積極的救済の対象とすることを検討 〜あなたもパブリック・コメントを書こう!
★概要★ この年末、国・地方自治体の人権施策のあり方をめぐって、いろいろと大きな動きが起こっています。11月21日、東京都が同性愛者をめぐって人権問題があることを明記した「人権施策推進指針」を発表。国会では、人権に関する教育・啓発をすすめるための「人権啓発・教育推進法」が成立しました。11月28日には、法務省が設置した「人権擁護推進審議会」(人権審、会長:塩野宏・東亜大教授)が、「人権救済制度のあり方に関する中間とりまとめ」を発表しました。これは、人権問題の解決のために、政府から独立した人権救済機関を設けるという画期的な内容であり、マスコミでも大きく取り上げられました。 この「中間とりまとめ」の中の注目すべき記述は「性的指向等を理由とする差別的とりあつかいについては、積極的救済の対象とすることを引き続き検討することとする」というところです。人権審は、今まで同性愛者の人権侵害の実態について、何の調査もヒヤリングも行っていない段階です。 人権審は2001年1月19日までにパブリック・コメントを募集しているため、年齢、職業、居住地を問わず、誰でも個人で意見を送ることができます。その意見の集約が「性的指向等」に関して人権救済機関の積極的救済の対象に加えるかどうかの決定に大きな影響を与えると言えそうです。 パブリック・コメントの書き方などの詳細は→http://www.gb-sos.com/jinkenshin/index.html 右の図(省略)は、法務省のホームページ上の、パブリック・コメント募集の要領です。 (http://www.moj.go.jp/PUBLIC/JINKEN04/pub_jinken04-01.html) 「記載事項」のところに「意見をいただく論点(下記区分によりおねがいします。)」が見えますね。今回のパブリック・コメントでは、この区分ごとにコメントを書いていくようになります。では、法務省のホームページ上の「意見募集様式」(http://www.moj.go.jp/PUBLIC/JINKEN04/mail01.htm)に進んでみましょう。 「意見募集様式」は右の図(省略)のようになっています。今回のパブリック・コメントで必要な区分は赤丸で囲った、「第2」、「第4の1の(1)」、「第6の5」です。 下のモデル・レターは、意見の論点としては、「第2」、「第4の1の(1)」、「第6の5」の3つを含んでいます。お手間でなければ、論点ごとに分けて送っていただくか、それぞれの論点を選んで同一文章を三回送って下さい。また、時間がなければ、「第4の1の(1)」に関する意見ということで、送って頂ければ幸いです。 時間に余裕がなかったり、いろいろと読むのがおっくうだという方は、ぜひ、以下の論点を入れて簡単にパブリック・コメントを書いて下さい。そのまま出しても結構です。 〜モデル・レター〜 (意見の要旨)「人権擁護推進審議会」が11月28日に発表した「中間まとめ」を読みました。 (「第2」についての意見)「中間まとめ」では、人権侵害を「差別」「虐待」「公権力による人権侵害」「マスメディアによる人権侵害」の4つに分けていますが、同性愛者に対する人権侵害はどこにもふれられていません。ただちに、同性愛者に対する人権侵害への調査、ヒアリングなどを行ってください。 (「第4の1の(1)」についての意見)「人権審」は「政府から独立した人権救済機関」の設立を提案していますが、「性的指向等」については、「積極的救済の対象とするか検討する」としか書かれていません。同性愛者は、様々な人権侵害にさらされる一方で、裁判や公共機関への提起を行うのは非常に難しい状況にあります。ぜひ、「積極的救済」の対象の一つとして位置づけて下さい。 (「第6の5」についての意見)「人権審」は「人権救済機関」と NPO/NGO の連携についてあまり積極的でないように見受けられます。既成の機関の衣替えでは意味がありません。具体的に問題解決にあたっている NPO/NGO との連携を、もっと強く明記して下さい。 |
人権フォーラム21 | Copyright 2001 Human Rights Forum 21. All Rights Reserved. |