それからわずか半年で、ゴビンダさんの再審に明るい光がさし、こうしてラダさんとインドラさんを招いて、多くの方々とこの集会を開催することができました。支える会として本当に喜ばしく思っています。
事件から14年。「支える会」結成から10年。その間、本人面会、家族支援(招日)、通信発送、支援集会の開催、高裁要請、街頭宣伝、他事件との連携、などを行ってきました。これまでの地道な活動を見守り支援してくださっているみなさまに、心からお礼を申し上げます。
今、刑事司法は、激動の時代を迎えています。ゴビンダさんは、足利事件の菅家さん、布川事件の桜井さん、杉山さんと一緒に、再審無罪の歴史に名を連ねることになるでしょう。私たちは、そういう歴史的な出来事に遭遇しています。
ゴビンダさん、弁護団、私たち支援者は、2005年再審請求時の押田鑑定、2009年の森田鑑定、そして7月23日付鈴木鑑定という、これらの新規明白な証拠をあわせれば、もはや再審開始の要件は十分満たされた、したがって、現段階でただちに再審開始決定が出されてしかるべきと思っています。
ところが、検察は、9月2日に追加鑑定の意向を表明しました。もちろん何らかの検察の抵抗は予想されていたとはいえ、このような「後出し」には本当に怒りをおぼえます。むしろ呆れはてたと言ってもいい。これほどの重要な証拠を法廷に出さずに何年も裁判をしていたとは、もはやゴビンダさんだけの、被告人だけの不利益という問題ではない。検察は刑事裁判そのものを愚弄している。裁判所や国民を侮っていると言われても仕方ないでしょう。
今日の報道によると、検察は追加鑑定の一部を裁判所と弁護団の合意のもとに行うようです。検察は何をするかわかりません。まだ油断はできない。しかし、恐れることは何もないと思っています。検察がどんなにあがいても、真実を歪めることはできない。さらに、司法における大きな時代の激流に逆らうことはできません。「天」は無実のゴビンダに味方している。必ず最終的には勝利すると確信しています。
当面の予定ですが、明日15日 午後2時から高検要請、続いて高裁要請を行います。高裁に一筆でも多く再審開始署名を届けるため、ご協力ください。今後の展開に応じて、また家族をよびたいので、来日カンパをお願いします。入会も大歓迎です。
9月16日検察の鈴木鑑定に対する意見書。9月末、弁護団のこれまでの総括意見書。それらを受けて10月5日に三者協議が行われます。今後の展開にご注目ください。
ゴビンダさん自身、たとえあと何年かかろうとも、再審無罪になって「イノセント・パーソン(無実者)」としてネパールに帰りたいと、一昨日面会したとき家族に明言したそうです。無実のゴビンダさんを故郷に凱旋させましょう!そのために、私たちは持てる力を全て出しきる覚悟です。みなさまのさらなるお力添えをお願いいたします。
事務局長 客野美喜子