【声明】陸上自衛隊のイラク第9次派兵の中止と
    航空自衛隊も含めたすべての自衛隊の即時撤退を求める(反安保実)

    各地(東京、浜松、名古屋、関西、広島)からの申入書も掲載   


2006年1月21日(土)のイラクへの第9次派兵に反対する防衛庁抗議行動で提出した申入れ書です。
同時に提出した東京浜松名古屋関西広島から寄せられた申入書も掲載しました。

**―反安保実から―*************************
防衛庁長官 額賀福志郎 様

陸上自衛隊のイラク第9次派兵の中止と
航空自衛隊も含めたすべての自衛隊の即時撤退を求める

 昨年12月、日本政府は、多くの反対と危惧の声を無視してイラク特措法による自
衛隊のイラク派兵を延長しました。
 その延長に基づいて第9次陸上自衛隊復興支援群が来週29日にも、東部方面隊第
1師団を中心に約500名が派兵されようとしています。
 私たちは何度も繰り返して訴えてきたことは以下のように明白なものです。

 ・アメリカのイラク攻撃は、国連憲章・国際法に明確に違反していること。
 ・アメリカ自身があげた攻撃の理由(大量破壊兵器の存在、9.11テロとの関係)
がまったく根拠がなかったことが明らかになったこと。
 ・自衛隊の活動は、この違法な軍事的侵略・占領と一体となったものであること。
つまり、イラクの民衆に敵対するものであること。
 ・陸上自衛隊の活動は、「復興支援」として非効率極まりない無駄な活動である
こと(NGOの10分1以下)。
 ・イラク民衆に敵対するサマワでの自衛隊の活動は危険でり、自衛隊が「殺し、
殺される」可能性が極めて高いこと。

 さらに、現在は、給水支援活動も医療支援活動すらほとんど行わず、ただ現地業
者が行う道路・学校・診療所の補修の管理監督のためだけに、業務支援隊も含める
と600名もの大部隊を派兵し続けるという事実は、占領政策への加担以外の何もので
もありません。自衛隊宿営地に対する迫撃砲攻撃や車列に対する投石などもそのこと
を明確に示しています。
 また、今回の派兵延長(基本計画の変更)に際して、航空自衛隊が活動できるイ
ラク国内の空港が従来の13カ所から全土24空港に拡大されました。航空自衛隊の現地
での活動についての情報公開請求に対して、貴職は、「安全を害する恐れ」「関係国
との信頼関係を損なう」としてほとんど公開を拒否しました。それもまた、自衛隊が
現地で行っていること=占領軍としての活動であることを示すものであり、同時に、
現地が危険であることも示しています。

 貴職の為すべきことは、「復興支援」などと民衆を誤魔化し、活動を隠蔽して軍
事的占領支配に手を貸すことではなく、派兵延長を撤回し、直ちに撤退を行うことで
す。

 以下、申し入れます。

一、陸上自衛隊東部方面隊の派兵を中止せよ。
一、イラクに派兵されている航空自衛隊を含めたすべての自衛隊を即時撤退させよ。
一、これまで行ったイラクでの自衛隊の活動をすべて明らかにせよ。


 新しい反安保行動をつくる実行委員会・第10期
 東京都千代田区三崎町3-1-18 市民のひろば気付
 TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118
URL:http://www.jca.apc.org/hananpojitsu/E-mail:hananpojitsu@jca.apc.org

