Mime-Version: 1.0
Date: Sun, 23 Jan 2000 23:12:36 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org, aml@mail.jca.apc.org
From: higa akiko <higa@jca.apc.org>
Subject: [keystone 2301] ジュゴン保護基金運動-7月までに生態調査
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 2301
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

こんにちは。お世話になります。京都の比嘉です。

普天間基地移設先とされている辺野古沿岸をはじめ、沖縄県東海岸は、国際的保
護動物であり国(日本)指定の天然記念物であるジュゴンの生息地域であること
が明らかになっていますが、このジュゴンの生態調査と環境調査を実施すること
目的として、昨年10月16日に沖縄の名護市民や市民団体が中心になって、
「ジュゴン保護基金」が設立されています。1000万円を目標に一口1000円
で賛同者を募り、IUCN(国際自然保護連合)、WWF(世界自然保護基金)
と国内の専門家、科学者によるジュゴンの生態系調査と環境調査などの費用に
充てることになっています。

ジュゴン保護基金
http://www.rik.ne.jp/edic/dugong/index.html
ジュゴン保護基金委員会 共同代表
 玉城芳喜(全逓離職者組合)/池原貞雄(琉球大学名誉教授)/香村真徳
 (琉球大学名誉教授)
事務局
 東恩納琢磨  名護市瀬嵩48番地 phone&fax 0980-55-8587
   dugongnago@hotmail.com
 

「ジュゴン保護基金」では、ジュゴンの生態調査や生息地の環境調査を7月の
主要国首脳会議(サミット)までに実施し、各国首脳にジュゴンの保護および
生息地の保全を要請し、またその重要性に対する国内・国際世論の喚起を促す
ことによって、辺野古沿岸地域への海上基地建設と福地ダム上流域のヘリパッ
ド建設を中止させることを軸に運動を進めていくことになりました。
(1月20日に沖縄県庁で会見済)

これからの「ジュゴン保護基金運動」のスケジュールなどについての情報がき
ましたので概要をご紹介します。
*詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.jca.ax.apc.org/~higa/OKINAWA/umantyu/dugong/dugong.html

ぜひ、この「ジュゴン保護基金運動」の拡大と資金協力など、よろしくお願い
いたします。

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●ジュゴン保護基金運動の目的
(1)ワシントン条約の絶滅危惧種・日本国の天然記念物である沖縄島北部東
   海域に生息するジュゴンの保護と海域生態系保全及び緑と野生生物種の
   聖域やんばるの保全のためにIUCN、WWFなどの科学者団体、専門
   機関に科学的調査を依頼する。
(2)ジュゴン保護・自然との共生の思想を啓発する。
(3)ジュゴン保護とやんばるの生態系の保全の国内・国際世論を活性化し、
   辺野古沿岸区域での海上基地建設及び福地ダム上流域でのヘリパッド建
   設中止を促す。
(4)地域の自立活性化を進める。

●基金運動呼びかけ団体
 ジュゴン保護基金委員会/沖縄-八重山-白保の海とくらしを守る会/
 沖縄環境ネットワーク/山原の自然を歩む会/満月まつり実行委員会

 賛同団体 WWF日本委員会

●調査日程
 4月 調査依頼、科学者団体の決定
 5月 事前調査開始
 7月 事前調査報告シンポジウム
 8月 本調査開始

●全国展開について
 ・詩、キャッチコピー、イメージポスターの全国募集
 ・連続シンポジウムの開催
 ・街頭宣伝(毎月15日を「ジュゴンの日」と位置付け街宣啓発活動を行う。)
 ・名護市長及び市議会議員への現地視察要請
 ・沖縄県知事及び県議会議員への現地視察要請
 ・自然保護団体との連携
  白保を守る会/沖縄環境ネットワーク/WWF日本委員会
 ・物販促進(あわもり「寿魂」/ジュゴンTシャツ/ジュゴンバッジ)
 ・書面、チラシ等の作成

●ジュゴン基金運動の現状
 ・目標金額 1000万円
 ・基金集約状況 160万円程度

●ジュゴン保護基金の振込口座
  郵便振替:01780―5―90603(ジュゴン保護基金)

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以下は、「ジュゴン保護基金運動」の呼びかけ団体からの声明です。

