人権フォーラム21 1999年の活動報告/役員体制

 私ども人権フォーラム21では、1997年11月の結成以来、人権が完全に尊重される社会を築くことをめざす市民のネットワークとしてさまざまな活動を進め、はや2年が経過いたしました。以下に1998年12月から1999年12月までの主な活動について報告します。

1 教育・啓発部会を中心にこれからの教育・啓発のあり方の方向」について調査・研究に取り組み、人権擁護推進審議会などへ積極的に政策提言してきました。
(1) 1999年1月から表面化した中央省庁再編と法務省人権擁護局廃止問題の浮上に対し、民主党や社民党に働きかけ、政府から独立した人権機関の設置を柱に日本の人権保障システムの整備充実を求めてきました。その結果、民主党や社民党が人権政策の大綱を取りまとめ公表するに至りました。
(2) 人権擁護推進審議会に対しては、教育・啓発部会を中心に論議を深め1998年10月の「提言jをふまえ、再度申し入れをおこないました。また、部落解放同盟、JK(近県施策の確立を求める共同行動)、国際人権NGOネットワークらとともに、「答申案を考える懇談会」を開催し、パブリックコメントに積極的にとりくみました。

2 日本の人権政策の現状と今後の課題を明らかにするため、規制1救済部会を中心に調査・研究活動を進めてきました。
(1) 1999年1月より、規制・救済部会を立ち上げ、日本の人権政策の現状と今後の課題を明らかにするため、精力的に部会活動を展開してきました。1998年11月、国連規約人権委員会は、日本政府報告書を検討し、29項目の最終意見を取りまとめ公表しました。規制・救済部会は、2年をメドに日本の人権システム確立に向けた提言のとりまとめを目指し、つき1回のペースで、政局的に調査。研究に取り組みました。

3 『世界の国内人権機関一NMP調査報告書』を刊行し、日本の人権システム整備・確立に向け、問題提起をおこないました。
(1) 98年4月からスタートしたNMP(国内ん樋三ステ仏国際比較プロジェクト)の中間報告が、『世界の国内人権機関一国内人権システム国際比較プロジェクト(NMP)閥査報告』として1999年7月に刊行されました。本書は、国連パリ原則にもとづき、主要7カ国の人権機関の最新動向についての国際比較をおこなうという類書に見ない特徴を持つもので、関係各方面に、新鮮な問題提起を行いました。
(2) NMP(国内人権システム国際比較プロジェクト)研究会は、その後も海外調査と研究活動を継続し、新たにアメリカ、ニュージーランド、イギリスの最新データーを収集・分析し、2000年春をメドに最終報告書を刑行ずる予定で、継続的な活動を推進中です。

4 インターネットと人権政策研究会、パブリック1コメント市民政策円卓会議を開催し、あらたな諸課題についての提言活動を推進しました。
(1) 昨年10月よりインターネットと人権政策研究会を開催し、インターネットと人権政策の課題について論議を深めてきました。国内外でインターネット等電子メディアを使った人権に関する情報発信が盛んになるとともに、他方では悪質な差別事件が続発し、その活用方法と差別煽動への対処や規制をどうするかが課題となっています。とりわけ「ネット規正法〆不正アクセス防止法)が先の国会で成立し、それへの対案づくりが求められていますが、この間の研究会の成果を取りまとめ2000年春に『インターネットと人権政策吾として刊行の予定です。 (2) 10月28日午後、人権フォーラム21からの提起で、市民政調(市民による政策調査会)主催の市民政策円卓会議が開催され、国会議員・市民団体・マスコミ関係者・各省関係者ら50名が参加しました。この「パブリック・コメント円卓会議」では、人権フォーラム21から先の人権擁護推進審議会のパブリックコメン←手続の不十分さ、(1)パブリック・コメント募集の期間が短すぎる、(2)募集期間中の広報が決定的に不足している、(3)公聴会など国民の意見を直接に聞く機会がない、(3)意見提出の字数が不当に制限された。(4)提出された意見18,303通の整理、考慮の期間が不当に短く、考慮されていない、を問題提起し、「パブリックコメント法」(仮称)の制定を強く求めました。