**―東京から―*************************
東部方面隊のイラク派兵に反対する申入書

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
防衛庁長官 額賀福志郎 殿


 政府は昨年12月8日、イラク特措法にもとづく自衛隊のイラク派兵を一年延長する
ことを閣議決定しました。
 防衛庁は、第9次に派兵する部隊を東部方面隊とし、今年1月7日には先遣隊を派兵、
1月から5月にかけて第一師団(練馬区)、第12旅団(相馬原)から約500人を派兵すると
いわれています。
 現在イラクでは、アメリカ軍を中心とした多国籍軍の駐留に反対する動きが止ま
るところを知りません。ファルージャなどでアメリカ軍が行なった掃討戦は、多くの
民衆を殺戮するもので、いっそう反発をかきたてています。昨年10月には憲法草案を
承認するための国民投票が行なわれましたが、その草案自体、アメリカの意向で強行
にまとめられたものです。そして新憲法に基づき12月に国会選挙が行なわれましたが、
さらにイラク情勢が混迷の度を深める恐れもあります。さらにイギリス軍人を拘束し
たイラクの治安機関に対して、イギリスが攻撃を行い、イギリス軍とイラク民衆が衝
突するといった事態も起きています。
 自衛隊に対しても、多国籍軍の一部であるとして反発が強まっており、迫撃弾に
よる攻撃がおきているほか、自衛隊車両にデモ隊が投石をする事態が発生しています。
米軍などの後方支援を行なっているのですから反発されるのは当然です。しかも、目
玉として揚げた給水活動は昨年2月に終わっているにもかかわらず、宿営地という名
の基地を要塞化している自衛隊に対して、米軍のための恒久的基地を建設しているの
だといった憶測も飛び交っているといいます。また、米軍が使用した劣化ウラン弾の
被曝よってイラク民衆に多くの犠牲が出ている中、派兵継続はそうした危険にも自衛
隊員をさらすことになります。アメリカでもブッシュ批判の声が高まり、サマワの自
衛隊を守ることになっているイギリス軍も、06年5月には撤退するという動きも出て
きています。
 なすべきは派兵の継続ではなく、派兵そのものを中止し、今派兵されている部隊
も、即刻撤退させることです。ましてや、さらなる東部方面隊の派兵など許されるべ
きではありません。私たちは東部方面隊の中枢である練馬駐屯地や朝霞駐屯地などが
所在するこの地の部隊がイラクに向かうことを許してはならないと考え、東部方面隊
−第一師団のイラク派兵に反対する申し入れを行なうものです。

 以下、申し入れます。

一、 自衛隊をイラクから即時撤退させること。
一、 イラク派兵の基本計画を継続しないこと。
一、 第一師団などの東部方面隊のイラク派兵を即時中止すること。


2006年1月21日
自衛隊・東部方面隊をイラクに行かせるな!実行委員会
(連絡先03-3961-0212)


**―浜松から―*************************
日本国首相様 防衛庁長官様               2006年1月21日
                      人権平和浜松 、NO!AWACSの会
第9次陸自イラク派兵の中止と撤兵、
およびミサイル防衛と浜松基地へのPAC3配備の中止を求める要請書

政府はアメリカのイラクへの侵略戦争を支持し、イラク派兵をすすめています。静
岡県の板妻などからも第9次の要員が派兵されようとしています。また、浜松基地か
らはすでに15派にも及ぶ派兵が繰り返されてきました。わたしたちはここに派兵の中
止と撤兵を強く要請します。
さらに、イラク派兵のなかで、政府はアメリカからの「ミサイル防衛」の導入を決
めました。このアメリカによる宇宙の軍事化の下でのミサイル防衛の装備には、数兆
円が費やされます。たとえば、地上から発射されるPAC3は1発5億円、イージス艦から
発射されるSM3は1発20億円もします。この開発と導入ではロッキードマーチンや三
菱重工などの軍需企業が暴利をむさぼります。
ミサイル防衛は武器輸出禁止3原則、宇宙の平和利用原則、日本国憲法の平和主義に
反し、アジアでの危機を高めるものです。航空自衛隊浜松基地にも教育・整備用に新
型ペトリオットミサイル(PAC3)が配備され、ミサイル防衛の拠点になろうとしてい
ます。
 イラク派兵もミサイル防衛も、日米の共同戦争であり、集団的自衛権の行使です。
この作戦計画のなかで、3軍統合幕僚監部がつくられ、横田基地には日米の共同作戦
司令部の設置がすすめられています。このようなアジアのみならず世界を敵視する軍
事化はすぐにやめるべきです。政府はアジアを分断支配するアメリカの政策に追従し
てはいけません。
政府はミサイル防衛導入やイラク派兵をやめ、東アジアの平和と友好を創造する道
を選ぶべきです。ミサイル防衛計画と浜松へのPAC3の配備計画の中止についてもここ
に要請します。
 