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            五 者 共 同 声 明

 沖縄島は、世界でも有数の亜熱帯の生態系と黒潮の海洋環境に恵まれた島
であり、中でも北部の山原(やんばる)はノグチゲラやヤンパルクイナの生
息が象徴するように、健全な生態系を維持し、その海にはワシントン条約で
絶減危惧種に指定された世界的保護動物・日本国の天然記念物であるジュゴ
ンが生息していることが明らかになった。
 1979年から今日まで数多くのジュゴン確認報告があり、その多くは東海
岸に集中し97年の防衛施設庁の海上基地建設に向けた辺野古沖合での事前
調査で、「ジュゴン1頭を目視確認した」との報告がされた。98年には53
例の確認報告があり、とりわけ10月の嘉陽沖合における3頭の発見、及び
99年4月には6頭のジュゴンの遊泳が目撃され、沖縄島北部東海岸にジュゴ
ンが定住・生息していることを実証した。
 日本政府は、このようなやんばるの海山を破壊し、新たな基地建設を進
めようとしている。97年の海上ヘリ基地に反対した「名護市民投票」の民
意を無視し、SACO合意に基づ<「県内移設」を大前提に、米軍基地の再
編強化を進めようとしている。
 老朽化した普天間基地の代替基地として、米軍海兵隊機能の近代化とハ
イテク化を進めるための新たな海兵隊基地をキャンプシュワプ辺野古沿岸
区域に、さらに国頭の福地ダム上流域に新たな7つのヘリ(オスプレー)
パッド基地を建設しようとしていることは、県民周知の事実である。       
                   
 このように陸域のヘリパッド基地の建設による福地ダムの水質の汚濁と
赤土の流出は、飲み水が汚染され県民生活の脅威となり、固有の野生生物
が生息するやんばるの自然環境に多大な影響を与えることは必定である。
また、海上基地建設のための埋立は海域を破壊し、あるいは水中構築物に
よる海草藻場の消滅は、ジュゴンやサンゴなど多くの海洋生物の生存に致
命的なダメージを与えることは明らかである。       
 そればかりではなく、辺野古沿岸区域の新たな海兵隊海上基地を中心に
した嘉手納への飛行ルート、国頭ヘリバッド基地への飛行ルートでは実戦
的訓練が日常的に行われ、低周波音や重量級の爆音で地域住民の平和と健
康がむしばまれ、野生生物の種の存続が危機的状況になることは言うまで
もない。
 このように、平和を脅かし自立の基盤である豊かな自然環境を破壊し、
アジアの人々に銃口を向ける新たな基地建設は絶対に受入れられるもので
はなく、振興策で、平和を求める「沖縄の心」を買いたたくようなことは
断じて認められるものではない。
 すでに、I UCN(国際自然保護連合)やWWF(世界自然保護基金)が発
表した「世界環境保全戦略」では、南西諸島(琉球列島)を保全すべき生
物区域と設定したことを踏まえ、私たちは日米両政府に対し、SACO合意
に基づく新たな基地建設を即刻中止し、世界的保護動物・日本国の天然記
念物であるジュゴンの保護と海域保全を含めた南西初頭の野生生物の保護
に向けた環境政策に取り組むことを強く要請する。
 今、私たちは「21世紀の未来に平和と健全な自然環境を残せるか否か」
という重大な局面に向き合っている。私たち人類に計り知れない恩恵をも
たらす緑と野生生物種の多様性に富むやんばる・ノグチゲラの森とジュゴ
ン、サンゴが生息し海洋生物が共生する豊かな海を保全することは、県民
1人1人の課題であり、未来の子供たちに対する私たちの責任である。
 私たちは、ノグチゲラの森とジュゴンの海の生態系を保護し、自然との
共生思想を啓発し、平和と自立の21世紀を創造するための「ジュゴン保護
基金運動」に、沖縄県民をはじめ多くの国民の皆様の参加・協力を強く訴
えるものである。

 以上のことを踏まえて、私たちは宣言する。

一・ワシントン集約の絶滅危惧種であり、日本国の天然記念物である沖縄島
  北部東海岸に生息するジュゴンの保護と海域生態系保全及び緑と野生生
  物種の聖地やんばるの保全のためにI UCN、WWFなどの科学者団体、専
  門機関による科学的調査を実現する。
一.ジュゴンの保護とやんばるの保全の国内世論を形成する。
一・自然保護・自然との共生の思想を啓発し、地域の自立活性化を進めるた
  めの方策を実現する。
一・ジュゴン保護とやんばるの生態系の保全の国内・国際世論を活性化し、
  日本政府に対し、辺野古沿岸区域での海上基地建設及び福地ダム上流区
  域でのヘリパッド建設の中止を促す。 

       2000年1月         
       ジュゴン保護基金委員会
       沖縄-八重山一白保の海とくらしを守る会
       沖縄環境ネットワーク
       山原の自然を歩む会 
       満月・祈り・御万人まつり実行委員会

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 比嘉明子  higa@jca.apc.org http://www.jca.apc.org/~higa/

  日米新ガイドラインに服従なんかしませんよ〜だ。のページ
 http://www.jca.apc.org/~higa/anti-guideline/index.html
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