さて、政府の人権擁護推進審議会は、9月17日より審議を再開し、諮問第2項(人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項)の調査審議を開始しました。伝え聞くところでは、審議会は10月下旬から11月上旬にかけて北米(アメリカ合衆国とカナダ)と欧州(イギリス、スウェーデン)への海外調査を実施し、その後、被害者救済のあり方について当事者団体から30分ごとのヒヤリングを実施する予定です。私たちも、審議会の委員各位が各国の人権保障システムを調査研究し、パリ原則に基づく政府から独立した国内人権機関づくりの新しい息吹を感じとっていただくことを期待するものですが、アジア太平洋地域は調査対象国に入っておらず、残念です(P5の「審議会ウォッチング」参照)。
去る9月6日から9日の間、フィリピンのマニラでアジア太平洋地域国内人権機関フォーラム(APF)第4回年次会合が開催され、7ヶ国の政府代表と20カ国のNGOが集まり討議を行い、最終声明を採択しました。このAPF(アジア太平洋地域国内人権機関フォーラム)は、国連が呼びかけて1996年に結成されたもので、1993年のパリ原則にもとづきアジア太平洋地域で国内人権機関を整備拡充することを目的としています。 わたしども人権フォーラム21では、昨秋、インドネシアのジャカルタで開かれた第3回年次会合に続き、今回のマニラ年次会合にも、山崎公士・新潟大学教授とともにNMP(国内人権システム国際比較プロジェクト)メンバーの金子匡良さん、佐藤敬子さんを派遣し、アジア各国の人権関係者とのネットワーク拡大に取り組んでまいりました。また人権フォーラム21の呼びかけにこたえ亜細亜大学の稲正樹教授と秋山愛子さん(石毛子衆議院議員秘書)も参加しました。マニラ年次会合は、アジア太平洋地域における国内人権機関設立の活動強化の課題を討議し、最終日の9月8日に「マニラ声明」を採択しました。「マニラ声明」は、その中で次期会合(2000年秋にニュージーランドで開催)までに域内の各国に国内人権機関設立と同フォーラムへの参加の働きかけを強化することがうたわれています。ぜひ報告集会に参加ください。
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