     浜松市旭町浜松郵便局私書箱77号 NO!AWACSの会
               0534224810


**―名古屋から―***********************
東部方面隊のイラク派兵に反対する申入れ書

 防衛庁長官  額賀福志郎様


 私たちは、愛知で小牧基地や守山の第10師団からのイラク派兵反対を取り組む
「有事法制反対ピースアクション」という市民グループです。
 日本政府は、昨年に12月14日、イラク特措法での派遣期間の延長を行い、今月末
にも東部方面隊第1師団からのイラク派兵を行おうとしています。すでに今月7日には
東部方面隊から編成されたイラク復興業務支援隊の第5次要員約100人がイラクに派
兵されました。
 額賀防衛庁長官は昨年12月たった5時間あまりの「視察」で、「(サマワの)治安
は比較的良くなりつつある」との記者会見を行いましたが、その直後の自衛隊の自動
車への投石がおこり、その後も撤退を求める連日のデモが起こっています。アメリカ
軍を中心にした多国籍軍への攻撃もやむことがなく、米兵の死傷者はついに2200人を
上回りました。それにもまして、連日の自爆攻撃やアメリカ軍・イラク軍の攻撃でそ
の何十倍・何百倍ものイラクの人たちが殺されています。ファルージャをはじめイラ
ク各地で行われた「武装勢力の掃討作戦」は白リン弾や化学兵器を使っての「虐殺」
そのものでした。
 12月、ブッシュ大統領はイラク攻撃の理由となった大量破壊兵器の情報が誤りで
あったことを認めました。これに対して安部官房長官は「彼ら(イラクが)大量破壊
兵器を持っていると(米政府が)考える合理的な理由があった。イラク攻撃への日本
の支持について言えば合理的な判断だったと思う」と述べ、「イラクへの武力行使を
支持した開戦当時の日本政府の判断に問題はなかった」とあくまで正当性を主張しま
した。しかし、常識で考えれば間違った情報で間違判断をしたならば謝罪し、補償を
することが常道です。日本政府はその基本すら認めようとせず、「人道復興支援」だ
「治安は安定している」などと誰が考えても認められないことをいい続け、派兵を正
当化しています。
 報道によると、陸上自衛隊は今年の早い時期に撤退し、航空自衛隊の延長が言わ
れています。基本計画を変更し、航空自衛隊の活動地域をイラク全土24空港に拡大し
ました。来年度には小牧基地への空中給油輸送機の配備も始まりますが、その初任務
がイラクではないかと危惧をしています。16日にはバグダッド空港で米軍のヘリが攻
撃されています。航空自衛隊が活動する地域も決して安全ではありません。多国籍軍
の一員として参加している自衛隊も攻撃の標的にされる可能性は十分にあります。
 イラクへの派兵の継続の一方で、自衛隊との連携を強化した「在日米軍再編」の
動きも3月には最終報告のとりまとめが行われようとし、通常国会には憲法「改正」
のための手続き法である国民投票法案の上程も予定されています。アメリカと共に戦
争ができる態勢へと着々と準備がすすめられています。
 私たちは、「武力では平和は創れない」と訴えてきました。これまでの歴史の教
訓として、また、現にイラク・アグガニスタンで起こっていることを想起すれば事は
明白です。
 今なすべきことは、これ以上の自衛隊の派兵ではなく、全ての自衛隊の即時撤退
です。
 私たちは以下の申入れを行います。

1.自衛隊をイラクから撤退させること
2.東部方面隊からのイラク派兵を中止すること。

2006年1月21日

有事法制反対ピースアクション
共同代表:水田 洋 寺尾 光身

**―関西から―************************
小泉内閣総理大臣殿
額賀防衛庁長官 殿

イラク派兵中止と即時撤退の申し入れ

 ブッシュ大統領は、イラク戦争は大量破壊兵器保有など誤った情報に基づくもの
であり責任を感じているなどと述べています。正しいと思っていたものが正しくなかっ
たのですから、振り出しに戻って軍隊を引き揚げるなどもう一度考え直すのが小学生
にも分かる普通の考え方です。しかしブッシュ大統領は、フセイン大統領を捕まえた
から戦争を始めたのは正しかったなど、別の問題ににすり替えています。こういうの
を屁理屈といいます。
 問題のすり替えでは小泉首相も名人です。野党の質問にもまともに答えず別のひ
と言ではぐらかしてしまうのです。非戦闘地域が私に分かるわけはない、と言ったか
と思うと、自衛隊がいるところが非戦闘地域だなど、人を小馬鹿にしたような答弁で
した。

