ニュー・ライフ・ミニストリーから挨拶
横山英子
ジャン・ドーゲン先生が仕事の都合で来られませんでした。代わりに私がご挨拶申し上げます。NLM(ニュー・ライフ・ミニストリー)は大阪でエホバの証人の被害者家族の方、元証人の方、またクリスチャンの啓蒙のために定例会をして参りました。また書籍やビデオの販売をして参りました。定例会は42回になります。証のある冊子や集会のビデオテープがあります。NMLのアメリカの裁判を日本語のふきかえて発売してます。今日は定価3500円のところを1500円にしております。エホバの証人の教理と同じでどんどん変わって行くんですね。今は1500円です。今日の特価はビデオどれでも1000円です。…………
私はちょうど8年前に組織から救出されました。ちょうど説得を受けた奈良の親戚の家が沿線から見えました。そして逃げようとして走っていた道も見えました。大変懐かしく思えました。11月2日というのは、組織の間違いに気がついた記念すべき日です。正直言って元証人というアイデンティティがなくなってきています。8年経ってます。説得を受けて1年半で神学校に行って、そこでまた、のめり込んで3年間勉強して、卒業したら教会で3年間働いています。今年から伝道者をしてます。エホバの証人として嫌う、先生と言われる独立的な考えを持つ、思い高ぶる人間になってしまいました。教会で奉仕している中ではエホバの証人の気分が抜けている気がします。卒業生の気分で現役の皆さんと一緒に今の情報を知るべきだと思い学びに来ました。
必要のない知識というものは消えていくものなんですね。ドーゲン先生も最近、英語が出てこないと言われます。わたしも神権用語が出て来なくなりました。ほとんど埋没した言葉です。無理に見つけていたもので、今はほとんど消えてしまいました。そんな私でもエホバの証人の頃がよみがえってきます。思い出すのは拉致事件の一連の報道です。被害者家族のインタビューを見るとどこかで共通点を感じます。相談、説得、ハルマゲドン。お父さん、お兄さんが同じ心理で取り組んでいるなといった家族の気持ち。エホバの証人でもよく似ているなと感じました。拉致された人たちの固い表情、解放された表情を見るとマインドコントロールされた自分、エホバの証人というものを思い出させられます。特に報道があってから、情報をよく見ないといけないのですけど、被害者家族の結束力、長年培ってきた結束力を超えて、あきらめない強い愛情は、問題を乗り越えていく力だと思いました。
最近現役の証人から電話がありました。ウッドさんの本を読んで特に元証人と話がしたいというので連絡を取ってきました。何年間かその家にウッドさんの本がありました。何かのきっかけでそれを読んで、納得する気がすると話をしました。大変傷ついたそうです。組織の人ではない、分かる人に知ってほしいという願いで連絡してきました。20年間入っていたと言ってましたが各家庭で心痛める話が多いと言ってました。私も同じような体験がよみがえってきます。聞いていると相手の気持ちが良く分かります。今は忘れていることも苦しんでいる人が目の前にいると、償いと言いますか、この問題を経験した者として何か苦しんでいる人のために少しでも働かないといけないと、実感させられます。これでいいのか自分だけ解放されて喜んでいますが。お手元にトラクトを配りましたが(教会のトラクトですが)、近所に配っています。Hさんの証がありますが、草刈り先生が救出されて、NLMにつながっています。トラクトを配った日にも半年ほど研究している証人からも電話がありました。このように証が用いられて間違いに気がつくきっかけになればと配っています。
私は8年になります。救出されて1年間経って第1回被害者集会がありました。元気な気持ちで出かけました。そのときは熱気があり、クリスチャン中心でない被害者中心の大会も必要だなと感じました。私自信回復して良かったなと思っておりましたが、終わって食事をしていたとき、一緒にいたドーゲン先生が「辛かったね」とおっしゃいました。そのとたん涙がぼろぼろ流れて止まりませんでした。帰ってくる途中、電車の中でも止まりませんでした。心痛めていたんだと痛感できました。自分では笑っているつもりでもこの問題は深刻で辛い経験だとそのとき受け取りました。皆さん一人で落ち込んでしまうこともあります。共感できる人、同じ意味を知っているがいると、初めて「悲しみと怒りを乗り越えて」、心の傷を乗り越えて行くんだと思います。私はすっかり乗り越えて幸せですが、できれば同じような人が癒されてまた明るい顔でまたお会いでるよう楽しみにしてます。皆さんのお役に立つことがあればぜひ話してください。力になりたいと願っております。