【声明・呼びかけ】日本の国連安保理常任理事国入りを支持しない!

   (日本の国内・国外から賛同団体募集、5月31日第一次集約)         


新しい反安保行動をつくる実行委員会(第9期)とアジア平和連合(APA)ジャパン
は、協同で以下のような声明「日本の国連安保理常任理事国入りを支持しない!」を呼びかけ
ました。
英語、ハングル等に翻訳され海外の団体にも呼びかける準備が進んでいます。

■この声明への賛同団体を日本国内・外で募っています。
賛同していただける団体は、
下記を記入の上 FAX:03-3234-4118 へ  お送りいただくか、
E-mail:hananpojitsu@jca.apc.org へ、賛同の旨と団体名及び連絡先をご連絡下さい。
第一次集約は5月31日です。
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「[声明]日本の国連安保理常任理事国入りを支持しない!」に賛同します。

[団体名]:

[連絡先]:

   TEL:                    E-MAIL:

*********************************以下声明***********************************

[声明]

日本の国連安保理常任理事国入りを支持しない!

 わたしたちは、以下の理由から日本が国連安全保障理事会常任理事国になることに
反対します。

●米国の国連支配の一環としての日本の常任理事国入り
 日本政府の国連へのスタンスは、米国との同盟を優先し、日米同盟の利害に国連の
プロセスを従属させるものでした。たとえば、国連を無視したアメリカのイラク先制
攻撃を支持し、その占領に加担するために自衛隊派兵を決定したことはその端的な現
われでした。

 今回のいわゆる国連改革なるもののなかで、日本が常任理事国入りを果たすのに最
も頼りにしているの米国であり、日本政府もこうした米国の意向にしたがう意図をもっ
て常任理事国入りを画策しています。1970年代以降、米国は自国の利益に合致しない
として国連を軽視する姿勢を取る一方で、日本は日米同盟と国連中心主義という二つ
の外交方針をその時々の都合にあわせて使いわけてきました。いうまでもなく、日本
が口にする国連中心主義は、日米同盟をはじめとする米国のグローバルな覇権を国連
のプロセスにおよぼすための政治的なレトリックでしかありません。米国の対国連強
硬路線と日本の見かけ上の国連中心主義や「アジアの一員」というポーズは、第三世
界諸国の影響力の強い国連をWTOやIMFなどの他の国際機関や先進国サミットのように
米国や先進国のイニシアチブによる組織へと転換をはかるための事実上の共同行動で
あると理解すべきです。
 これに加えて強調しておかなければならない重要なこととして、「国連中心主義」
や「国連への人的貢献」は、そもそも戦争放棄を明文化している憲法に違反している
自衛隊を前提として、その上に自衛隊を海外派兵するための隠れ蓑に国連を利用しよ
うとするものであるということです。1990年代以降、日本はPKOを名目とした派兵か
ら今やアメリカの進める「テロとの戦い」への協力へと、派兵を拡大しています。

