2001年活動報告・日誌/役員一覧
私ども人権フォーラム21では、1997年11月の結成以来、人権が完全に尊重される社会を築くことをめざす市民のネットワークとしてさまざまな活動を進め、はや4年が経過いたしました。以下に2000年12月から2001年12月までの主な活動について報告します。 1 日本の人権政策の現状と今後の課題を明らかにするため、規制・救済部会を中心に調査・研究活動を進め、「人権政策提言ver.2―日本の人権保障システムの整備をめざして―」をとりまとめ、人権擁護推進審議会などへ積極的に政策提言してきました。 (1) 人権フォーラム21規制・救済部会は、1999年1月よりスタートし、ほぼ月1回のペースで研究・討議を積み重ねてきましたが、政府の人権擁護推進審議会が「救済」 答申をとりまとめるのに先立ち、内部に作業部会を設置し、独自の「人権政策提言」づくりに精力的にとりくみ、2000年11月に「人権政策提言」を取りまとめ、各方面に公表しました。 (2) 2001年に入り政府の人権擁護推進審議会が[救済]答申作りを加速化させたのを受け、1月の大阪・福岡・札幌での公聴会やその後のパブリック・コメントに、さきの「人権政策提言」にもとづき積極的に意見表明にとりくみました。政府の人権擁護推進審議会が2001年5月25日に[救済]答申を提出した際にも、人権フォーラム21としての見解を公表し、答申の成果と問題点を明らかにしてきました。 (3) 人権フォーラム21では、[救済]答申提出後も、将来の人権救済制度設計にむけた研究と提言づくりをすすめ、さる2001年12月3日に「人権政策提言ver.2-日本の人権保障システムの整備をめざして―」をとりまとめ公表しました。 (4) 教育・啓発部会は、2000年11月の人権教育・啓発推進法の成立を受け、今後の「人権教育・啓発推進基本計画」の内容の検討を継続して進めてきました。また「人権とHuman Rightsの間プロジェクト」を設置し、普遍的な人権思想を東アジア文化圏の国や地域の人々にどのように具体的に教育・啓発の中身として情報発信すべきかについての研究・討議を進めてきました。 2 日弁連をはじめとした「国内人権機関」設置をめぐる論議や行政への市民参加プロジェクトに積極的に参加し、ネットワークを拡大しました。 (1) この間、日弁連(日本弁護士連合会)や大阪弁護士会をはじめ、さまざまな団体が進めている国内人権機関づくりの討議に積極的に参加し、ネットワークを拡大してきました。特に2001年11月8・9日の第44回日弁連人権擁護大会(奈良)に代表が参加し、障害者差別禁止法案(仮称)について、意見交換しました。 (2) 近年の行政手続法の制定(1994年)やパブリック・コメント手続きの閣議決定(1999年4月)、情報公開法の施行(2001年4月)などの動きを総括し、行政の政策決定過程、とりわけ行政執行過程への市民参加をさらに実現するため、市民政調(市民がつくる政策調査会)とともに「行政執行過程への市民参加プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、関係行政機関やNGOからのヒヤリング、パブコメ制度や会議公開制度などの調査研究を行い、2002年3月をメドに提言を取りまとめる予定です。この間、さる9月18日の第1回会議で総務省からのヒヤリング(行政手続法の施行実施状況の調査報告、パブリック・コメントの実施状況)を受け、10月22日の第2回会議では中村義幸・明治大学教授から「行政執行過程への市民参加の構想」について、11月19日の第3回会議では、三木由希子・情報公開クリアリングハウス所長から「自治体における参加・公開の取組みの現状」について報告を受け、討議を深めてきたところです。行政の透明性と公開性と説明責任を明らかにし、行政執行過程への市民参加を実現するためには、パブリック・コメント制度の改善も重要な課題となっています。 3 世界各国の国内人権機関についての比較研究を継続し、人権の国際基準(グローバル・スタンダード)の紹介と日本の人権システム整備・確立に向けた研究に取組みました。 (1) 98年4月からスタートしたNMP(国内人権システム国際比較プロジェクト)は、2001月に最終報告書『国内人権機関の国際比較』を刊行しました。 2000年4月からは第2期NMP(国内人権システム国際比較プロジェクト)がスタートし、新たな若手研究者を補充し、「各国の差別撤廃システムの比較研究」をテーマにその後も海外調査と研究活動を継続しました。第2期NMPでは、新たな調査対象国として韓国、南アフリカ、オランダが加わり、またテーマ別研究(マイノリティ、外国人、難民、障害者、女性)も同じに研究していくことになりました。この調査研究活動については、2001年11月から2年間の予定でトヨタ財団の研究助成を受けて現在も進められています。 (2) 国連が提唱するグローバル社会の企業や自治体・NGOの人権行動指針とも言うべき「グローバル・コンパクト(G.C.)」についての調査研究に取り組み、その成果を人権フォーラム21のホームページに継続して紹介してきました。 4 機関紙NEWS LETTERの月刊化やインターネット上のホームページの充実、ブックレットの発行など、情宣・広報活動を強化しました。 (1) 人権フォーラム21機関紙「NEWS LETTER」の定期発行にとりくみ、ほぼ月刊での発行を実現しました。また電子メール版(PDF版)も発行し、電子メールユーザーに好評を得た。 (2) インターネット上の人権フォーラム21のホームページを9/5にリニューアルし、情報発信に努めました。特に「人権政策提言」の公表や、政府の人権擁護推進審議会答申の公表をいち早く実現したことをはじめ、人権NGO「リンク集」などの新設の結果、人権フォーラム21のホームページへのアクセス数が増大しています。 (3) 出版活動としては、2001月にNMPの研究成果である『国内人権機関の国際比較』を刊行しました。現在、人権政策提言多答申などを取りまとめ『これからの人権救済制度―資料と解説―』などを刊行準備中です。 5 会員拡大および夏期カンパにとりくみ、人権フォーラム21への参加と支持を拡大してきました。 ・ 人権フォーラム21の2001年財政は、当初から危機的状況が続いてきたため、会員の拡大とカンパのお願いを会員各位によびかけました。2度にわたる夏期カンパのお願いの結果、15名の会員拡大と41万余円のカンパをいただきました(8月末)。 ・ しかしながら活動の増大化に比べて財政基盤はまだまだ弱く、財政赤字が継続しており、引き続き財政危機打開が焦眉の急を要する課題となっています。 活動日誌
2001年 人権フォーラム21役員体制 (2000年12月-2001年12月 *は新任)
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