日本友和会について

日本友和会(Japan Fellowship of Reconciliation、略してJFOR)は、イエス・キリストの教えに従ってあらゆる戦争、一切の暴カ行使と、その準備に協カすることを拒否し、さらに争いや憎しみの間に入って平和を作り出そうとする国際的な非暴力キリスト教主義平和団体の日本支部です。
 この会は、1914年8月、第一次世界大戦が起きたとき、たまたまスイスで開かれていた超教派の国際的教会会議に出席中のドイツ人牧師シュルツェと、英国のフレンド会員ヘンリー・ホジキンとが、互いに自国に帰って戦争反対の運動をしようと約束して、祈って分かれたことから始まりました。シュルツェはドイツに帰って平和を叫んで逮捕されましたが、ホジキンは英国で自由に平和運動を続け、その年の12月28日から4日間ケンブリッジに集まった130名の男女の熱心な討議と祈りの結果、一つの会が生まれました。これが国際友和会(Internationa1Fellowship of Reconciliation、略してIFOR)の起こりで、その後世界の諸国にこの運動が広まり、今日では40数カ国にその支部があります。IFOR本部は、現在オランダの小都市アルクマールにあります。
 FORの先輩たちは非常に大きな働きをしてきました。その2、3の実例を挙げてみます。第一次世界大戦の後、英、仏のドイツに対する敵がい心は実にひどく、支払い見込みのたたないような巨額の賠償をドイツに科すると共に、英国海軍はドイツの諸港湾を封鎖し、食料がドイツに入らないようにしました。そのためドイツをはじめ中部ヨーロッパの餓死者が100万人にも達しました。ある産院で一ケ月に産まれた100名の赤ん坊の内、満1歳に達したのは僅か2名だけでした。
 IFORはこの非人道的行為を止めさせようと、各国の協会や平和団体に呼びかけ、ドイツをはじめとする特に飢える子どもたちを救う運動を起こしました。特に英国FORの婦人たちは、M・レスター女史を先頭に喪服で国会へ静かなデモを何回か行うなどして世論を高め、ついに英国海軍の封鎖を解くことができ、たくさんのドイツの子供を救いました。
 また1921年のソビエト大飢饉の時には、キリスト教を迫害しているソビエトでしたが、フレンド派の人たちと一緒にFORのたくさんのメンバーが愛の手をさしのべる働きをしました。
 その後も絶対的な平和主義の立場に立ち、一切の戦争、軍備、暴力行為に反対してきましたし、FORの中から第一次、第二次世界大戦を通じてたくさんの良心的兵役拒否者(CO)が生まれました。
 またインドの独立運動に対しては、英国FORのレスター女史、およびその指導を受けたオーエン女史らの婦人たちが献身的に援助しました。
 アメリカでは非暴カで黒人運動を指導したマーティン・ルーサー・キング牧師もFORのメンバーであり、白人のアメリカFOR会員はキング牧師の運動を積極的に支援しました。
 日本友和会は1926年、新渡戸稲造氏、小崎道雄牧師らによって結成されましたが、1944年(第二次世界大戦終結の前年)軍の弾圧によって解散させられました。戦後、1948年鮎沢巌氏、関屋正彦氏らによって再建され現在に至っています。現在会員は約500名です。
 本会入会の資格は、キリスト者(自称)または求道者で、本会の趣旨に賛成する者でありますが、キリスト信者でなくても入会を希望する方は会員として迎えております。
 日本友和会は、独自の活動だけでなく、日本キリスト教協議会(NCC)と連携をとって国内の平和運動を行い、さらに国連のNGOとして正式メンバーに認められており、特に婦人の人権間題などについてたびたび国連で発言しています。
 現在の世界は、憎しみがさらなる憎しみを、暴力がさらなる暴力を生むという悪循環(悪魔のスパイラルの中に落ち込んでしまいました。これを解決する道は非暴力による方法だけが有効であると思います。今ここで黙ってはいけない、何もしないではいられないと心を促されている方々に呼びかけます。平和をつくり出す仲間に加わって下さい。一緒に平和のために祈り、力を出し合いましよう。日本友和会にお入り下さるよう心からお勧めします。

                                                  2008年8月  日本友和会理事長  田中良子


(注)「CO」=良心的兵役拒否Consciencious Objection to Military Dutyの略


日本友和会のはたらき

JFORは次のような様々なはたらきをしています。

*出版活動
 非戦、非暴力の信仰と具体的な知恵を学び、つくり出し伝えるための月刊会誌「友和」や小冊子を発行しています。

*非暴力訓練
 非暴力の道は容易ではありません。その考え、知恵を学び、その具体的手法を身につけることが大切です。ご希望の地域で、訓練の機会を作るようにしています。

*全国大会
 毎夏全国各地を持ち回りで二泊三日の全国大会を開いています。2004年は第54回になります。全国から時には海外から会員が集い、交わりと学びの時をもちます。友和会は超教派の団体ですので、誌友も一緒に、様々な背景をもった入が非暴力平和への一つの思いで寝食を共にし、互いに知り合う貴重な機会です。

*講演会
 平和講演会を年10回前後、全国各地で開き、その地域の会員の研修を兼ねて、広く社会に非暴カ平和の大切さ、現実性をわかりやすく呼びかけています。

*ヤングFOR
 平和は世界中のヤングのいのちを守るためにこそ大切です。そのため青少年グループは月例会を開き様々な学習会をしたり、韓国や沖縄、広島、長崎などに「観光ルート以外」の旅をして、現地の方々と平和の方途を話し合ったりしています。会はこれらの企画や活動に物心両面の支援をしてきました。

*他の平和団体との提携、協力
 軍備廃絶をめざし積極的な実践をしている「良心的軍事費拒否の会」(会長は日本友和会員オオノ・ミチオ)や「核兵器廃絶を目指すNGO日本宗教者連絡会議」(仏教団体を含む)などの団体とも随時活動を共にしています。また、日本キリスト教協議会(NCC)に準加盟して、友和会はその平和委員会・核委員会・部落差別委員会・靖国神社問題委員会・在日外国入人権委員会・国際関係委員会・女性委員会などに委員を出し、積極的に協力しています。



日本友和会は一切の暴力行使、戦争及び戦争の準備に絶対反対し、イエス・キリストの生涯と死において実証された愛と非暴力の精神に基づき、個人的、国際的及び人類全般の問題の解決をはかり、神の国への信仰の証として、戦争を地上より追放し、恒久平和の実現を目的とする。(「友和会会則第2条より」)



日本友和会書記局

理事長・「友和」発行人 田中良子

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