仲田です。
全国商工新聞1月31日号からの転載です。転載許可は得ています。
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沖縄 新基地を許すな!
「移設」で最新鋭基地化
米軍の新拠点づくりねらう
新基地の素顔
「たらい回しとか県内移設という言い方は的を射ていない」と語るのは沖縄県
平和委員会常任理事で琉球大学助手の亀山統一(のりかず)氏。米軍普天間基地
は、米軍が沖縄戦当時に接収し、施設は老朽化しているといいます。
「新基地は最新鋭のハイテク基地。垂直離着陸機MV22オスプレイ36機が
主力配備されるほか、攻撃ヘリAH1や輸送ヘリUH1、大型ヘリCH53など
も配備する。さらにFA18ホーネット、AV8ハリアーなどの戦闘機や空中給
油機KC130なども離発着できます。設計次第では超大型輸送機も使えるよう
になります」。
新基地の最有力候補とされる海上基地になれば、ヘリコプターのローター(回
転翼)を止めて降下し、地面すれすれで再始動して着陸するという危険な訓練も
住民の目を気にせずにできる、とも指摘します。
「老朽化した普天間基地と同じものが造られるのではなく、最新鋭の基地が新
設されるのです。だから単なる基地の引っ越しなどではなく、朝鮮半島や中国・
台湾海峡をにらんだ基地の新設・強化なんです」と強調します。
「軍民共用」の狙い
九七年、政府が構想したのは、長さ1500メートル、幅600メートルの海
上基地。大きな鉄の箱を浮かべる「メガフロート案」。そして今、建設業者の間
では、「メガフロート案」に加えて、埋め立てによる2400メートルの滑走路
とヘリ施設、3000メートル滑走路と港湾施設をもつ「人工島案」が、それぞ
れの思惑を秘めて取り沙汰されています。
米国防総省の報告書「普天間海兵隊航空基地の移設のための運用条件及び運用
構想(最終案)は、最新鋭機MV22オスプレイの配備を前提に、「運用年数は
40年、耐用年数は200年の施設として設計されるべきだ」と明記しています。
稲嶺恵一・沖縄県知事は移設受け入れの条件として「使用期限15年」ととも
に「軍民共用」をあげていました。
亀山氏は「軍民共用」のねらいを「新基地を大型ジェット機にも対応するため
に2500メートル滑走路にするとして、大型輸送機C17や空中給油機EC10
の運用を可能とするための方便だ」と指摘、それは「嘉手納基地の4000メー
トル級二本と合わせて五本の滑走路体制は、有事の際に沖縄が米軍にとって世界
最大の航空基地になることを意味する」と強調します。
北朝鮮のピョンヤンは、沖縄から東京と同じ距離。台湾は鹿児島よりも近い。
亀山氏は、こう語ります。
「米海兵隊は、朝鮮半島や台湾海峡で戦争が起きたとき、ヘリ300機体制で
臨むといわれ、二百数十機は米国本土から沖縄に大型輸送機で運ぶ計画です。
C17大型輸送機は2500メートル滑走路で楽々運用できる。つまり『普天間
移設』とは、海兵隊の独立した航空拠点を新たに沖縄に造ることであり、新ガイ
ドラインの要(かなめ)なのです」
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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org