10月7日に反安保実から次の申入書を郵送、メール送信しました。
President George W. Bush
ジョージ・W・ブッシュ米国大統領 様
Mr. J. Thomas Schieffer
J・トーマス・シーファー駐日米国大使 様
アフガニスタン侵攻5年目にあたっての申入書
2001年10月7日、米国が国際法に違反してアフガニスタンに対する爆撃を開始
してから5年が経過しました。「9・11の同時テロ」への「報復」を理由に、タ
リバン政権を転覆するために行ったこの軍事介入は、まがうことなき侵略戦争で
した。
あなた(大統領)は、「テロリスト」(それはあなた方自らがそう認定した人
びとにすぎない)と「テロリストをかくまう国」とを区別しないと強弁し、「テ
ロリストにつくのか、われわれにつくのか」との二者択一を全世界に迫り、事態
を「善と悪との闘い」に色分けして「報復戦争」を正当化しました。しかし、
「9・11」の攻撃がオサマ・ビンラディンと「アルカイーダ」の犯行であったこ
とは具体的に立証されておらず、ましてビンラディンの行為とタリバン政権の関
係もなんら明らかではありません。「テロリスト」と「テロリストをかくまう
国」を同一視し、「テロリストをかくまった」という口実で、「報復」の先制攻
撃を行うことは侵略行為以外のなにものでもありません。それを「自衛権」の発
動で正当化することは国際法的に不可能です。
クラスター爆弾やバンカーバスターなどの大量破壊兵器、劣化ウラン兵器を
使った米国の一方的な無差別爆撃によって殺害されたアフガニスタンの一般市民
は「9・11」の死者をはるかに上回っています。住む家、土地を追い出され、難
民となった人びとは数えきれないほどです。
さらに「テロリスト」とされて、グアンタナモ米軍基地に移送され現在に至る
まで劣悪な環境下で拘束され、取り調べを受け続けている人びとがいます。米国
最高裁ですら、この6月に、グアンタナモ海軍軍事基地に軍事法廷を設けること
は違憲であり、アルカイダ活動家らは戦争捕虜の取り扱いを定めたジュネーブ条
約の適用対象になるとの判決を下しているように、これは露骨な戦争犯罪・人権
侵害にほかなりません。
アフガニスタンへの軍事攻撃は、内戦と干ばつによって破壊されたアフガニス
タンの荒廃をいっそう悪化させました。あなた(大統領)は、タリバン政権の追
放によって「自由と民主主義」が回復されたと主張しています。しかし米軍と
NATO軍によって擁立されたカルザイ政権が支配している地域は、首都カブールと
その周辺のみであり、他の地域は、米国がタリバン政権打倒のために利用した北
部同盟などの軍閥割拠状態が続いています。事実上の内戦が継続しており、米国
軍隊およびそれを引き継いだNATO軍は「テロリスト」掃討作戦と称して、一般市
民を無差別に攻撃・殺害しています。
復興や人道的支援、そして平和の前提条件は、何よりもすべての占領軍が撤退
し、侵略戦争による破壊への補償を行うことです。あなた(大統領)の主導した
「対テロ戦争」に反対し、自衛隊の「対テロ戦争」支援のための派兵に反対して
きた私たちは、米国軍隊およびNATO軍をただちにアフガニスタンから撤退させる
こと、グアンタナモ基地に囚われているすべての人びとをただちに無条件で解放
することを要求します。
2006年10月7日
新しい反安保行動をつくる実行委員会
東京都千代田区三崎町3-1-18 市民のひろば気付
TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118
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