F君(在バクダッド)

 皆さん、こんにちは。わったんです。
 私がバグダッド滞在中、一緒にアパートの部屋をルームシェアしていたF君が、9月のはじめにイラクに行きまして現地のホットな状況を取材しています。10月くらいには帰ってくる予定だそうです。いまだに、イラクは反米抵抗勢力の激しい抵抗が続いています。
 まだ大学生の彼ではありますが、イラクにはこれで三回目の取材とのこと。とにかく無事に帰ってきてほしいものです。彼もまだアマチュアのフリーランスですが、今回はかなり“貴重なネタ”を取材しているようです。彼から届いたメールの一部をを下に紹介させていただきます。


 お元気ですか?  
 9月6日
 元気です。連絡取らなくてすみません。サドルシティとナジャフに行ってきました。 なにかあるとすぐに道が封鎖され、ナジャフでは検問所で突如銃撃がありそれを撮っているだけで6時間も警察に拘束されました。どこへ行くにも、地元の人とまずコンタクトをとってから動いているので、金と時間がかかります。確かに治安は悪いですが取材できないほどではない、というのが正直な感想です。サマワには4日後くらいにいきます。取り急ぎ。   

 9月9日
 今サドルシティです。泊り込み取材をして、昼間とまったく違う街に驚いてます。そして本当にいい取材ができている実感があります。11日からまたナじゃフに行きます。サドルシティとつながりがかなり深いですから。  
 そんなわけで正直にいうと今は自衛隊を取材する金と時間、そして興味がなくなりました。すみませんがサマワには今回いきません。2、3日の取材で表面的なことをするより、サドルシティ、マフディ民兵、ナジャフをもっと、もっと掘り下げた取材をしたいからです。本当に申し訳ないです。お金は○○さんの事務所に預けようと思っていますが、どうでしょうか? 取り急ぎ失礼します。 


 9月11日
 彼らを追うと、そこには小さなイラクの、世界の縮図が見えてきます。戦いたくないもの同士が戦わざるを得ない現実。原因は本当にいろいろです。僕は決して米軍だけが悪いのではないと思います。 ニュースにならない散発的な戦闘は毎晩起こってますよ。ホテルにいては絶対に気づかないけど。
そしてサドルシティにはサドルにNOといいづらい、反民主主義的な雰囲気もできています。もっとも民主主義がどれほどのもんだといったら、信用できませんけどね。  
 とにかくサマワの件は申し訳ないです。クベイシのインタビューも無理そうです、がもう少し粘ります。明日は7日くらい映像の整理ができなかったのでそれをします。初のオフかな? ナジャフ行きはやめて、ファルージャに行くかもしれません。僕の取材はいきあたりばったりなんで。 


 9月12日
 ガイドは大丈夫です。アブサイードという、金にうるさくなく今まで日本人とかなり仕事をしてきたガイド兼、ドライバー、通訳。それと、アブハセルという、こちらも金にうるさくなくロイター、ガンマ、など一流のカメラマンと一緒に仕事をしてきたガイドと動いてますから。 
 どちらも僕がなにをしたいか本当にわかっていて、2人を使い分けて仕事してます。実家への連絡は大丈夫です。欠かさずメールしてますし、何かあった時のことも一応言ってきましたから。そして友達に常に連絡をとってもらうようにしていていますので、ご心配なく。
 ファルージャは地元有力者に連絡をっとていますがOKがなかなかでないので、多分無理でしょう。 ではでは