 今回陸自東部方面から第9次のイラク派兵が開始されますが、私たちは派兵中止と
現在派兵している部隊直ちに撤退するよう求めます。5月頃撤退ともいわれています
が極めてあいまいです。撤退を求める多数の国民に具体的な出口日程を示すべきです。
 陸自が撤退したとしても空自輸送部隊は引き続き空輸任務を継続延長させる方針
のようですが速やかな撤退を求めます。アメリカはクエートを中心として13地域か
ら24地域へと輸送活動範囲拡大を求めているとの報道もあります。
 これら空自輸送機は戦闘一体化をめぐり武器弾薬は運ばないことになっています
が、防衛庁への情報公開回答では、ほとんど墨塗りで何をどう運んでいるのか分から
なくしています。戦闘継続に重要な兵站活動だからこそアメリカは活動拡大を求めて
います。バグダッドで関係国の航空機が狙われたこともあり、アメリカ軍が占領を続
ける限り自衛隊機は占領軍機として標的とされるでしょう。
 本格的な復興支援は占領軍がいったん撤退し、国連主導でやり直すべきで、NGO活
動にとっても占領軍の存在が障害となっています。
 これまでイラクで外務省要員やジャーナリストなどが殺害された事件はありまし
たが、武器を携行した自衛隊員が発砲し現地人を殺傷するとか、隊員が殺害されるよ
うな事件は幸にありませんでした。今こそ自衛隊は総て撤退すべきです。
 以上を申し入れます。

2006年1月20日  関西共同行動

**―広島から―************************
防衛庁長官
 額賀福志郎様
要 請 書
東京からのイラク派兵を中止し、自衛隊の即時撤退を求め、
国民投票法案の国会上程をしないよう求めます

 2001年9月11日、アメリカ東部で発生した無差別攻撃に対して、アメリカは、対テ
ロ戦争として、アフガニスタンのタリバン政権を倒し、小泉政権は、平和憲法を持つ
身でありながら、この戦争をいち早く支持し、即座に最大限の協力を申し出て、短期
間に「対テロ特措法」による自衛隊の派遣を強行しました。以来、海上自衛隊は、補
給艦を初め、揚陸艦、護衛艦などがインド洋、アラビア海に展開し、「アフガン戦争」
に関与する「米軍艦」などに燃料を供給し続けてきました。後方支援とはいえ、戦争
の一部を自衛隊が担ってきたのであり、アラビア海の海上自衛隊の即時撤退を求めま
す。
 更に2004年1月からは、イラク特措法により陸上自衛隊のサマーワ派兵を初め、陸
海空3自衛隊のイラク派兵を続けています。イラクでは、国政選挙も終え、憲法制定
までに進展し、イラク特措法の前提条件も変わっているはずです。しかも、連日死傷
者がでる治安状態で、多国籍軍の一員として、「軍隊」としての自衛隊を派兵し続け
る根拠は何もありません。そして、とうとう、首都圏の陸上自衛隊が、第9次派兵部
隊として、イラクに派兵されつつあります。
 私たちは、東京からのイラク派兵の中止と、今、派兵されている部隊の即時撤退
を強く求めます。これ以上、自衛隊の海外での作戦行動は止めてください。イラクや
アフガンでアメリカの戦争の片棒を担ぐことは即刻止め、憲法九条の精神に基づいた
独自の平和外交を展開されるよう心から望みます。
 そこで、以下要請します。
1.東京からのイラク派兵を中止し、イラクから自衛隊を撤退させること。
2.対テロ特措法に基づく海上自衛隊によるアラビア海での燃料補給作戦を中止す
ること。
3.憲法九条の改悪につながる国民投票法案を国会に上程しないこと
4.日米安保の世界化を目指す米軍再編を行わず、在日米軍の規模を大幅に縮小す
る交渉 を進めること。米軍再編の一環としての厚木基地から岩国基地への空母艦載
機部隊の移 駐計画を白紙撤回すること。
  2006年1月21日
   ピースリンク広島・呉・岩国
      世話人:湯浅一郎、藤井純子、田村順玄
      連絡先:呉市幸町3−1  Tel&FAx:0823-21-2414

**―ここまで、各地域からの申入れ書―*********

 新しい反安保行動をつくる実行委員会第10期(反安保実X)
 東京都千代田区三崎町3-1-18 市民のひろば気付
 TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118
 メール:hananpojitsu@jca.apc.org
 URL:http://www.jca.apc.org/hananpojitsu/

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