港。
核搭載可能のミサイルを装備しているが、県国際交流課が外務省に問い合わせた
ところ、「事前協議がないので核は積んでいないと考える」と回答。
「バンデグリフト」は1998年9月に続き2回目の入港。99年10月のイー
ジス巡洋艦「モービルベイ」入港。99年5月、日米防衛協力のための新指針
(ガイドライン)関連法が成立してから計4隻。
鹿児島港への米艦船入港は、横須賀の市民グループ「非核市民宣言運動ヨコス
カ」によると、85(昭和60)年−99年の15年間で26隻と、民間港では
横浜、呉に次いで全国3番目、九州では最多。
横須賀市の在日米海軍司令部「艦船は洋上では、常に訓練・演習をしており、乗
組員には陸上でゆっくり休める入港は大きな意味を持つ。これは、日本に限ら
ず、第七艦隊がカバーする約40カ国のどこに入港しても共通だ」とし、鹿児島
寄港が相次いでいることに関しては「それぞれの艦船の作戦行動上、たまたま寄
港地になっただけ。戦略的な意味はない。近年、鹿児島への入港が突出している
とはいえないはず」
核搭載能力のある艦船の入港について米海軍は「日本との条約や協定は守ってい
るが、搭載の有無を明らかにしないのが政府方針」
軍事評論家の前田哲男東京国際大学教授「新ガイドラインという新たな枠組みの
なかで、朝鮮半島や中国、台湾をにらみ、九州の港での実績づくりが進んでい
る。周辺事態を想定した演習も行われており、今後も、鹿児島への米艦船の入港
は増えていく」
[南日本新聞2月3、5、20日]
これからの原子力艦で核事故が起きた場合の被害は、専門家でも甚大すぎて想定
できないと聞きましたが、国家の安全でも守るのでしょうか。それは自治体の仕
事ではありません。
◇佐世保市「これまで未整備だった米海軍原子力艦船の放射能事故の安全マニュ
アル作りに乗り出す。」
佐世保市は、米海軍原子力艦船の放射能事故対策を検討する「原子力防災計画
策定準備会議」を発足。同準備会は、庁内7部局10課で構成。総務部を調整約に原
子力艦船事故対策に関係する基地対策課や環境保全課などの担当者16人で1月発
足。事故の際、農水産物への風評被害も懸念されることから農林水産部内の卸売
市場も参加。
原子力防災訓練は、九州電力玄海原子力発電所(同県玄海町)で事故が発生
し、放射性物質が漏れ出た―との想定で屋内退避などを実施。同準備会「事故の
際の連絡や避難経路、情報収集など原子力艦船の事故対策に反映させたい」
[長崎新聞2月9日]
長崎にはイージス艦3隻を建造した三菱長崎造船があり、米軍艦船の修理可能。
入港に際し、運送会社4社、衛生公社の2台のし尿処理車を動員。
「ディケイタ−」の艦長によると、寄港の目的は、「いつもと同じで、高レベル
のホストネーションサポートを維持し、地域かつ地球規模の協力を容易にするた
め」とのこと。
"Our desired accomplishments in Nagasaki
are the same as in any Japanese port: to maintain a high
level of host nation support and to facilitate global and
regional cooperation."
(Stars & Stripes Wednesday, February 9, 2000)
◆2月14 長崎港
イージスシステムを搭載した米海軍のミサイル駆逐艦「ディケイタ−」(9,033
トン、約300人乗り組み)が二月十四日午前、長崎港へ入港。十七日午前八時に出
港。一九六〇年以降では十二回目。
長崎県と長崎市は今月初め、「被爆地の市民感情に配慮して入港を回避してほ
しい」と米領事館などに要請。
伊藤長崎市長は2月2日、在福岡米国領事館に入港回避を求める要請文を送っ
た。
相次ぐ臨界前核実験や包括的核実験禁止条約(CTBT)批准を否決するなどの米国
の姿勢を「国際世論の非難を無視している」と厳しく指摘。さらに「今年は被爆
55周年という節目の年で、核廃絶の国際世論を喚起する市民の声が高まってい
る。市民感情を考慮し、入港は受け入れがたく、回避するよう要請する」と求め
た。
「入港した以上、乗組員は長崎原爆資料館を訪れ、被爆の実相と核兵器の脅威を
多くの人に伝えてもらいたい」とコメント。
長崎への米艦船入港は99年9月、米海軍佐世保基地の救難艦セーフガード
(3,282トン)以来。ディケイターは、米海軍最新のミサイル駆逐艦アーレイ・
バーク級の一隻で、1998年8月に就役したばかり。長崎は初入港。新鋭イージスシ
