「米兵・自衛官人権ホットライン」の活動を、より広く、多くの人びとに知って頂く“場”として、また、自衛隊問題の、より鋭どく、深い、学習と理解の“共有化”等をめざして「フォーラム」を開催してきたが、第三回目(二〇〇五年十一月二十六日、於中野勤労福祉会館) 前田哲男さん(軍事評論家、東京国際大学教授、著書多数あり)を講師に迎え、前田さん達が連名(前田哲男、古関彰一、山口二郎、和田春樹)で発表された「憲法9条維持のもとで、いかなる安全保障政策が可能か―「平和基本法」の再挑戦―月刊「世界」(二〇〇五年六月号、岩波書店)を“叩き台”に、前田さんの持論を述べて頂き、参加者による質疑や意見等を交え、討議した。
前田さんは、この「平和基本法」(仮称)をつくることによって“違憲状態”にある「自衛隊」(という名の武装組織)を、いかに侵略攻撃目的を持たない国土警備能力を有する「最小限防衛力」にまで、縮小、分割するか、できるかと述べておられるが「最小限防衛力」は、一体、現実に、厳密に“どの程度”のものを想定するのか、許容するのか、(あるいは許容できない“上限”とは、いかなるものになるのか)といったところが、(限られた時間の中での討議であるから、その制約も勿論あるが)やはり“あいまいさ”が否めないのではないか、そのことによって“現状追認”としての“現実にある「自衛隊」(軍隊)”への“現実的、認識、対応として、結果的には(その善意としての意図はともあれ)”“自衛隊”を認めてしまうという“敵の土俵”に上がってしまうことになりはしないか……という“危うさ”を私は感じた。
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