1999年の活動日誌

<1998年>
12月3日 人権フォーラム21第2回総会

<1999年>
1月!0日 NMP研究会
1月19日 人権擁護推進審議会第21回会議 第1回規制・救済部会(岡山)
1月27日 第3回インターネットと人権政策研究会  JK(人権施策確立にむけた共同行動)代表者会議
1月28日 第6回教育・啓発部会
1月28日 21世紀人権政策勉強会で江僑崇事務 局長が報告
2月2日 人権擁護推進審議会第22回会議
2月21日 第2回規制・救済部会
2月9-13日 JCLU主催のジャカルタ国際会議&アジア太平洋国内人権機関フォーラムに代表派遣
2月16日 人権擁護推進審議会第23回会議
2月19日 インターネットと人権政策研究会第4回2月22-23日 NMP第8回研究会
2月25日 第7回教育・啓発部会
3月2日 人権擁護推進審議会第24回会議
3月6日 第3回規制・救済部会(大阪)
3月16日 人権擁護推進審議会第25回会議
3月31日 第5回インターネットと人権政策研究会
4月7日 規制・救済部会(大阪)
4月10日 第8回教育・啓発部会
4月18-19日 NMP第9回研究会
4月21日 第3回企画運営委員会
4月24日 規制・救済部会(大阪)
5月16-17日 NMP第10回研究会
5月20日 第9回教育・啓発部会
5月24日 第1回答甲案を考える懇談会
5月25日 人権擁護推進審議会第26回会議
5月28日 第5回規制救済部会(大阪)
6月8日 人権擁護推進審議会第25回会議
6月11日 第3回企画運営委員会
6月18日 人権擁護推進審議会第26回会議。答申案を公表
6月20-21日 NMP第11回研究会
6月26日 第6回規制・救済部会(大阪)
7月6日 第2回答甲案を考える懇談会
7月8日 第10回教育・啓発部会
7月17日 第7回規制・救済部会
7月21日 人権擁護推進審議会第27回会議
7月23日-25日 国内人権機関NGOワークショップ(スリランカ)に代表を派遣
7月29日 人権擁護推進審議会第28回会議。法務、文部、総務庁各大臣に答申提出
7月29日 第4回企画運営委員会
8月11日 第11回教育・啓発部会
8月11日 スリランカ・ワークショップ報告会
9月5-9日 アジア太平洋地域国内人権機関フォーラム第4回年次会合(マニラ)に代表派遣
9月17日 人権擁護推進審議会第29回会議 第8回インターネットと人権政策研究会
9月25日 第8回規制・救済部会
9月29日 人権擁護推進審議会第30回会議
10月3日 NMP研究会)
10月15日 人権擁護推進審議会第31回会議
10月25日 第5回企画運営委員会
10月25日 第9回合同部会。 マニラ年次会合報告集会
10月28日 パブリック・コメント市民政策円卓会議(参議院議員会館)
10月30日 第10回規制救済部会(大阪)
11月2日 日弁連創立50周年記念シンポ
11月4日 部落解放同盟・人権施策の確立を求める共同行動)・国際人権NGOネットワーク・人権フォーラム21で法務省に申し入れ
11月19日 人権擁護推進審議会第32回会議
11月20日 第11回規制救済部会
11月27-28日 国際人権法学会
11月27-29日 全国同和教育研究大会で特別報告(香川)
12月7日 人権擁護推進審議会第33回会議
12月8日 群馬人権ネット結成集会


1999年 人権フォーラム21役員体制(1998年12月3日より1999年12月までの1年間)

代表武者小路公秀(反差別国際運動日本委員会理事長)

副代表イーデス・ハンソン(アムネスティ・インターナショナル日本支部支部長)
磯村 巌(トヨタ自動車株式会社取締役副会長)
岡山紀男(住友電気工業株式会社取締役社長)
笠間 薫(東京人権啓発企業連絡会会長・株式会社三越百貨店常務取締役)
金 東勲(キム・ドンフン)(龍谷大学教授)
組坂繁之(部落解放同盟中央執行委員長)
久保田真苗(世界人権宣言中央実行委員会実行委員長)
小西清則(全国同和教育研究協議会委員長)
笹村二朗(北海道ウタリ協会理事長)
徐 正禹(ソ・ジョンウ)(在日コリアン人権協会会長)
布江彌之助(西日本鉄道株式会社取締役会長)
樋口恵子(東京家政大学教授)
山田昭義(DPI(障害者インターナショナル)日本会議議長)
西田伊太郎(「同和問題」に取り組む宗教教団連帯会議議長)
鷲尾悦也(日本労働組合総連合会長)

事務局長江橋 崇(法政大学法学部教授)

事務局次長津和慶子(日本婦人会議中央本部議長)
金 政玉(キム・ジョンオク)(DPI(障害者インターナショナル)日本会議)
高橋正人(部落解放同盟中央本部書記長)
友永健三(部落解放・人権研究所所長)

教育啓発部会長元木 健(川村学園大学教授・副学長)
 〃 副部会長石井宣明(日本教職員組合中央執行委員)

規制救済部会長高野真澄(福山平成大学教授)
 〃 副部会長山崎公士(香川大学教授)

企画運営委員林 陽子(弁護士(自由人権協会理事・事務局長))
桂 正孝大阪市立大学教授
川向秀武福岡教育大学教授
柏木康夫全国同和教育研究協議会事務局長
笹川孝一法政大学教授


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