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CA-NETは、12月17日に開催した総会において下記の決議を採択しました。
経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)による原発報道監視に反対する
JCA-NET会員総会決議
2011年12月17日
東京新聞 2011年 11月 20日付けの記事で経済産業省資源エネルギー庁が2008年から昨年まで、新聞、雑誌の記事、社説、広告、読者投稿、漫画などの原発に関する批判的な論評や記事を網羅的に監視してきたと報じた。
政府機関によるこうした報道への監視は、たとえそれが記事等の差し止めや厳密な意味における検閲にあたらないとしても、言論表現の自由、報道の自由に対して、暗黙の圧力を形成するだけでなく、報道機関等に対する情報操作を意図したものであって、許されるべきものではない。さらに、今年 6月に資源エネルギー庁は「原子力安全規制情報公聴・広報事業(不正情報対応)」を一般競争入札で公募した。事業目的は「ツィッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する」ことであるとされている。
これに対して、東京弁護士会は 7月 26日付の会長声明を出し、「政府自身が情報の「正確」・「適切」性を判断して情報をコントロールをすることを意図するものであると解さざるを得ず、これは、本来自由であるべき情報の流通に対する政府による過度の干渉にならないか極めて強い懸念がある」と批判した。
3月 11日以降、原発事故についての政府および東京電力による情報発信は、もっぱら原発事故を過小評価し、把握している事実を公表せず、さらには、事実の隠蔽や意図的とすらいえる誤った事実認識を公表するなど、この国のコミュニケーション環境を露骨な情報統制のもとに置こうと試みてきた。むしろ、この間の原発事故については、長年原発に対して厳しく批判してきた研究者や反原発運動の団体が、公表されたデータなどの批判的な分析を通じて示した予測の正しさが次々に証明されてきた。これに対して、当該事業では、政府が言論を監視し、その是非を判断するだけにとどまらず、「正確な情報に導く」ことも意図されている。こうした政府の姿勢をさらにつきつめると、政府の立場からは不正確とみなされたり風評とみなされる情報の発信それ自体を規制する方向に向かわないという保証はない。あるいは、通信事業者などへの自主規制圧力を強めかねない。
JCA-NETは、こうした政府によるコミュニケーション環境への監視と介入は、ネットユーザによる自由な言論を損なうものであり、容認できないと考える。JCA-NETは、資源エネルギー庁に限らず、いかなる政府機関であれ言論を監視し介入することに反対する。