五年ほど前から、エホバの証人を妻に持つ人たちが集まり「JW の夫の会」を作り、活動をしています。私もその会員になっています。 この会は、妻がエホバの証人になったために苦しんでいる夫たちが 集まり、互いの悩みや苦しみを語り合いながら情報交換をし、励ま し合うための会です。エホバの証人の妻を抱える夫たちが、エホバの証人の問題を解決 するための方法には次の三つが考えられます。
1)離婚してそれぞれの価値観を認め合う。
2)保護説得により救出する。
積極的に以前の人間関係の修復に努める。
3)じっと耐える。実際には1)を最初から選択する夫はいませんから、耐えるか、あ るいは以前の関係を取り戻そうと必死になるわけです。
では、なぜ妻がエホバの証人になると、夫は苦しまなければなら ないのでしょうか?その原点は「ものみの塔」が持つカルト性にあ ります。そのカルト性とは、間違った教育とマインドコントロール にあります。「ものみの塔」は間違った教育とマインドコントロー ルを使い、信者をかたくなにします。外の世界に対して心を閉ざす ように証人たちを導くのです。これによってすべての問題が引き起 こされます。
エホバの証人を妻に持つ夫の苦しみには、心理的別離感、分かり 合える心情の欠如、心の触れ合いの欠如などがあります。これらは すべて、教育された証人たちが夫をサタン扱いし、拒絶するために 生じる苦しみなのです。
「夫の会」では、このような同じ苦しみを持つ者たちが集まり、 ネットワークを作り、気持ちを支えあうことを目的としています。 そして多くの人に「ものみの塔」の実態を伝えることによって、家 庭の悲劇が広がらないことを願っています。
二年前に自殺した元エホバの証人がいます。彼は証人の時に、組 織の教え通りにできない自分に対して、悩み苦しみました。そして 行き詰まり、大学を辞め、最後にはホームレス同然になってしまい ました。どん底まで落ちた彼も、やがて立ち直り、結婚生活を営む ようになりました。
ところが、産まれてきた子供が不運なことに心臓病でした。すで にエホバの証人を辞めていた彼でしたが、教え込まれていた輸血に 対する嫌悪感、罪悪感を払拭することができませんでした。不安に なり、彼は再び聖書研究を始めました。その結果、一緒に研究を始 めた妻と子供がエホバの証人になってしまったのです。
証人になった妻に、彼は責められました。「あなたは聖書研究が 足りない。だから信仰が揺らぐのよ。確信が持てないのよ。」と。 「ものみの塔」に関わりを持ったために、彼は組織から責められ、 教えを守れない罪責感にさいなまれ、遂には家族にも責められ、行 き場が無くなり、自殺を選んでしまったのです。
「ものみの塔」は、人に罪責感や劣等感を持たせる宗教です。そ れによって家庭内に悲劇を起こすのです。自殺にまで至らないにし ても、この人のような例は、決して珍しいことではないのです。
家族にエホバの証人を持つ人の苦しみは、深いものがあります。 また、エホバの証人のたくさんの家庭に悲劇が生じているのです。 この事実を多くの人に知っていただきたいと、切に願っています。