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堂本あき子ネットワーク
堂本暁子>財政・経済・介護保険について代表質問
日付  : 1999/12/02


 堂本暁子ネットワークからテキストの提供を受けて掲載しています。 ===== 堂本暁子の永田町レポート12月2日号 財政・経済・介護保険について代表質問 1999年12月1日 参議院本会議  昨日の本会議で、財政演説に対し、来たる世紀の日本が、産業構造の転換を いち早く実現するべきとの立場から、今年3回目の代表質問に立ちました。 一、 大胆な産業構造転換のための施策について  現在の世界的な不況は、十九世紀末の大不況と同じように、産業構造が変革 過程にあるためだ、との見方があります。つまり、十九世紀末に、軽工業から 重化学工業へと、産業の主軸が移行したように、二十世紀末の現在、今度は重 化学工業から、情報通信、バイオテクノロジーなどの知的産業に代表される二 十一世紀型の産業へと、転換が図られようとしています。とはいうものの、欧 米の国々においても、これを完全に成し遂げた国はまだありません。どの国が 一番早く、新しい産業社会に到達するか、目下のところ、熾烈な国際競争が展 開されています。  マサチューセッツ工科大学のレスター・サロー教授は、三年前に出版した「 資本主義の未来」という本の中で、次のように警告しています。「ゲームの勝 者が、ゲームのルールが変わったことに気づくのは、たいていは一番最後にな る」 つまり第二次世界大戦後、経済復興、所得倍増、そして世界に類をみな い高度経済成長を成し遂げた勝者である日本は、新しいゲームにいちはやく参 戦できないのではないか、と予測していました。最近出版した「富のピラミッ ド」という本では、「日本経済は一九九〇年に不況に陥って以来、八年たって も回復していない。その原因は、必要な政策が必要な時期にとられていないた めである」 と述べています。サロー教授の言を待つまでもなく、産業構造を 転換するためには、二十一世紀型社会インフラの整備と、知的産業社会を支え る創造的な科学者、技術者、管理者などの育成、そして全般的な労働者の技術 水準の向上が不可欠です。  現在、情報・通信産業の分野で、国際競争力をつけてきているのは、スウェ ーデンやデンマークなどの北欧諸国ですが、これらの国々では、教育投資に力 点を置いています。スウェーデンでは、二〇〇二年までに人口の十パーセント にあたる八十万人の労働者に対して、情報技術の再教育を行うプログラムを組 み、学校でコンピュータを教える教員を六万人も増員するという力のいれよう です。加えて、IT、つまり情報技術のインフラ整備に多額の予算を配分して きました。  かかる観点から、今回の第二次補正予算の具体的な内容をみると、そうした 大胆さ、積極性に欠けているといわざるといえません。公共事業が二兆三千億 円と三分の一を占めています。中小企業への金融対策費として七千七百三十三 億円を計上していますが、中小企業やベンチャー企業へのソフト面での支援は、 経営基盤の強化として三百五十六億円が計上されているに過ぎません。二十一 世紀型の産業構造への転換を実現するためには、新産業の経営基盤の強化や人 材育成といったソフト面に、もっと多額の予算を配分するべきだと考えます。 総理の見解を伺います。 (総理の答弁)  今回の経済新生対策のとりまとめに当たり、景気を本格的に回復軌道に乗せ ていくとともに、21世紀の新たな発展基盤を築くことに重点を置くこととし、 社会資本整備費について、情報通信・科学技術の振興、生活基盤の充実強化、 少子高齢化・教育・環境特別対策といった分野を中心に総額3兆5千億円を計 上するほか、中小企業等の資金供給の多様化、円滑化を目的として、中小企業 等金融対策費7千億円余りを計上するなど、将来の発展基盤の確立に不可欠な 分野に重点的な配分を行ったと考えているところです。  残念なことに総理の答弁は、官僚の用意した原稿を一行違わず棒読みしてい て、所信表明とほとんど同じ内容だったので、拍子抜けしました。 二.公共事業が従来の比率を踏襲していることについて  次に、大蔵大臣に、伺います。 総理は所信表明演説で、「省庁の枠組みに とらわれずに施策を展開する」と述べておられます。産業構造の転換にはまさ に省庁を越えた取り組みが求められていると思いますが、一般公共事業の省庁 別割合を執行ベースでみると、建設省関係七割、農水省関係二割、運輸省関係 一割と、平成七年度とほとんど変わらない割合です。このように今までの縦割 りの既得権優先の予算配分を踏襲しているようでは、産業構造の転換はできな いのではないでしょうか? 国際競争に乗り遅れないかと危惧します。  大蔵大臣はしっかり私の顔を見ながら、原稿はいっさい見ないで、次のよう に答えました。 (大蔵大臣の答弁)  アメリカの経済が1985年ごろからひどい目に遭いながら非常な苦労をし て、それが今日の隆盛につながったということを、私どもは、日本が困りだし てからはじめて気がつきました。ですから、うかうかしていたら21世紀に生 きられないかもしれない、そのための苦しみを今私たちはしているのだと考え るべきだと、(堂本議員は)言っていらっしゃるんだと思います。私も実はそ う思います。  予算につきまして、そういう観点からいろいろご批判があります。(それを 受けて今回の補正では)3兆5千億円という社会資本整備という枠を設けまし て、物流、生活基盤、情報、少子化等々かなり具体的に詰めておりますし、総 理枠ということで、過去から切れた新しいものを採用していただこうとしたり、 いろいろしております。  