防衛庁長官 大野功統 様
自衛隊のイラク第6次派兵の中止と第5次隊の即時撤退を求める
大野功統防衛庁長官は、4月26日、イラク南部サマワへの第6次となる派遣命令を陸
上自衛隊第3師団(伊丹)を中心とする、近畿・中国・四国の部隊(約500名規模)に
対して出した。そして本日午前、団旗授与式が行われ、午後には第一陣が関西空港か
ら派遣されたという。このことにまず強く抗議する。
度重なるイラク派兵の度ごとに私たちはその不当性と危険性を指摘し、派兵中止と
即時撤兵を強く求めてきた。
それは政府が派兵の根拠としている「イラク特措法」の目的にいう「国家の速やか
な再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手
段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援」するた
めにも、まず自衛隊も含む米国を中心とする多国籍軍の撤退が、なにより必要である
からに他ならない。
ありもしない「大量破壊兵器」や「テロリストとの関係」を根拠に行われた先制侵
略攻撃とそれに続く軍事占領の延長線上には、いかなる意味でも「国家再建」や「国
民生活の安定」はありえない。
また、不当な破壊からの復興支援が必要であるとしても、それは自衛隊が担うべき
ものでも担えるものでもない。事実、大きく宣伝された「給水支援活動」ですら、現
在はまったく行われていない。今、サマワで行われているのは、わずかな医療支援と
現地役務業者による施設補修工事だけである(この補修工事を自衛隊は「現地雇用は
延べ16万人に達した」(森陸幕長)とアピールするが、それは1日当たり500名の雇用
を生んでいるに過ぎない)。医療支援も雇用の創出も、自衛隊の仕事であるはずがな
い。そのために500名もの人員と装甲車を含む50両以上の車両が派遣される必要など
どこにもないのだ。
自衛隊の派遣が、米国の戦争・占領政策を政治的に支持するためのものであり、米
兵を輸送する航空自衛隊の活動のように実際に「掃討作戦」という名の民衆虐殺を含
む占領政策に加担するものであり、さらにまた今後も行われるであろう米軍と一体に
なったさらなる「対テロ戦争」へ向けて、海外派兵軍へと脱皮する自衛隊の軍事訓練
(経験の蓄積)の一端として行われているものであることは明らかである。
それを「イラク復興支援」と称して、イラク民衆を、私たちを、そして派遣される
自衛隊員をも欺きながら進めているに過ぎない。
自衛隊のイラク派兵に対しては、今回の第6次隊の地元伊丹をはじめ、全国各地で
反対の声が広がっている。
私たちはそれらの声と連帯しさらに声を大にして以下のことを要求する。
一、第6次支援群への派遣命令を直ちに撤回し、派兵をするな。
一、現在イラクに駐留する自衛隊を即時撤退させよ
一、米軍の対テロ戦争支援のためにインド洋に派遣されている海上自衛隊の戦艦を即
時撤退させよ。
2005年5月7日
イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会
(反安保実IX)
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル4F
TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118
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