アルベルト・ジャコメッティのアトリエ
ジャン・ジュネ/著
鵜飼哲/編・訳
1999年10月刊行
定価2500円+税
A5変上製・184頁
ISBN978-4-7738-9912-2 C0071
【著者紹介】ジャン・ジュネ(ジャン・ジュネ)
ジャン・ジュネ(Jean Genet)
1910年、パリで生まれる。父は不詳。七ヵ月で母親に
遺棄されモルヴァン地方の指物師の家の養子となる。
小学校卒業後わずか一〇日で職業訓練校の寄宿舎から
逃走。放浪する間の微罪のため一五歳で少年院に収監
される。一八歳で軍隊に入隊、中東、モロッコなどに
配属されたのち、1936年脱走する。訴追を逃れるため
贋の身分証でスペイン、イタリア、ユーゴスラヴィ
ア、チェコスロヴァキア、ポーランド、オーストリ
ア、ドイツ、ベルギーを転々とする。
1937年フランスに戻り、以後七年間に窃盗などの罪で
一二回告訴される。1942年、フレンヌ刑務所在監中に
詩集『死刑囚』を出版、以後矢継ぎ早に『花のノート
ルダム』『薔薇の奇蹟』『葬儀』『泥棒日記』など、
犯罪者の、また同性愛者の立場を公然と引き受けた特
異な小説群を発表、コクトー、サルトルらの賞賛を受
け作家としての名声を獲得する。1949年に最終恩赦を
受けたのち六年間沈黙。
1955年から戯曲『黒んぼたち』『バルコン』『屏風』
を発表し劇作家としてカムバックする。1968年以降は
アメリカ黒人解放闘争、パレスチナ解放闘争、移民運
動などに加担、ときおり特異な政治評論を発表してい
たが、1986年パリで死去。パレスチナ滞在期の追憶を
中心とする長編回想記『恋する虜』が絶筆となった。
【著者紹介】鵜飼哲(ウカイ サトシ)
1955年、東京生まれ。現在、一橋大学教員。
フランス文学・思想専攻。
著書:『抵抗への招待』(みすず書房、1997)
『償いのアルケオロジー』(河出書房新社、
1997)
訳書:ジュネ『恋する虜』(共訳、人文書院、1994)
デリダ『盲者の記憶』(みすず書房、1998)ほ
か