- Log in to post comments
____________________________________
JCA-NETセミナー2023年9月のお知らせ
JCA-NET (2023/9/8)
____________________________________
Table of Contents
_________________
1. セミナー1:2023/09/19(火) 19時から―オンライン会議システムとAIビジネス―ZOOMが巻き起こした波紋の教訓
2. セミナー2:2023/09/23(土) 15時から―国連サイバー犯罪条約―今争点となっている深刻な課題とは
3. セミナー3:2023/09/27(水) 19時から―フォローアップ
4. 参加方法
1 セミナー1:2023/09/19(火) 19時から―オンライン会議システムとAIビジネス―ZOOMが巻き起こした波紋の教訓
=====================================================================================================
私たちにとって馴染深いサービスに次々とAIによる機械学習の利用が拡がって
います。
今回は、そのなかでも活発な議論を巻き起こしたZoomのケースをとりあげます。
今年3月に、Zoomはサービス利用規約を全面的に改訂するとともに、機械学習
や人工知能のトレーニングのために会議室を利用するユーザのデータを使用す
るとしました。約半年後の8月に、このことに気づいた人達が問題にし、多く
の批判や問題が指摘されました。この批判をきっかけに、Zoomは規約を再改正
し、データをAIなどの訓練には利用しないと明記しました。その一方ででZOOM
は9月に入って有償プランの顧客を対象にAIツールZoom AI Companion(これま
でZoom IQと呼ばれていたもの)を提供すると発表しました。日本の場合も、
今年3月11日付けでサービス規約が改訂され、更に8月11日に再改訂されていま
す。
今回のセミナーでは、社会運動において最も多くの人達が利用していると思わ
れるZOOMの利用規約改訂の背景および関連する論争を紹介します。ポストパン
デミックによるリモート離れに対応するリモートワーク支援サービスの企業が、
生成AIの導入競争に参入し、この新規のテクノロジーが企業の競争力や収益を
大きく左右する状況にあります。こうした傾向には、リモート会議に参加して
いる人々のプライバシーや言論の自由にも関わりうる深刻な問題が存在します。
会議が民主主義的な討議の基本的な前提条件であること踏まえたとき、営利目
的の企業による会議サービスがもたらしうる問題について、利用者である私た
ちはより大きな関心をもつ必要があります。こうした現状に対して、私たちに
できることは何なのかも皆さんと考えたいと思います。
開催方法:オンライン(申し込み方法は最後をごらんください)
参加費:無料
参考資料(stackdiary) Zoomの更新された利用規約は、オプトアウトなしでユー
ザーコンテンツにAIをトレーニングすることを許している。(8月6日)
https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/z0oeSX0xdFksmF4fql8Hnle+AlXk4Q3UEr…
(homesecurityheroes.com)AIトレーニングのためのZoomのデータ共有に対する
アメリカ市民の態度調査(日付不明)
https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/9zEhU0NXyJr6aSrpCAZnD21lO-j99qSZFt…
(CNET)Zoomのプライバシーリスク: ビデオチャットアプリは、あなたが思っ
ている以上に多くの情報を共有しているかもしれない。(22年1月14日)
https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/7Sy6KTJWbhsQWqfOByMQfC6f96tWN+a+B8…
ZOOM日本の利用規約。2022年12月30日付と3月31日付の違い(Waybackmachineに
よる)
https://web.archive.org/web/diff/20230203175333/20230429122048/https://…
ZOOM日本の利用規約。2023年3月31日付と8月11日付の違い(Waybackmachineに
よる)
https://web.archive.org/web/diff/20230502162846/20230902113036/https://…
2 セミナー2:2023/09/23(土) 15時から―国連サイバー犯罪条約―今争点となっている深刻な課題とは
===========================================================================================
開催方法:オンライン(申し込み方法は最後をごらんください)
参加費:無料
現在国連では、1年以上にわたってサイバー犯罪についての新しい条約の制定
交渉が行なわれており、大詰めを迎えています。この条約は、表向きは、サイ
バー犯罪対策の国際協力を促進することを目的するものですが、その内容をみ
ると、条約として成立した場合、各国の刑法に大きな影響を与えかねず、日本
も含めて各国がこの条約に沿って法の改正(改悪)がなされる可能性があります。
サイバー犯罪の定義も確定されておらず、一方的に捜査機関の権限強化だけが
進んだり、もともと捜査機関に強権的な権限を与えている諸国の体制に、いわ
ゆる民主主義を標榜する諸国も足並みを揃えるという事態も考えられます。特
に、政府に対する批判や反対運動でネットを駆使すること自体を取り締まりの
対象とするような国のルールが、このサイバー犯罪条約によってお墨付きを与
えられる危険性も指摘されています。この条約案は日本も含めて何百万もの
人々、特にジャーナリストや活動家、差別や疎外に直面している人々のプライ
