内容要旨:歴史教育者協議会声明
     天皇在位10年「奉祝」と「日の丸・君が代」の押しつけに反対します

 元記事:[hinokimi 90] 転載 / 歴教協・在位10年記念行事についての声明
 投稿者:honjo@mse.biglobe.ne.jp
 投稿日:1999.11.02 Tue

京都の本庄です。歴教協の声明を転載します。 ----------------------------------------------------
声明・天皇在位10年「奉祝」と「日の丸・君が代」の押しつけに反対します  政府は、9月28日、天皇在位十年にあたり「国民こぞってこれを祝うため」記念 式典を行うとともに、「各省庁においては、式典当日国旗を掲揚するとともに、各公 署、学校、会社、その他一般においても国旗を掲揚するよう協力方を要望する」こと を閣議決定しました。これにそって、すでに各省庁のもとで多くの記念行事が計画さ れています。  天皇在位を記念する行事は、戦前の大日本帝国憲法のもとでは行われたことがな く、昭和天皇在位50年、60年の記念行事が戦後はじめて行われたのみです。当 然、在位十年という記念行事は、戦前・戦後を通じて、近代日本の歴史上はじめての 行事となります。主権在民を定めた日本国憲法のもとで、なぜ、このような天皇をた たえる行事を、戦前以上の規模で回を重ねて行い、国民全体に祝意を強要し、「日の 丸」掲揚を強制するのでしょうか。  ここには、慎重審議を求める世論を無視して強行成立させた国旗・国歌法を、この 機会に最大限活用し、国民全体への「日の丸・君が代」の押しつけを一挙に強めよう とする意図をみてとることができます。それは同時に、異論や批判を許さない社会的 雰囲気をつくりだして、国民全体を国家のもとに統合し、国家につくす人づくりを社 会全体でおしすすめることでもあります。そのいきつく先は、戦争のできる国づくり にほかなりません。その意味で、国旗・国歌法は、新ガイドライン=戦争法をふま え、天皇在位十年と一体のものとして成立させられたものといえます。  このようなねらいのもとに行われる天皇在位10年記念行事に、私たちは反対しま す。そのなかでの「日の丸・君が代」押しつけ、強制は、当然許されません。とくに 学校における「日の丸」の掲揚は、学習指導要領にもなんらの記載がなく、どんな立 場からみても強制されるべきものでないことは明らかです。  そもそも、日本国憲法は主権在民を基本原則にしています。天皇は「象徴」として の非政治的地位を与えられているに過ぎません。このような今日の天皇及び天皇制に ついてどのように考えるか、「国民こぞって」祝意を表すべき対象とみるかどうか は、憲法が保障する思想・表現の自由に属する問題であり、実際に多様な考え方があ り、それらはいずれも許容されべきものであることは当然です。したがって「国民こ ぞって」の祝意の強要は許されません。このようなことがまかりとおるならば、日本 国憲法の主権在民の原則は空洞化され、「君が代」の意味の政府解釈がいうところの 「天皇の国」となる道をひらくことになります。  私たちは、憲法の主権在民の基本原則を守る立場から、天皇在位10年記念行事に反 対します。  1999年10月24日                               歴史教育者協議会
             転載  honjo       _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/       honjo@mse.biglobe.ne.jp 京都 本庄豊           honj@docomo.ne.jp _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/