新刊の紹介です。
『日の丸・君が代の戦後史』 田中伸尚
岩波新書(650) 2000年1月20日 700円+税
ISBN4-00-430650-7
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/7/4306500.html
定着化をねらう心性と、それに抗いつづける人々の 勁(つよ)さと……
(帯表)
「日の丸」「君が代」の強引な押しつけは、なにより人びとの思想・良心の自由、
さらに表現の自由に深く侵襲する。しかし戦後社会は、戦前・戦中とちがって容易に
公権力などに包摂されない「勁さ」を身体化している人びとを生み出していた。それ
が「日の丸」「君が代」強制化の中で、地域や既成の組織を越えたところで、試行錯
誤を重ねかつ悲しみさえ抱えなからも鮮やかなオブジェクションのたたかいを創造し
てきた。(本文より)
(帯裏)
掲揚と斉唱の定着化をめざす政府によって、さまざまな軋轢が生み出されながら、
人ぎとの心に刺さり続けてきた日の丸・君が代。それに抗う人たちが訴えるものは何
か。占領期から国旗国家法成立後にいたるまで、数々の事件やエピソードをたどり、
戦後社会が思想・良心の自由と歴史認識の問題にどう向き合ってきたのかを浮かび上
がらせる。
(カバー)
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目次
はじめに
第一章 占領下の「日の丸」「君が代」 一九四五 〜 一九四九
1 「日の丸」への曖昧さ
2 「君が代」への軋み
3 天皇の新しい舞台
4 民衆の違和感
第二章 再定着化をめぐる攻防 一九五〇 〜 一九五七
1 右傾化と天野発言
2 <緑の山河>誕生物語
3 「日の丸」「君が代」問題の形成
第三章 押し出された「日の丸」「君が代」 一九五八 〜 一九六八
1 学習指導要領への登場
2 高度成長時代の社会変容
3 薄らぐ抵抗感
第四章 強制と抵抗の狭間で 一九六九 〜 一九八一
1 「まわれ右」事件
2 法制化と処分の始まり
3 「君が代」から「国歌」へ
4 ジャズ風「君が代」演奏事件
第五章 裏切られた沖縄 一九八二 〜 一九八八
1 狙い撃ちされた沖縄
2 抵抗と復帰のシンボル
第六章 義務化と抵抗 一九八九 〜 一九九八
1 新指導要領での義務化
2 少数者への想像力 京都・「君が代」訴訟
3 「日の丸」「君が代」のない街 国立市民のとりくみ
4 内心の自由を取り戻す闘い 北九州・ココロ裁判
第七章 法制化へ 一九九九年
1 法制化の発端
2 原因とされた広島
3 論議の中で明らかになったこと
終章 若い世代は考える
1 海外体験子女の疑問
2 「日の丸」「君が代」を語る
付表
主な参照文献・資料等一覧
あとがき
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・日の丸・君が代 関連資料
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/Hinokimi/kihi.html
・極私的書籍案内(1999-2000)
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/Books/Books_list.html
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MARUYAMA K. kaymaru@jca.apc.org
2GO GREEN (JCA-NET)
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