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Date: Sat, 19 Feb 2000 03:13:08 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: higa akiko <higa@jca.apc.org>
Subject: [keystone 2379] Re: 集会:平和ゼミ(2.18)「軍民共用」
Cc: jughon@oregano.ocn.ne.jp, oguri@cam.hi-ho.ne.jp
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こんにちは。京都の比嘉なんですが、今、出張で東京にいます。

夕べ、以下の集会にいきましたので、ちょっと報告。
(と思ったんですが長くなってしまったです。ごめんなさい)

======================
●平和ゼミ「軍民共用問題」を考える
    〜名護と横田をむすんで〜
●1.報告 「軍民共用を許さない横田基地訴訟の取り組み」
    福本道夫 横田基地飛行差し止め訴訟団事務局長
●2.サブレポート
    「名護と横田をつなぐもの」
       -三沢・那覇の軍民共用の実態から-
                     むすぶ会事務局
●主催 平和と生活をむすぶ会 小栗
     TEL&FAX043(273)3140 
======================

 石原都知事提唱の横田の「共用化」について、周辺自治体の反応は
 異なっていて、立川市、昭島市、瑞穂町の市長は明確な「反対姿勢」
 で、武蔵村山市や福生市、羽村市の市長は「賛成」表明。「賛成」し
 ている自治体は被害が比較的少ないとか、基地関係の交付金など財政
 的に潤うことなどがその理由だそうです。
 訴訟団では、「共用化」は騒音を軽減するものでは決してないことか
 ら、都に対する「軍民共用化政策の撤回」要請、パンフレット「静かな
 夜と空を返せ」の作成、都議会議員や自治体首長への申し入れ書の送付
 などの反対行動を展開しているそうです。

 また、都知事が「共用化はもっと広い範囲の意見を決めて進めるべき」
 として、周辺自治体、経済団体、学者、スポーツ選手(ラモスが入って
 いるそうですが)らで協議会を設置することを決め、昨年11月に「
 横田基地の民間利用を考える会」として初会合が開かれましたが、ここ
 で、大賀ソニー会長が「横田基地に民間機が飛べば騒音規制が敷かれる
 ことによって軍用機への規制につながる」と発言し、石原知事もこれを
 評価した。とのこと。

 これについて、福本さんは、例えば横須賀に空母が来ると艦載機は厚木
 基地にいくが、これらの軍用機は厚木の夜間規制を守っていない、そう
 で、「共用化」が民間のことを考慮して演習を控えるきっかけになるか
 もということはないと思うといってました。

 沖縄での米軍の行動をみてもそれは明白。

 稲嶺さんは簡単に「軍民共用」というけどその辺はどうお考えなのかな。
 なんとなく「仲良く使いましょうね」というあいまいな響きで使われて
 いるような気がするのでこれにごまかされてはいけないなと改めて思い
 ました。

 一方、「共用化」に反対すると横田基地がいつまでも「米軍基地」のま
 まで返還されないのではないかという不安の声もあるそうです。「共用
 化」してしまうと利害関係が深まって、もっと追い出しにくくなると、
 わたしは思うんだけど。

 この後、『日米同盟・米国の戦略』(マイケル・グリーン/パトリック・
 クローニン 1999)をテキストに、米国側の在日米軍の「軍民共用化」
 についての戦略について解説がありました。これによれば米国は冷戦後
 の在日米軍基地の存続をはかり、又その地位を長期にわたって安定した
 ものにするために「革新的なアプローチ」として、今後「軍民共用」を
 積極的に位置づけていこうとしている、そうです。

 以下、資料から引用すると「しかし、その(軍民共用の)目的はあくま
 でも基地の存在を脅かす圧力をやわらげることであり、「創造的な妥協」
 をすることによって基地機能を失わせない事が最大の使命である。その
 結果、名護と横田において自治体が要求している「軍民共用」は決して
 絵空事はなくなる可能性が高い。新しい基地存続のスタイルとして普及
 するおそれもある。」

 ガイドラインのことを考えるとすでに「軍民共用」は始まっているとも
 いえそうですが、米国としては「新しい基地存続のスタイル」として米
 軍が地域に定着するための戦略として既にはっきりと打ち出しているん
 ですね。基地と引き替えに金を貰ってにげられなくするという、日本の
 やり方はもちろん、米国はほんとーによく調べているんですね。
 解説者の方によれば、記述の中に、こうした「革新的なアプローチ」を
 もっと早く行っていれば、フィリピンから撤退することはなかったかも
 しれない、つまり「フィリピンに学べ」なんだとあるそうです。
 これは反対運動の側の言葉だったはずなのにね。

 この後、「名護と横田をつなぐもの」ということで、現在すでに軍民共
 用となっている三沢(米軍・自衛隊・民間)と那覇(自衛隊・民間)の
 実態の報告がありました。
 三沢の例はひどいもののようです。「三沢では軍民共用と引き替えに基
 地機能が強化され、大きな経済効果も得ないままに地元の騒音被害のみ
 が拡大し、集団移転による地域崩壊という実態を生み出している」のだ
 そうです。
 那覇空港は自衛隊機と共用しているために過密化して非常に危険な状態。
 しかも例の米軍の使用空域が被さっていて低空飛行を余儀なくされてい
 る。あまり意識してないけど沖縄に行き来する度に命がけなんだ・・。

 横田や名護以外に、岩国でも「軍民共用」を求める動きがあるそうです。
 補助金目当てに「軍民共用」を考える自治体が増えたら大変です。
 わたしたちは、「三沢・那覇に学べ」だわ。

 ああ、長くなってしまってすいません。
 いただいた資料に三沢や那覇の実態が詳しく書かれているので、できた
 ら、MLに流してほしいなー、と、事務局の小栗さんにお願いしておきま
 した。
     



 
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