ほうこく


規制・救済部会の動向


 人権フォーラム21の規制・救済部会も、政府の人権擁護推進審議会の再開をにらみつつ精力的に研究・討議を重ねています。2000年夏までに日本の人権政策再構築にむけた諸課題と方向性について、素案を提供して広く論議を巻き起こすべく、次表のテーマを設定しています。さる9月25日(土)午後、東京・丸の内ホテルでの第9回部会では、 (1)「司法制度改革の動向と問題点」(報告=庭山英雄・弁護士)、(2) 「ネットワークと人権―法的/技術的/文化的側面から」(報告=須山賢洋(新潟大学法学部助手;情報法)のテーマで開催されました。

 つづく第10回部会は、10月23日(土)午後に、大阪・大阪ガーデンパレスで開催され、(1)「日本の人権政策形成と差別規制立法」(報告=友永健三・部落解放・人権研究所所長)、(2)「国内人権機関設立の諸課題」(日下部昇弁護士)、のテーマで開催されました。

 さらに第11回部会が、11月20日(土)午後、 東京・丸の内ホテルで開催され、(1)「行政相談、行政苦情救済システムの検討」(報告=高野真澄・福山平成大学教授;部会長)、(2)「インターネットと人権政策の諸課題」(山田健太・青山学院大講師)、のテーマで開催されました。

 そして第12回部会は、2000年1月29日に東京で開催が予定されています。

研究課題報告テーマ・報告者(予定) 予定日
1.総論的課題  
 1.1 日本の(広義の)人権実定法体系の全体像把握  
 1.2 日本の人権救済手続法の体系の全体像把握  
 1.3 司法制度改革の問題の所在と動向分析  
 1.4 行政改革や地方分権化の動向分析  
 1.5 人権侵害・差別の規制と救済の関係の一般理論  
 1.6 人権侵害・差別の規制・救済制度の国際比較  
2.各諭的課題  
 2.1 公権力⇒私人の人権侵害救済制度の国際比較  
 2.2 私人間の人権侵害の救済制度の国際比較  
 2.3 差別の規制と表現の自由  
3.立法論的課題  
 3.1 雇用分野における人権侵害・差別の救済  
 3.2 性差別分野における人権侵害・差別の救済  
 3.3 社会的差別分野における人権侵書・差別の救済  
 3.4 人種差別分野における人権侵害・差別の救済  
 3.5 その他分野における人権侵害・差別の救済  
 3.6 人権侵害・差別の救済制度の中央--地方関係  
 3.7 独立した国内人権機関のあり方・組織  
 3.8 独立した国内人権機関の権限、とくに救済機能  
 3.9 独立した国内人権機関と既存の諸制度との関係  


  これからの日本における人権政策の再構築を考えるとき、法務省の人権擁護推進審議会とともに、内閣の司法制度改革審議会の動向をしっかりとふまえることが重要です。場合によれば、人権フォーラム21として司法制度改革審議会に対して提言を提出することも必要になるかもしれません。

  そこで、以下に第9回部会(9/25)での「司法制度改革の動向と問題点」をテーマにした庭山英雄・弁護士の報告を紹介します。

 (なお、本文は、当日の報告を事務局が取りまとめたものであり、あくまでも文責は事務局にあります)。




 

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