●日本の常任理事国入りはアジア諸国・民衆に支持されていない
 日本が安保理常任理事国としての資格を得ることは、日本の海外派兵の拡大を国連
の名の下に正当化し、日本に侵略されたアジア諸国の人々にとって脅威になるといわ
ざるを得ません。
 日本は侵略戦争に対してアジア諸国・民衆に対して公式の謝罪と補償をしていると
はいえません。それは最近の小泉首相の日本の侵略戦争のために死んだ軍人を賛美す
るための施設である靖国神社への参拝にも示されています。また、いわゆる「従軍慰
安婦」や強制連行、非戦闘員に対する大量虐殺、国際法で禁じられている生物化学兵
器の使用など多くの戦争犯罪に対して、被害者への謝罪と補償を怠ってきました。国
家間の戦後賠償にしても、日本企業が東南アジアや東アジアに経済進出する条件整備
を意図したもので、昭和天皇の戦争責任をいまだに認めていないように、国家犯罪へ
の反省の自覚をともなうものではありません。
 このように日本政府はかつての植民地支配と侵略戦争に対して明確な責任を表明し、
この責任に相応した行動をとってきておらず、アジア地域を代表するものとして安保
理常任理事国になる資格がないことは明らかです?
●改憲を加速化する安保理常任理事国入り
 小泉政権は、国連常任理事国としての役割を果たすために、自衛隊を正式な軍隊と
して海外で軍事活動ができるように憲法を変えようとしています。日本の歴代政府は、
憲法の戦争放棄条項に反する日米安保の強化、自衛隊の増強を押し進めてきましたが、
それでも憲法は戦争を行うことへの歯止めになってきました。9条という歯止めがあっ
てもなお日本は世界で第三位の軍事予算と世界最大の米軍海外基地を擁する世界有数
の軍事力保有国です。この日本がさらに9条の歯止めを国連協力の名で葬ろうとして
いるのです。
 この動きに合わせて、国内では自由と権利を奪う戦時法制の整備、「テロ対処」を
名目とした治安弾圧立法、「日の丸・君が代」の強制や「愛国心」教育を強める教育
基本法の改悪の動きなど、思想・信条の自由を侵害する動きも強まっています。また、
日本政府は、外国人を一貫して治安対象とみなしてきました。難民に対しても非常に
閉鎖的です。そうした差別・排外主義も、「対テロ」などを名目に強まりつつありま
す。

●武力による国家安全保障ではなくグローバルな民衆の安全保障の枠組が必要
 以上からも明らかなように、私たちは、軍事力の行使を安全保障の手段の一つとし
て位置づける国連安保理に日本が参加することは、アジアおよび世界の民衆の安全に
寄与するものではないと確信します。
 現在の国連安保理は、地域の武力紛争の解決に無力であるだけでなく、大国の軍事
力行使を正当化する機関にもなっています。戦後の半世紀の間に、すくなく見積もっ
ても、戦争、紛争の直接の犠牲者は5000万人にのぼると推計されています。戦争・紛
争の結果引き起こされる飢餓や貧困等にともなう犠牲者の数はその何倍にもなります。
民衆の安全を国家とその軍事力にゆだねることができないということが明らかになっ
た半世紀であったといえるのです。
 わたしたちは、日本の常任理事国入りがこうした武力と大国支配に依存した国連安
全保障の枠組を強化し、その結果としてさらに多くの民衆の犠牲をもたらすことはあっ
てもこれを押しとどめることにはまったく寄与しないと考えます。
 わたしたちが、今必要としているのは、武力行使に頼らない、国境を超え、国益や
グローバルな資本の利益に支配されない民衆が主体となった「安全保障」の枠組であっ
て、戦争の原因となるような国益のための安全保障ではありません。

 日本の国連常任理事国入りを阻むために、私たちはこの「日本の国連常任理事国入
りを支持しない!」との声を大きくあげていくことを声明します。

以上の声明をふまえ、私たちは日本政府に要求します。

●日本政府は、国連常任理事国入りを進めるな。
●日本政府は、憲法9条とその理念に基づき、武力によらない民衆の安全が保障され
る枠組み作りを積極的に行え。

 そして、この声明を読まれた方に呼びかけます。

 一、「日本の国連常任理事国入りを支持しない!」という声明に賛同してください。
 一、日本大使館に「日本政府は国連常任理事国入りを進めるな!」と働きかけてく
ださい。
 一、自国政府に「日本の国連常任理事国入りを支持しないように」と要請してくだ
さい。

2005年3月31日

【呼びかけ】
《国内賛同団体集約先》
新しい反安保行動をつくる実行委員会(第9期)
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル4F 市民のひろば気付
TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118/E-mail:hananpojitsu@jca.apc.org
《海外賛同団体集約先》
アジア平和連合(APA)ジャパン
東京都新宿区大久保2-4-15-3F PP研気付


 イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会(反安保実IX)
 東京都千代田区三崎町3-1-18 市民のひろば気付
 TEL:03-5275-5989/FAX:03-3234-4118
 メール:hananpojitsu@jca.apc.org

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