【報告】米軍再編「グアム移転協定」の成立を許さない ―日米両政府による沖縄・辺野古への基地建設阻止 (2009年4月10日) 外務委員会で可決される |
「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(以下「グアム移転協定」)の審議3日目。 「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」では、傍聴行動とともに、 昼前から国会前で座り込みを開始夜18時半の抗議行動まで続けた。 外務委員会は、まず朝9時〜10時半まで開かれ、午後には麻生首相が出席して2時間、 更に、15時からも審議が続き、17時20分に審議打ち切り、採決に入り、 起立多数で「グアム移転協定」が可決された。 1 朝の審議 8日(水)の質疑で宿題となっていた点について政府統一見解が示され、 その確認の質疑がなされた。 政府統一見解 : 1普天間移設 2米予算措置協定違反 3米予算措置対応 4環境影響評価公有水面 鉢呂議員の質問の中で、現在のグアム移転費用計画に多くの不明点の存在が明らかになり、 河野委員長が「今後も詳細に予算執行を調査する」ことを言明した。 また、平岡議員の質問で、米国議会で公開されたことですら日本では墨塗りで、 「協定」がいつどのように浮上したのかは不明で、 少なくとも1月23日にクリントン―中曽根電話会談では、「協定」化の話が出ていないことが確認された。 2 午後前半の審議 午後には、麻生首相が出席、7台のテレビカメラと沢山の記者が入り込んだ。 主として首相に質問が投げつけられたが全体としてうまく逃げられてしまった。 首相が、沖縄県民の声・県議会の反対可決について聞かれたとき、「県を代表するのは知事」と一蹴した。 3 午後後半の審議 外務委員会の最後の質疑で、次のことが判明した。 @オスプレイの配備の可能性があるが、騒音評価でそのことが確認されていない。(防衛省) A北村防衛副大臣が、グアム民活事業についてJBIC(?)との協議で財務の健全性維持が難しいことが判明した。 B「辺野古新基地」が2014年に完成しなくても協定違反にはならない。 普天間移転関してはこの「協定」により新たな権利義務関係は生じない」(梅本北米局長)。 Cグアムで作られた隊舎に、沖縄からだけでなくアメリカ本土やハワイからくる海兵隊員が入居する可能性がある(高見沢防衛政策局長)。 D将来、辺野古新基地にオスプレイが配備する可能性は否定できない(高見沢防衛政策局長)。 E辺野古アセス「準備書」での騒音評価では、ひどい時には一日300回もタッチアンドゴウが繰り返される実態がどの程度考慮しているか不明。 (一旦はタッチアンドゴウが飛行経路に入っていないといいながら、後で否定。井上地方協力局長)。 4 夕刻の討論 賛成討論をマゲの松波議員、反対意見を民主、笠井、辻元各議員が述べた。 笠井議員は、世界に類がない他国基地のための財政支出、パッケージ論による沖縄辺野古基地建設強化・固定化、 協定締結により日本の予算負担が際限なくなる可能性がある、などから到底「協定」締結は容認できないと述べた。 辻元議員は、海兵隊移転の実数が不明、沖縄から傍聴があったにもかかわらず負担軽減にならない (普天間は即効閉鎖すべき、環境への悪影響)、米国との関係で片務的すぎる、「協定」の駆け込み締結は許されないと述べた。 外務委員会の質疑を見たら、こんなことが許されてはいけないことが、誰にもわかる。 国会ビデオを見てほしい。もっとマスメディアに報道してほしい。
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