一億人から離れてたつ
異貌の画家 菅井汲の世界
菅井汲/著
吉行淳之介/著
原広司/著
1982年7月刊行
定価2500円+税
A5変上製・190頁
ISBN978-4-7738-8204-9 C0070
その単純明快な絵画は、すべてを集約したすえに生まれた人間の存在証明であり、未来から現在を照射する絵画の形式である。生活と思考を一体化した画家の世界。
【著者紹介】菅井汲(スガイ クミ)
1919年神戸市生まれ。大阪美術工芸学校に学んだ後、1937年から阪急電鉄で商業デザインの仕事に携わる。1952年に渡仏し、フランスで高く評価される。1954年に藤田嗣治と二人展。1959年ドクメンタに参加、1962年ヴェネツィア・ビエンナーレでデヴィット・ブライオ基金賞受賞を受賞。1962年頃から作風が変化し、幾何学的な形態を描いた「オートルート」のシリーズを制作。国際的にも高い評価を受け、1965年サンパウロ・ビエンナーレで最優秀外国作家賞を受賞、1966年クラコウ国際版画ビエンナーレで大賞を受賞。1976年、80年に帰国した際には「菅井汲全国展」を開催。晩年には「S」字のシリーズを描き続けた。1996年逝去。