バシーや表現の自由、団体としての活動の自由などの人権を著しく損なう可能
性があります。
こうした深刻な問題をもたらしかねない国連のサイバー犯罪条約について、
JCA_NETも二度にわたって、国際的な共同声明などで、その問題点を指摘して
きました。セミナーでは、国連サイバー犯罪条約の経緯と争点を中心に説明し、
日本における法改正の可能性などにも触れたいと考えています。今回は電子フ
ロンティア財団による条約についての包括的なコメントの記事を資料にしなが
ら解説します。
参考資料
(JCA-NET)サイバー犯罪条約策定国連アドホック委員会(第4回)への公開書簡
https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/252
JCA-NETは130余りの団体とともに、国連のサイバー犯罪条約案に人権セーフガー
ドを盛り込むよう国連に要請
https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/165
(EFF)国連サイバー犯罪条約年表
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…
(EFF)国連サイバー犯罪条約
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…
(EFF) 国連サイバー犯罪条約第一次草案、問題のある条項は削除されるも、危
険で開放的な国境を越えた監視権限は残される
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…
(EFF)国連サイバー犯罪条約交渉は最終段階に入るが、問題のある監視権限は
まだ残っている
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…
(EFF)国境を越えたスパイ行為に対するサイバー犯罪条約案のアプローチ
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…
3 セミナー3:2023/09/27(水) 19時から―フォローアップ
====================================================
開催方法:オンライン(申し込み方法は最後をごらんください)
参加費:無料
毎月最後の回は、これまでのセミナーで取り上げたテーマの積み残しや、うま
く解決できなかった課題、あるいは皆さんが抱えている疑問や問題を出し合っ
て解決していく回になります。
今回も様々な質問などを自由に出していただいて構いません。今月は、オンラ
イン会議サービスとAI、サイバー犯罪条約の問題など、技術や法制度も関わる
課題になりました。質問や疑問があればぜひこのフォローアップの回を活用し
てください。またセミナーに参加できなかった皆さんも遠慮なく気軽に参加し
てみてください。
セミナーでは、LinuxOSの紹介にも力を入れてきました。Linuxを新規に使いた
いという皆さんや、すでにLinuxを使っている方たちとの情報交換の場として
も活用してください。
なお、8月にはLinuxOSのインストールのワークショップを実施しましたが、秋
にも継続して企画していく予定です。関心のある方は参加していただければ、
具体的な段取りなど相談できるようにします。
技術的なテーマとして、これまでセミナーで取り上げてきたものの一例。
- Open Street Mapの使い方
- LibreOfficeのインストールと使い方
- Mastodonの使い方
- パスワード管理
- Jitsiを使ったオンライン会議
- 暗号化サービスProtonやTutanotaのメールサービス
- 機械翻訳の活用(DeepL)
- LinuxOSの導入と活用
- ブラウザのプライバシー、セキュリティ設定
- Internet Archiveの使い方
- CryptPadの使い方
など。
最近の社会・政治的なテーマでセミナーやメーリングリストなどで話題になっ
た事柄の一例。
- 国連サイバー犯罪条約
- 「能動的サイバー防御」の問題点
- 監視社会とジェンダー
- 生成AI(ChatGPT)
- スマートシティ
- マイナンバーとデジタルID
- 政府によるインターネット遮断
- 政府による暗号規制
など。
4 参加方法
==========
参加費 無料(カンパ大歓迎)
オンラインはJitsi-meetを使用します
オンライン会議室 Jitsi-meetのマニュアル
参加方法:JCA-NETの会員メーリングリスト、セミナーメーリングリストに登
録されている方は、当日30分前に、メーリングリストからの会議室案内をみて
アクセスしてください。
JCA-NETの会員以外の方でセミナーに初めて参加される方は予約が必要です。
おなまえ、メールアドレス、参加希望のセミナー番号(複数可)を書いて、下記
に申し込んでください。
あるいは下記の申し込みフォーム(cryptpadのサイト)から申し込むこともでき
ます。
https://cryptpad.fr/form/#/2/form/view/fMGdE4jMtDamq3690qOc6WtV+Mlfy8rJ…
※セミナーに申込まれた方は、セミナーのメーリングリストに登録します。メー
リングリストにのみオンライン会議室情報を流しますので、それまでは、メー
リングリストに参加していただくことになります。希望のセミナー終了後にメー
リングリストから退会されたい場合は、その旨連絡をいただくか、ご自身で退
会の処理をすることも可能です。
----------------------------------------------------------------------
余裕のある方は是非カンパをお願いします。セミナーはJCA-NETの会員の会費
で運営されています。郵便振替口座JCA-NET (シ゛ェイシーエイ-ネッ
ト )記号番号:00190-3-417584ゆうちょ銀行〇一九店 417584通信欄に「セミ
ナーカンパ」とお書きください。
問い合わせ先小倉利丸(JCA-NET理事) toshi@jca.apc.org 070-5553-5495