ステムを備え、弾頭部分に核搭載可能な巡航ミサイルトマホークを装備する。母
校はサンディエゴ港。今月上旬、西太平洋海域で半年間の任務遂行のため同港を
出発。
[長崎新聞1月22日、2月3日][西日本新聞2000年2月14日]
◆2月15日 周防灘
二月十五日から二十七日まで、周防灘で海自と米海軍による掃海特別訓練。五五
年度から六三回目。
海自は掃海艦艇十八隻(掃海母艦二隻、掃海艦一隻、掃海艇十五隻)と航空機十
八機(P3C哨戒機十二機、MH53E掃海ヘリ六機)、米海軍は掃海艦二隻と
P3C一機、水中処分員九人。訓練機雷を使用し、機雷施設、機雷監視、機雷排
除などの掃海訓練。
[朝雲00/02/17]
◆2月22日 徳山下松港
在日米軍の掃海艇二隻が二月二十二日、日米地位協定に基づき、徳山市の徳山
下松港に入港。海上自衛隊と、周防灘で行っている掃海特別訓練(十五〜二十七
日)に伴う給油のためで、同港入港は五年ぶり。
午後五時十分すぎ、同港晴海第二埠頭(ふとう)に、米軍佐世保基地在籍の
「ガーディアン」(一、二〇〇トン)が接岸。同じ所属の「パトリオット」
(同)は、港内の黒髪島の南、約八百メートルの海上に停泊した。
「ガーディアン」は二十三日午前、軽油の給油を受ける。両艇とも、同日正午
に出航する予定。
二十二日の入港について、山口県が代理店の民間業者から、正式な通知を受け
たのは二十一日で、県から徳山市への連絡は二十二日正午前。
徳山市「入港時の安全確保は、かねてから県などに要望している。今回の連絡
体制については、コメントしかねる」
[中国新聞'00/2/23]
■二月十六日 日米共同統合指揮所演習
自衛隊と在日米軍が2月16日から24日まで、日米共同統合指揮所演習(CP
X)<米側呼称「キーンエッジ2000」>が、統幕と陸海空主要部隊、在日米
四軍の司令部を結んで実施。統幕議長(日本側)と在日米軍司令官(米側)を統
裁官に、自衛隊約五千人、在日米軍約千三百五十人が参加。桧町の中央指揮所と
在日米軍司令部(横田)のコマンド・センターなどを連接。
十四日から始まった陸上自衛隊演習(CPX)も連動。
十日に横田ではコマンド・センターを報道陣に公開。
司令部広報部長ミニック空軍大佐「日米部隊の意思決定者が最重要の情報を交換
し合い、いかに早くその事態に対処するかがこの演習の目的。実際の部隊を動か
さないでできるCPXは、費用対効果の面でも価値は大きい」「シナリオには使
用予定の飛行場が封鎖された場合や、主要指揮官がけがや病気になった場合な
ど、さまざまな状況を付加。」
磯島陸幕長「統幕が演習のシナリオを作成し、陸自はそれに対応して実施する。
後方支援がメーンとなると思うが、周辺事態という新しいシナリオの中で、どこ
に(運用上)問題が出てくるか、検証しながらやっていきたい」
日米防衛指針(ガイドライン)関連法成立を受けて初めて「周辺事態」を想定し
た自衛隊の後方支援、捜索救助活動、邦人輸送などを盛り込んだ指揮幕僚活動訓
練。図上演習だが、日本でテロが相次ぐ内容で、治安出動訓練が図上とはいえ四
半世紀ぶりに復活。国会で検討されていない「有事法制」も成立を前提にシナリ
オが作られた。
同演習は2年に1度で、実際の日時の経過に合わせて机上で部隊の動きなどを
シミュレーションする。
朝鮮半島有事を想定した内容。
関係者によると、今回は「K半島」で某国が隣国に侵攻することを想定。まず情
勢が緊迫して不審船が出現し、海上自衛隊に海上警備行動命令が下される。半島
から日本への邦人輸送も始まり、航空自衛隊の輸送機や海上自衛隊の輸送艦「お
おすみ」などが米軍と協力して3日目までにほぼ全員の避難を完了する。
日本国内ではテロ活動が相次ぎ、3日目に治安出動を発令。陸上自衛隊は、各
県警と協議の上で、原発など重要施設の警備に出動する。5日目に某国が隣国に
侵攻を開始したため、政府は防衛出動待機命令を発令。8日目には弾道ミサイル
が東京に落下して防衛出動する想定。
シナリオは弾薬輸送や陣地構築など現行法では緊急に対応できない有事法制に
も、国会での承認をはじめ事態の進む中で解決される想定になっている。演習は
非公開で、内容が明らかになることはほとんどなかった。結果は4月までにまと
められ、研究会が開かれる。
有事法制の想定について防衛庁幹部は「庁として以前から有事法制整備が望ま
しい、と言っている。現実に有事法制がないことを前提にしていたら訓練できな
い」と説明。
十五日からは、弘前、小谷両演習場と弘前、青森両駐屯地で陸自と米陸軍(ハワ
イ)の積雪寒冷地共同実動訓練(FTX)「つがる2000」。兵員日本側約六
