活動報告  

 「摂理}の脱会者から以下の活動報告がありました。

 私はカルト集団、「摂理」に入っていて、自主脱会しました。
 摂理の名が広く知られるまで四年かかりました。それまでには多くの方の協力がありました。

 朝日新聞の記者が書いていましたが、オウムの広瀬受刑者はカルト対応をしていました。私はその広瀬さんと文通をしていました。その広瀬さんが手記を書いています。なぜサリン殺人をしたかです。また、自分は死刑を回避するために手記を書いているのではないと書いています。
 彼はウェブでの手記の公開をためらっていました。私は公開して救われる人がいる、カルトに傷つく人が減るのであれば協力したいと思い、私のサイトで彼の肉筆を公開しています。彼は被害者の家族に手紙を書くために書道を習いました。その筆運びに気持ちが込められています。

 私は幼少の頃からエホバの証人をたくさん目にしてきました。父の友人は証人でした。「私の聖書物語」を読みました。そのリアルさに引かれました。家ではその本を熱心に読んでました。家にはよく証人がきていました。その証人の前で「聖書物語をよく読んでいるけどライオンとは仲良くなれないし、悪人はいる」と言ったようです。母は「この子は宗教に入らないな」と思ったそうです。

 その私が摂理に入りました。「摂理」はエホバの証人ほど堂々としていません。まずサークルに引き込んで仲良くなるようにします。家に呼んでもてなし、おだて上げます。いっしょにバレーボールをしていて気がついたら五年間も摂理にいました。指導者レベルになっていました。教祖に会っていました。残っている人たちは教祖が正しいと思っています。やめる気にはなりません。「摂理」が広く知られるようになったのは2006年。朝日新聞の記事です。一面のトップを飾り、社会面にも書かれました。社説にも書かれました。「摂理」のせいで明らかになりました――信者に事実を伝えるために信者に手紙を書いたり、会いに行ったりしました。そのせいでサタン扱いされました。何も伝わりませんでした。信者に伝えるために2チャンネルに書き込みををしました。それで「摂理」にはショックが走りました。しかし、私に個人攻撃を加えたために効き目がありませんでした。そこで自らウェブを作って被害を訴えました。信者三人には匿名でいいからと手記を書いてもらいました。ネットに書かれているものはそれは嘘だと言いましたから、週刊誌で取り上げてもらいました。「摂理」は週刊誌の言うことは嘘だと言いましたから、朝日に書いてもらいました。私がモチベーションを保てたのも「摂理」のおかげです。彼らは言い分は変えるし、やり方も変えます。証人はハルマゲドンを先延ばしにしますが「摂理」も同じです。言い逃れをします。どんどん理屈を変えます。そうして生き延びます。
 信者は「教祖はメシアである」と信じていました。しかし韓国での裁判では、教祖は「メシアではない」と答えています。信者のせいでメシアになったと語りました。カルトの何が問題なのか。性的問題がなければ問題はないのではないのか……。摂理はひたすら「イエスを信じましょう」だけに転換しました。しかしふつうのイエスだけではだめで、教祖の語るイエスを聞かないと救われません。その宗教で傷つく人がいればそれは問題です。信者に理解をさせるのは難しいのです。組織から抜け出れば幸せになれるのかという不安を信者は持っています。現役の信者はすべてそう思っています。
 被害者の私は加害者です。被害を受けたときには教祖を弁護しましたし、リーダーとして勧誘活動もしました。謝罪して改めると言ってから私たちの活動が始まります。それを受け入れられない人もいます。自分も間違いに手を貸したのではないかと思ってもらうことから始まります。改めるべきことがある、やるべきことがある点で多くの人に活動してもらう、カルトに傷つく人を減らせると思います。私のグループには五十人が集まっています。ネットには幸せにやっていますと書き込みがあります。元気にやっていることを見せつけることが脱会の支援だと思います。カルトに傷ついた人を支えたいと思うならその人が脱会支援やカウンセリングをすべきです。脱会者には脱会者の役割があります。家族には家族の役割があります。牧師には牧師の役割があります。ネットワークを組んで間違いに気がつかせられます。ネットワークを築いて活動が始まります。


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