マレーシアで人権委員会が活動開始


 マレーシア人権委員会は、マレーシア人権委員会法[1999](Human Rights Commission of Malaysia Act 1999, ACT 597)により設立された。この法律案は、1999年7月及び8月に議会で審議された後、同年9月に国内人権委員会法として官報(Gazette)に掲載され、2000年4月に発効した。
 昨年は一年を通じて13の会合が持たれた。また、今日、@教育作業部会、A法改正作業部会、B条約及び国際文書作業部会、並びにC苦情調査作業部会が活動を行っている。
 以下、「委員会の機能及び権限」を定めた第4条と各条の見出しを訳出する。


●第4条 人権委員会の機能及び権限

(1)マレーシアにおける人権の保護及び促進を図るため、委員会の機能は以下のものとする。

(a) 人権教育について意識を向上させること
(b) 法律、行政命令、及び行政手続の形成の際に、政府に対して助言しかつ支援すること
(c) 人権分野における条約その他の国際文書の署名又は加入について政府に勧告すること
(d) 本法第12条に定められている人権侵害の申立てを調査すること
(2)委員会は、自らの機能を果たすため、以下の権限のいずれか又は全てを行使することができる。

(a) 人権意識を向上させること、プログラム、セミナー及びワークショップを用いて調査研究をすること、並びに、そのような調査研究の結果を普及させること
(b) 政府その他の権限を有する関連機関に対して、申立てを通告しかつ取るべき適当な措置を勧告すること
(c) 本法の規定に従って、いかなる人権侵害についても調査しかつ立証すること
(d) 拘禁施設に関する法律が定める手続に従って、拘禁施設を視察しかつ必要な勧告をすること
(e) 必要な場合には人権について公的な声明を発すること
(f) 効力を有する関連の成文法に従って、必要な他のいかなる適当な活動をすること
(3)本条(2)(d)の下での委員会による拘禁施設の視察は、拘禁施設に関する法律が定めた手続に従うものであれば、拘禁施設の担当者によって妨げられてはならない。

(4)本法の目的のため、連邦憲法と矛盾しない程度に、世界人権宣言を顧慮するものとする。


●各条の見出し

第1部 序文/前文
 第1条
 第2条

第2部 マレーシア人権委員会の設立
 第3条 委員会の設立
 第4条 委員会の機能及び権限
 第5条 委員会の構成員と任期
 第6条 委員長と副委員長
 第7条 委員会の会合
 第8条 報酬
 第9条 辞職
第10条 資格剥奪
第11条 辞任

第3部 委員会の調査権限
第12条 委員会は独自に、又は苦情に基づいて調査をすることができる
第13条 侵害が発覚した場合又は発覚しない場合の手続
第14条 調査権限
第15条 委員会に提出される証拠

第4部 委員会委員
第16条 事務官および委員の任命
第17条 権限の委任
第18条 委員会の委員、事務員及び使用人の保護

第5部 総則
第19条 基金
第20条 240アクトの適用
第21条 年次報告
第22条 規則
第23条 規則制定権限


*マレーシア人権委員会のホームページは以下を参照。
http://www.humanrights.com.my/main_english.htm


 

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