反安保実 NEWS 第6号
【連載】反安保実クロニクル6 
第VI期 日本の参戦を許さない!実行委員会('01〜'02)
対テロ戦争参戦、有事立法に抗し忙しく活動 
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沢田和宏
 


 第6期は「日本の参戦を許さない!実行委員会」と称し、ニュースは「NO!参戦」。二〇〇一年一一月から〇二年九月までと比較的短い時期ではあったが、準備段階も含めてたいへん忙しい実行委であった。そしてブッシュの「新しい戦争」に対抗し、小泉の「戦争のできる国家」づくりを許さない闘いの内実をつくり出していく重要なステップでもあった。
 あの〇一年9・11から、10・7\\アメリカのアフガン戦争の開始という決定的な転換期をうけて、第六期のスタートが急がれた。この重要な時期が実行委の端境期にあたっていたことは悔やまれるが、協力関係にあるメディア「戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国FAX通信」を通じて、アメリカ大使館抗議行動を呼びかけていった。また「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」などの様々な緊急行動も担いながら、次のステップを準備していった。今期の基調はまさに「アメリカは戦争をやめろ! 日本の参戦を許さない!」であった。
 一一月二三日、今期のスタートとなる集会が開かれた。この集会もあわただしいものとなった。前後して、小泉の参戦と「有事立法」へ向けた動きは大きく加速されていた。
 〇一年秋の臨時国会は、9・11をうけて「テロ対策国会」へとその性格を一変させた。テロ対策特措法、自衛隊法改悪、海上保安庁設置法改悪のいわゆる「テロ三法」という参戦法が一〇月二九日に成立していた。そして一一月二五日には自衛隊のインド洋派兵という実質的な参戦国化が強行された。また一二月二二日、海上保安庁巡視船が軍事行動に出て、「不審船」を沈める事態までが創り出されている。こうした軍事的な緊張を激化させながら、本格的な「有事立法」作りに小泉は入りつつあった。以降は、実行委は「有事立法」阻止へ向けた闘いに集中していく。
 またアフガン戦争以降、世界各地での軍事衝突の激化の中で、勢いづいたイスラエル・シャロン政権のパレスチナへの軍事攻撃のエスカレーションに対して、実行委は継続して抗議を行うことができた。
 さて第6期のメインとなる行動として準備されたのが、「5・4 有事立法に反対する全国共同行動\集会と全国交流討論会」であった。沖縄、関西、名古屋、浜松そして首都圏各地からの運動報告をうけることができた。そして「有事立法」と憲法改悪反対の全国的な運動を協力して創り出していくこと。またアメリカのグローバルな「反テロ」戦争と対決する運動を国境を越えた連帯で作りだしていこうと確認しあった。
 七月三一日通常国会は閉会し、小泉が最重要法案の一つとして力を入れていた有事三法案は、採決もできずに継続審議となった。しかしアフガン攻撃は終わっているわけでもなく、アメリカのさらなる暴走、イラクへの本格的な侵略戦争をストップさせ、それと結び付けて小泉の「有事立法」づくりに反対していく第二ラウンドを開始していかなければならない、ということで、この実行委は九月一六日の総括討論集会で閉じることとなった。
 大変慌ただしい実行委となったが、実行委固有の行動としては、「全国共同行動」が、またいろいろな反戦の動きに協力する作業としてワールド・ピース・ナウ(WPN)実行委結成へ結びつく行動や、国際連携を創り出すためのアジア平和連合(APA)ジャパンの結成など、現在に連なる基本的な運動の枠組みが形成されていった重要な時期でもあった。

イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会(反安保実IX)
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