APCが公表した2022年インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)に向けて提起した優先課題についての文書の日本語訳を公開しました。2022年は、11月28日からエチオピアで開催されます。エチオピアは政権によるインターネット遮断など深刻な人権侵害が起きている国でもあり、IGFの開催国としての妥当性についても議論が行なわれてきました。下記のAPCの課題文書においてもこの点への言及が詳しくなされています。エチオピアの状況については共同声明「要請書:アフリカ連合はティグレ州およびエチオピア全土のインターネット接続を再開するために行動すべきです」も参照してください。IGFについての簡単な説明が末尾にあります。

https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/244

目次
1. はじめに
1.1 テーマ
1.2 ハイブリッド・モダリティ
1.3 セッションの種類とスペース
2. エチオピアの人権状況
3. IGF2022におけるAPCのテーマ別優先事項
3.1 グローバルなインターネットガバナンスとデジタル協力の未来を想像する
3.2 COVID-19後のデジタル上の権利の優先順位と戦略の変化
3.3 表現の自由とジェンダーの公正
3.4 デジタル・インクルージョンとアクセス
3.5 環境問題がインターネットガバナンスと交差する場所
3.6 IGFの強化及びWSIS+20の準備
4. IGFにおけるAPCの活動
5. IGF2022でAPCをオンラインでフォローする
本文は下記をごらんください。
https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/244


インターネット・ガバナンス・フォーラムとは

インターネットガバナンスは、情報社会に関する世界サミット(WSIS)、および2015年の持続可能な開発目標(SDGs)採択を受けた総会によるその後のWSIS+10レビューにおいて、最も議論を呼んだ課題の1つでした。WSISでは、インターネットガバナンスのアプローチは包括的で応答的であるべきであるという事実を認識し、国連事務総長にマルチステークホルダー政策対話のためのグローバル・インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)の開催を義務付けた。2006年7月18日、国連事務総長によってIGFの開催が発表された。

IGFは議論のプラットフォームとして、様々な人々やステークホルダーが対等の立場でテーブルにつき、インターネットやテクノロジーに関する情報を交換し、優れたポリシーやプラクティスを共有する場となっている。IGFは意思決定の権限を持たないが、意思決定を行う人々に情報を提供し、インスピレーションを与える。IGFは、インターネットの機会を最大限に生かし、リスクや課題に対処する方法についての共通の理解と知識共有を促進する。

また、IGFは、途上国を含む全ての国の利害関係者にインターネットガバナンスに関する議論に参加する機会を提供し、これらの利害関係者が既存のインターネットガバナンス機関や取り決めへの参加を容易にするための知識やスキルを構築できるよう、能力開発に寄与している。最終的には、先進国から途上国まで、政府から国際機関まで、民間から市民社会まで、すべてのステークホルダーの関与が、インターネットガバナンスにおけるダイナミックな公共政策の推進にとって必要である。(IGFのウエッブより)