四月二三日、二四日と関西(尼崎)で反派兵の全国交流合宿が持たれた。二四日午後の伊丹での「やめろイラク占領! 行くな もどれ 自衛隊」大集会とデモに合流するプログラムで、準備された。
二三日の夜の改憲問題と「国民保護法」(有事法)問題の二つのテーマについて報告と討論をふまえて、二四日の朝からホテルの会議場で交流会。次の七つの運動方針が確認された。
@ 第一次から第六次までの派兵状況を具体的に確認し、派兵された日本軍(兵器と人数)と現地などの反対行動がどうであったかを、整理・分析する。
A 沖縄・名護の米軍基地づくりを実力阻止している現地の闘いへの支援。とにかく資金カンパに各地でとりくむ。
B 「新しい反安保実」が準備している五・七防衛庁抗議行動に、各地から第六次派兵反対のメッセージを届ける。
C 八・六の広島の反戦・反核集会の前日ぐらいに松江澄さんの追悼もかねた集まりを持つ。それをできれば次の全国交流合宿としてキチンとした討論会とする(呉の湯浅さんを中心に、現地でその可能性を追求)。
D 第七次派兵反対行動については現地(九州)の受け皿がどうなるかを見ながら、各地で考える。
E 「国民保護法」については各地の自治体が、どのように対応しているかの情報交換と集約(東京の「東京都国民ホゴ条例を問う連絡会」が責任窓口)。
F 反派兵運動の立場から反改憲運動を追求する(『「反改憲」運動通信』の立ち上げの報告と協力要請も)。
二四日の集会は一二〇〇人の結集であった(各地のアッピールにまじって、東京の反派兵行動への協力を「反安保実」もアッピール)。
私たちは、反派兵・反安保の運動を、沖縄の反基地行動との持続的なq連帯rを目指しながら、ねばり強く蓄積してきた。しかし、イラク派兵が日常化してしまい、最初のころの緊張感は日本社会の中から消滅してしまっているかに思われる今、イラク人を自衛隊が殺してしまう、あるいは自衛隊員が殺されるという可能性は、強まりこそすれなくなってしまっているわけではない。この状況をふまえ、私たちはさらに反派兵の声をあげ続けなければならないのだ。
沖縄の反米軍基地運動とのq連帯rを目指すとともに、国内の有事立法づくりに一つ一つ反撃することも忘れずに、私たちは反派兵の運動をつくり続けてきた。
この動きの中に、私たちは「反改憲」というテーマを、さらに抱え込まなければならなくなってきている。
明文改憲がq戦争のできる日本国家rのゴールであるのだから、反戦・反派兵・反安保運動が反改憲をも目指すのは必然的である。ただ、そういう一般論であたりまえだからといって、すぐ運動が成立するわけではない。
憲法問題というテーマ固有の課題を具体的に引き受け、反戦・反派兵・反安保・反有事法・沖縄連帯という課題との内在的関連を思想的に明らかにしていく作業を担うことが、まず必要である。
必要性は十分に自覚的であるが、すでにパンク状態の忙しさである。私たちの力量からして、そんなことが可能か? というところが正直なところであった。
そこで、私たちは、「ピープルズ・プラン研究所」「反天皇制運動連絡会」「市民の意見30の会・東京」と協力し、『「反改憲」運動通信』をともに呼びかけてスタートするという方法を取った(7ページ参照)。
反改憲という、大きな政治テーマの運動を、反派兵・反戦運動の立場から力強くつくりだしていくためにも、他のテーマをも直接的な課題としているグループとの協力は不可欠である。
私たちも九条問題を超えた全面的な改憲構想とグローバルに対決する視点を保持しなければならないのだ。憲法問題の研究会活動も、「通信」の事務局を担っているメンバーによって開始されている。
走り続けるしかあるまい。
(あまの やすかず/反安保実)
イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会(反安保実IX)
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