百人、米側四百五十人。同訓練は二十一日からは北海道網走美幌でも日米とも一
個中隊約二百人が参加し、スキーの基礎訓練から始まって、追撃砲などを使った
実弾射撃や攻撃訓練。
21日、むつ市の釜臥山山ろくでは海上自衛隊大湊地方隊の雪中救難訓練。大
湊航空隊など各隊から約60人が参加。
捜索救助訓練は、八戸市から北海道に向かった隊員2人が乗り込む陸上自衛隊
のヘリが、悪天候とエンジン故障で大湊に緊急着陸を試みたが、消息を絶ったと
の想定。隊員約30人は、スキーやかんじきを履いてヘリと隊員を捜索したのに
続き、発見した負傷隊員に救急処置を施した後、そり型のボートで搬送する訓練
に取り組んだ。21日夜は大畑町薬研の野営場で雪中宿営を体験、22日は緊急
時の雪洞作りなど。
[朝雲00/02/17][朝日00/02/22][毎日00/02/24][河北新報00/02/22]
■2月16日
二月十六日、海上自衛隊幹部学校(目黒)で、大規模地震の発生を想定した内閣
安全保障・危機管理主催の「震災対処訓練(頭上訓練)」。緊急参集チームを構
成する内閣官房、建設、防衛、国土、警察、消防、海上保安、気象の8省庁の課
長級職員を集めた始めての訓練で約70人が参加。記者会見を行うなどロールプ
レー式で「実戦的」に進められた。同幹部学校の隊員約50人が訓練を支援。
「二月十六日〇九五〇、近畿地方でM7.0(最大震度6強)の地震が発生し
た」と想定。
[朝雲00/02/24]
国がどう困ろうと、いっこうにかまわないが、企業を抱き込んで自治権を侵害さ
れるのははなはだ迷惑。企業によっては「消費者」に尻を向けていては商売にな
るまいが。
◎3月18日 艦船に非核証明書の提出を求める「神戸方式」が議決から二十五
周年
【神戸新聞2月18日】
神戸港入港は二十五年間で、七カ国十八隻。最大の核保有国である米国は一度
もない。
九九年十一月、フォーリー駐日米大使が、神戸市議らとの懇談会で「在任中に海
軍の艦船が神戸港に寄港するのが願い」と発言。この後、ロバ−卜・ルーダン米
国総領事も広島で同様の発言。
ル−ダン総領事「米国艦船は他の港と同様、神戸港にも出入りするのが望まし
い。安保条約で確保されている」「(入港については)国と調整するもので神戸
市との協議は必要ない」「米政府は一般の艦艇には、核を搭載しない」
同総領事は四月中旬、米国から約二十社の企業を神戸に派遣し、誘致や投資を促
進させることを明らかにした。
太田敏郎・神戸商工会議所副会頭は「神戸港はアジアの港と厳しい競争をしてお
り、発展のためには足かせを解決しないと勝てない。議論する時期にきているの
ではないか」。
海上自衛隊阪神基地隊の元司令、坂上芳洋氏は「神戸方式が他の自治体に波及す
ることを懸念している」と指摘。
加えて、自衛隊内部では日本海での有事を想定すれば、神戸港が使用される可能
性が高い」との見方がある。有事の際、米国の物資は神戸港で陸揚げされ、陸路
で日本海方面まで運ぶ。坂上氏は「神戸港は施設が整備されており、高速道路も
近い。安全保障上、欠かせない港」
全会一致で決議した神戸市議会は「早急に変える必要はない」との見方が大
勢。
自民党市議「日米安保や冷戦構造の崩壊を考慮すると、神戸方式は現実的ではな
い。核が入ることには当然、反対だが、搭載していない艦艇は入港してもよい」
浦邪法穂神戸大学教授(憲法)「艦艇を入れると、神戸方式がなし崩しにされ
る。市民から神戸方式を変えようという議論が起こっていない以上、変えるペき
ではない」
■米軍の新年度実弾砲撃訓練
沖縄駐留米軍による2000年度実弾砲撃訓練の実施日程について、日米間の調整
が21日までに決着。陸上自衛隊の王城寺原演習場(宮城県大和町、色麻町、大
衡村)で2000年度、訓練が実施されないことが正式に決まり、仙台防衛施設局は
21日、県と地元3町村に伝えた。王城寺原演習場では、3年連続で実施されて
きた。
訓練は97年から毎年、五カ所のうち四カ所で実施されている。
昨年9月の演習時に、米軍の複数の幹部は「2000年は同演習場で訓練を行
わない方針」と説明したが、陸上自衛隊矢臼別演習場(別海町など三町)での実
弾砲撃訓練について、防衛施設庁は21日に2000年度は6月に実施されるこ
とを発表。4年連続が決まったのは同演習場だけ。また、これまで三回は9月に
行われており、6月実施は初めて。
防衛施設庁によると、2000年度の訓練は6月に矢臼別(北海道)、9月に東富士
(静岡県)、11月に北富士(山梨県)、13年2月に日出生台(大分県)の各
演習場で実施される。
[河北新報00/02/22][北海道新聞00/02/23]