10月7日に反安保実から次の申入書を郵送、メール送信しました。
安倍晋三 内閣総理大臣 様
麻生太郎 外務大臣 様
久間章生 防衛庁長官 様
テロ対策特別措置法の延長に反対し、
自衛隊を海外から即時撤兵させることを求める要請書
政府は、この11月1日で5年間の期限が切れる「平成13年9月11日のアメリカ
合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲
章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する
国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」(以下「テロ対策特別
措置法」と略す)なる法令を延長すべく改「正」案を10月6日閣議決定し、開催
中の臨時国会に提出しようとしています。
しかし私達は、このテロ対策特別措置法の延長には、一片の道理もないと考え
ます。
同法は01年9月11日に米国中枢を襲った航空攻撃に驚愕したブッシュ大統領の
「対テロ世界戦争」への扇動に闇雲に迎合したものです。ブッシュ大統領は、
「これは戦争だ!」と決めつけ、タリバーンーアフガニスタンへ国際法上では根
拠のまったくない先制攻撃をちょうど5年前の本日(10月7日)開始しました。
日本政府は即座にそれを支持し、テロ対策特別措置法を成立させ、インド洋上で
の海上自衛隊艦船による米国他の艦船に対する給油を始めたのです。以来、アフ
ガニスタン等に攻撃をしかけている米英等の艦船(へリも含む)への補給の実績
は45万キロリットル=199億円相当(06年9月20日)に及んでいます。これはア
フガニスタンやイラク攻撃に参加・荷担しているということであり、多くの民衆
を殺戮しその生活を破壊しているということです。
一方で政府は、自衛艦がどこでどの艦船に給油等を行っているのか、どの港か
ら油等を仕入れているのか、乗組員がどこで休養しているのかなど自衛隊の具体
的な活動については、軍事秘密を盾に、いっさい公表していません。
こうした「実績」に立ち、政府は、国連安保理をも無視してイラクへの先制攻
撃を強行しようとした米国の片棒を担ぎ、各国に先制攻撃を支持するように説得
してまわるなど、イラク侵略戦争の戦端を切り開くことにさえ手をかしてきたの
です。そのイラク攻撃の理由として掲げられた「大量破壊兵器の存在」「フセイ
ン政権とアルカイダの関係」はまったく無根拠であったことがハッキリと明らか
になった現在でも、日本政府は、イラク攻撃を支持した誤りを認めようとすらし
ていません。それどころか、安倍首相は所信表明演説(9月29日)において自衛
隊のイラク派兵を「歴史に残る偉業」と誇ったのです。
米・日政府は、「9・11」以降に米英等が起こした軍事行動が「テロリストの
撲滅を果たし、自由や平和を謳歌しうる世の中をつくるのだ」としていたにもか
かわらず、カルザイ政権は未だにNATO軍など有志連合軍による武力鎮圧(掃討作
戦)なくして存立し得ていません。そして武装勢力掃討の実態は、民衆虐殺にほ
かなりません。
しかも今回のテロ対策特別措置法の改「正」では、その附則に、恒久的な派兵
法の成立を目指すことまでが盛り込まれようとしていると伝えられています。
数万という民衆を死に追いやった武力行使の理由が根拠がなかった(間違って
いた)ことに直面しても、間違いの原因を調査することもせず、なんの反省も明
確な説明すらすることなく、ただひたすら武力行使の正当性を主張するばかりの
政府が、いつでも派兵を行えるような法整備を進めようとしていることに対して
脅威を感ぜずにはいられません。
このままこの無責任な政府が、自衛隊の海外派兵を継続拡大させ続けるなら
ば、いずれ自衛隊自身が、後方支援から前線での殺戮と破壊の当事者になってい
くことは間違いありません。
そこで以下要請します。
(1)テロ対策特別措置法の延長を取りやめ、失効させること。
(2)即刻自衛隊員(艦艇)を国内に引き戻すこと。
(3)これまで行ってきた「活動」の詳細を明らかにすること。
(4)防衛省昇格法や恒久派兵法などさらなる派兵法を成立させないこと。
2006年10月7日
東京都千代田区三崎町3−1−18 近江ビル4階 市民のひろば気付
新しい反安保行動をつくる実行委員会
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