10月13・14日の両日、昨年10月にスペイン・マドリード
で開催されたイラク復興支援国会議を受けて開始されたイラク復興
信託基金ドナー委員会の第三回会合と拡大会合が東京都内で開かれ
ます。しかしこの会議はイラク民衆の意志を排除したまま、「イラ
ク権益分割」のために諸国家がよってたかってその方策を決めるセ
レモニーにすぎません。
イラク民衆の財産を恣にするアメリカ
信じがたいことに、イラク国家財政と石油売り上げ金を管理する
イラク開発基金のうち、開戦前のイラクのGNPの半分にも達する
88億ドル(約9800億円超)がNY連銀内の基金口座から抜き
取られるという事態が起きています。こうした占領当局による不正
に対して、マドリードのイラク復興支援国会議では、市民による数
千人規模の大きな反対行動が起こり、何が「復興支援」なのかとい
う疑義が明確に突き付けられました。
今年8月にアメリカはCPA(暫定占領当局)による使い込み─
─ネコババを認めましたが、旧CPAとこれを支持する諸国家によ
る一部企業のための利益誘導は様々に指摘されてきました。特に軍
産複合体企業として巨利をむさぼっているベクテルやハリバートン
などのために、「イラクの治安」が語られ軍事支配が要請されてい
るカラクリを私たちは看過できません。ネコババに象徴される「戦
争利権漁り」はイラク民衆の財産を食い物にする不当な盗奪行為で
あって、その振舞いを正当化するために会議が設定されていると言
っても過言ではありません。
復興支援こそが虐殺を生む
フランス・ドイツ・ロシアなどの諸国が個別にはイラク復興信託
基金に参加しないまま、マドリードでの復興支援国会議で総額33
0億ドルの「支援」が決定され、日本政府は総額50億ドルの援助、
そのうち15億ドルの無償提供を早々に掲げています。「無償援
助」と言えば聞こえは良いのですが、小泉政権はこれを無条件で実
施しようというわけではありません。外務省が企業向けの説明会で
明らかにしているように、その援助資金は日本企業タイド(ひも付
き)であり、結局は日本の企業を儲けさせる仕組みになっています。
イラク侵略の張本人たちが口々に「復興支援」を唱えています。
しかしこの「復興支援」こそがイラクで続く非道につながっている
のです。侵略の張本人たちが安心してビジネスに乗り出すために、
米軍は占領支配に反対するイラクの人々を「テロリスト」と呼び、
虐殺を続け、日本政府・自衛隊は虐殺を支持し支え続けているので
す。銃弾と引き換えにイラクの土地から最大限の利益を絞り出そう
とするやり口を、私たちは絶対に許すことはできません。
破壊・虐殺の限りを尽くした侵略者には復興を語る資格はないは
ずです。そもそも「大量破壊兵器」という詐術によってはじめられ
たイラクへの侵略戦争は、多くの人的・物的被害をイラクの人々に
もたらし、占領支配の今なお彼/彼女たちの生活は破壊され続けて
います。米英とそれを支援した国々が行うべきは、イラク民衆への
戦時賠償に他なりません。そして、「主権移譲」後もイラクに駐留
を続ける多国籍軍をただちに撤兵させ、イラク復興はイラク人自身
の手に委ねるべきなのです。
復興会議反対のデモへ!
私たちは、「復興支援」のための会議という茶番が開催される当
日の10月13日に、イラクの占領支配を続けるネコババ当局とそ
の支援国のおためごかしに抗議・反対する緊急のデモンストレーシ
ョンを準備しています。数多くの皆さんの参加を呼びかけます。と
もに不正義を終わらせましょう!
■日時:10月13日(水) 18:30開場 18:50集会開始
19:40デモ出発
■場所:渋谷・宮下公園(地図) デモは渋谷一周
■呼びかけ:新しい反安保行動をつくる実行委員会第IX期/医療・
福祉の戦争協力に反対する連絡会議/海外派兵をやめろ!戦争抵抗
者の会/障害者-介助者反戦/(有)靖国解体企画/有事立法-改憲阻
止 反帝国際連帯 反戦闘争実行委員会
■賛同:山谷労働者福祉会館活動委員会/戦争に反対する中野共同
行動/立川自衛隊監視テント村/反戦・平和アクション編集委員会
/フリーター全般労働組合
■連絡先:反安保実IX(03-5275-5989)/戦争抵抗者の会(070-
5587-3802)/反戦闘争実(03-3446-9058)
メールでの連絡:war_resisters(nospam)yahoo.co.jp (戦争抵抗者
の会) まで。(nospam)を@に置き換えてください。(ゴミメールよけのため)
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