各役所の長い間の考え方というものがなかなか変わらないということを、私 ども十分反省をしています。しかし今本当に不況なので、余りいろんなことは できないのですが、少なくとも21世紀に向かって、ものを考えていくという ことは忘れてはならないと思います。  私としては、大蔵大臣が、こちらの質問に対して、自分の言葉で答えたので、 これが本来の国会質疑のあり方なのだと実感しました。 三.介護保険の理念を壊す特別対策について  産業構造の転換は、まさに冒険であり、未知への挑戦です。この挑戦を可能 にするためには、社会保障制度や福祉サービスの充実によって、社会における 公平性と安全性が保証されなければなりません。にもかかわらず、今、介護保 険をめぐって混乱が続いています。こうした環境では、ベンチャー企業の経営 者や若者たちは、創造的な産業に取り組む意欲を失うでありましょう。 不安 と不信が増幅しています。  介護保険制度の特別対策で、何よりも納得できないのは、保険料の徴収を六 ヶ月間、先延ばししたことです。各市町村は来年四月からの介護保険の施行に 向け、精力的に準備を進めてきており、住民参加型の民主主義による地方分権 がまさに実施されようとしている矢先でした。この度のあまりにも急な政策変 更により、多くの地方自治体は、とまどっています。  来年四月から保険料を徴収する市町村は、「介護保険制度の円滑導入のため の交付金」を、介護基盤の整備にも使えるようにするべきこと、来年度前半に、 保険料の年額の四分の一を徴収した場合、交付金が配分されないのはなぜなの か、市町村の自治事務である保険料の徴収について、国が徴収しないことを事 実上強制するのは地方分権推進法の理念に反するのではないか、さらに、来年 度の介護保険の特別対策が、今年度の補正予算に組みこまれたことは、財政規 律を乱すことになるという点について、重ねて総理大臣にお答えいただきたい。 (総理の答弁)  介護保険制度の円滑導入のための交付金は、法施行後、半年間は第1号保険 料を徴収せず、その後1年間は経過的に2分の1に軽減するためという特別対 策の趣旨を実現するために交付されるものであります。 と断っておきながら、間をおいて、  なお、保険料の徴収は市町村の自治事務であり、国が保険料の徴収方法を強 制できる者ではないことは言うまでもありません。 という答弁をしました。明らかに矛盾した内容です。 四.財政再建の道筋について  私は景気の回復と財政再建は車の両輪だと考えています。今回の補正予算の 主な財源は、追加発行される国債です。その結果、平成十一年度末の公債残高 は約三百三十五兆円と増大して、元本と利子を払うために、25%近くが使わ れてしまい、その結果、教育、福祉、医療など国民生活に不可欠なサービス、 一般会計歳出の中で、国債費、地方交付税交付金や決算調整資金繰戻を差し引 いた、一般歳出の割合は、昭和四十年度と比較すると、約八十パーセントから 約五十七パーセントへと大幅に低下しています。  財政構造改革について、この際、政府は、将来の負担の在り方と財政再建の 道筋を、今回の補正予算の提出とともに、はっきり示す責務があるのではない かと思います。  この点について、総理大臣の見解を伺って、私の質問を終えます。 (総理の答弁) (景気の回復と財政の再建という)二兎を追うものは一兎も得ずといったこと のないよう、まずは何としても我が国経済を立ち直らせ、安定成長の軌道に乗 せるため全力投球していきたい。回復軌道に乗り、足下がしっかり固まった段 階において、財政・税制上の諸課題につき中長期的な視点から幅広く検討を行 い、国民の皆さまにそのあるべき姿を示すというのが順序ではないかと考えて おる次第です。  私は景気の回復策は、財政の再建策と同時に行うべきだと主張しているわけ で、全く議論がかみ合いませんでした。今のように財政赤字を考慮せずにどん どん国債を発行しているようでは、将来の大幅な増税が避けがたいのは火を見 るよりも明らかです。あまりに責任がなさすぎます。失望を禁じ得ませんでし た。 ******************** NPO支援税制に関する提言を発表 1999年12月1日  昨日、NPO法施行からちょうど1年が立ちました。この機会にNPO議員 連盟総会が開かれ、NPO支援税制に関する提言を採択しました。従来の公益 法人の制度などにとらわれることなく、NGO・NPOらしい税の優遇措置制 度をぜひとも確立したいと考えています。 ++++++++++++++++ NPO支援税制に関する提言の骨子 1. 公益活動に見るべき実績をあげたと認められたNPOを認定NPO法人として   認定 2. 認定NPO法人(仮称)への寄付金に係る所得控除及び損金算入制度の創設 3.認定NPO法人(仮称)にみなし寄付を認める 4.認定基準の明確化と情報の公開 5.認定機関の検討 6.地方税の減免と不動産の寄付の取り扱いの検討 7.特定公益増進法人制度等の改革 ++++++++++++++++ 私は、国内外での政治やNGOの活動を、FAXやEメールでお知らせしております。 今後も「永田町レポート」をご希望の方は、ぜひ堂本暁子ネットワークまでお 申し込みください。仲間が増えることは嬉しいことです。お待ちしております。 ♪♪♪ 堂本暁子ネットワーク 〒100-0014 千代田区永田町2-1-1参議院議員会館422 FAX:03-3506-8085  Email:GGH01130@nifty.ne.jp

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