たんぽぽの会の活動報告
磯崎 由美子
癒し系の人間の磯崎です。わたしは切れる話はできません。カウンセラーの人たちは被害者です。「牧師も被害者である」と中沢先生から言っていただけるとは夢にも思っていませんでした。先生に代弁させていただきました。こういう活動では、牧師との関わりが中心になります。牧師を暖かくしてやってくださいと、おっしゃっておりましたが、向かい風を受けながら、顔では笑って、心で泣いて。本当にドーゲン先生もそうなんですが、大阪の漫才やっているような、明るいことがぽんぽん出てくるようです。本当にエホバの証人の問題を好きでやっている人はいないと、おっしゃっておりました。ドーゲン先生はそれが生き甲斐じゃないかと、私は思っております。ああいう風に明るくしゃべっていただきますと私はもう本音は違うと思います。それを本人に言わせるのではなくて周りが察して働くのが筋です。中澤先生はお電話で話をして「被害者とは、弱い人のことを指すんでしょう。僕は強いから、被害者ではありません」とおっしゃいました。牧師さんは負けないと言うか、強い覚悟、使命の元で働いています。おそらく被害者意識を持ってない人がほとんどでしょう。
3回目のセミナーに出ていただきました阿部先生は、最後になって本音が聞けました。「やはり牧師もつらいんですよ」の一言でした。被害者家族も元証人も傷を持っていたり、つらい思いをしています。私がこういうところで話をして旗揚げしました。みなさんにいろいろ語ってもらいたいのです。みなさんが主人公です。言いにくいこともあるんですが、それをまず、口に出して、軽くなります。誰にも言えないけど、ここでならと言うことでタンポポの会を活用してもらいたいのです。
私も辞めてもう4年になります。辞めてからのほうが大変でした。辞めてすべて解決するかというとそうではありません。実のつく言葉が3つあります。事実:エホバの証人問題に関わっていろいろ事実が分かります。キリスト教の異端です。困っている人がいます。そういう事実としてとらえられます。現実ということば:こういうところ事実を突きつけられて聞いていますけど、みなさん置かれている現場はすべて違います。自分が元エホバの証人、あるいは家族にエホバの証人がいるとか、いろんな違いがあります。余裕があるかないか、揺れ動く現実があります。いくら現実を聞いても家に帰って現実を見ると打ちのめされる気持ちになるでしょう。何とかしなければと言う事実があると分かっている。けれど何ができるかとなると非常に難しい問題がいっぱい出てきます。是非現実に打ちのめされないために真実というものを見つめてもらいたいのです。わたしも家庭崩壊という悲惨なことが何年も続いたのですけれども、現実はとても語り尽くせないような悲惨なものがあります。乗り越えてみなさんにある程度元気でないといけません。自分のやってきたこと、罪深いこと、悪いことをした内容を人の前で話せるようになるには、本当に、元気じゃないと話せないんです。
いいことならいくらでも話せます。自分のやってきたマイナスを話すようになるまでには、非常に時間がかかりました。いろんな心の洗濯のようなものが必要でした。実際、今もカウンセリングに通い、学びながらが、わたしの現実です。けれどもそういう中でやってきたのは、真実を見つめ続けることでした。真実に生きたいという願いを持ち続けました。現実が厳しくとも絶対、幸せになるんだ、ならなくっちゃいけないんだ、それが生きてきたあかしだという生きかたをしたいという、たとえそれができなくとも幸せになるという気持ち、それが命ある者の与えられている真実だと思います。
タンポポへの思いは、小さなタンポポに、花に真実を教えられたからです。悩み苦しみ多い人間です。でも教会でも行っています。誰が見ても黙って見ている、誰が見ても美しいと思うのが花です。花よりも複雑に作られた人間がなぜ幸せになれないかということをタンポポに教えられます。タンポポは、はいつくばってチャンスを作って、種を芽生えさせるすばらしい生命力を持っています。そこには、知恵があり、逆境をものともしないで自分の生きざまを生きると言うことをタンポポに教えられ、励まされました。人に話すと楽になります。癒されたのはいろんな人と出会い、自分よりつらい人がいるんだとか、こんなことは乗り越えられるんだなという希望が持てたり、4年間に一週間のジャン・ドーゲンさんの説得で横山さんは大阪から来て、2,3日、元証人の立場で話してくれました。一週間の間、家族に見守られ、2日か3日で気がつき、すぐに横山さんが来てくれて、疑問や不安を吸い取っていただき、恵まれた形で辞めていくことができました。
私はやはり不思議になりました。巡り回るんですね。自分は放っておかれたらどうなっていたか分からない状態で、みなさんに支えられ、長い目で見守られていただいたことに感謝したいのです。ものみの塔と闘うのは、奇跡です。あまりにも敵が大きすぎます。その中でどうして集まって話し合えるのか、そこに何か意味があると思います。今日の日をみなさんの心の中に刻んでいただいて、帰ったら、すぐに何ができるのか、何かあたためていけるものがないか。
エホバの証人はまずどこの家庭にもやってきます。是非何かの形でエホバの証人で関わっていただき、悲惨な現実をいいほうにみなさんの力で持っていきたい。みなさんが主役です。これから先、関わりを持った人たちに現状の報告をしていただきます。