元研究生の親族から脱会体験談
私は脱会した元研究生の夫の妹です。ご本人は8年ほど前から集会に出ていたと言っていました。兄は集会とは言っても子供会か町内会の集まりだと思っていました。それが本質的に違うものだとは本人に問いただして初めて分かりました。8年前、兄が実母に本当のことを知らせました。私は離婚したほうがいいとも言いました。根本から違うからいくら言っても無駄だと言いました。私の実家は仏教です。それを承知でエホバの証人に走った。夫婦の関係がいいといっても偽りの関係。子どもを連れて出ていくように言いました。それから二、三年は本人とはふつうの会話だけ、社交儀礼程度のつき合いだけでした。
その後、実家の倉庫にものみの塔の雑誌がしまわれていたのを見てエホバの証人を辞めたと安心しました。ところが地下活動で潜行していたのです。夫が出国間際、エホバの証人の宗教活動をしたいと打ち明けられました。それからは夫の出国直前まで話し合いをしました。夫の母が心痛のために病気になってしまいました。
その後、中国にいる夫からメールが届きました。説得協力の依頼でした。母が相談を受けていましたが実行できない体になっていました。それからは一族の中核となり、地下活動が始まりました。関係者とも相談しました。
マンションの用意をしました。生活のすべての準備をしました。時間と金銭があれば何ともできました。不安だったのは研究生の気持ちが分からなかったことです。どれほどのめり込んでいたのか不明でした。説得の現場では、彼女にそこで生活していると思わせるよう工夫しました。一緒に寝泊まりをしました。わたしの子供は親に預けました。過去の体験談を聞いていましたからすごいことになると覚悟はしていました。湿布薬も用意しました。瓶や缶は部屋に置かないようにしました。
肩すかしだったのはエホバの話、宗教の話をしたいと言ったところ、話合いを快諾してくれたことでした。それから全員で食事をしました。6時に全員が集合した後、8時に牧師が到着しました。元研究生本人は傍観者の態度でした。下を向いてうつむいていましたから心の中では反発しているなと思いました。二日目にはもうちょっと発言するように言ったところ、発言するようになりました。三日目の夜には変わっていました。四日目には笑顔を見せるようになりました。
義姉は決定的な真理の違いが分かったそうです。それは「神の名をみだりに唱えてはならない」でした。一つ壁を越えたら子供も組織から出さなければと語りました。子供の脱会にも関わりまた同じお話を聞かされました。二週間外出しないと鬱になるそうですが、私もそうでした。そのほか細かいことは個人的にお答えします。
「エホバの証人」を知らないと脱会させられないのではと、心配しなくともよいです。子供も脱会したが、思春期の年ごろだから、母子関係がうまくいっていないようです。脱会してすべてよしではありません。家族がエホバの証人に巻き込まれると歪みが出てきます。義姉からその話を聞いて無責任にやりすぎたかなと心苦しい思いをしています。脱会した者も脱会させたほうも傷が残ります。脱会を計画するときには長期のアフターフォローも考えに入れてやるのがよろしいです。本人は傷つているのだから、それを心の隅に置いておくようにしてください。