現代企画室

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ドニャ・バルバラ

ロムロ・ガジェゴス/著
寺尾隆吉/訳
2017年11月刊行
定価3200円+税
4-6・420頁
ISBN978-4-7738-1720-1 C0097

ラテンアメリカ文学の「古典中の古典」、待望の翻訳成る!
植民地支配を断ち、独立して100年有余。迫りくる北の米帝国の脅威に対抗して、国家統合へと向かう20世紀初頭のベネズエラの平原を舞台に、スリルに富む冒険物語と恋愛ドラマで描く大作。

ガジェゴスは、過酷な自然世界と、的確な指導のもとで富を生む希望を秘めた世界とを組み合わせ、文明社会への道のりを打ち出した。(……)見事な自然描写はそれ自体芸術的価値をもっているが、アニミズム、神秘、迷信、呪術等、平原(ジャノ)人の心理を形成する非合理的要素を見事に取り込むガジェゴスの手腕は賞賛に値する。(グレゴリー・サンブラーノ、本書「解説」から)

【著者紹介】ロムロ・ガジェゴス(ロムロ・ガジェゴス)

1884年、ベネズエラの首都カラカスの生まれ。1910年代から教育関係の要職を歴任しながら創作を開始し、多くの短編・長編を残した。29年発表の『ドニャ・バルバラ』と35年発表の『カナイマ』によって、ラテンアメリカ文学を代表する国際的作家となる。1930年代半ばに一時文部大臣を務めた後に政界へ進出、47年には民主行動党を率いて大統領選挙に当選した。翌年就任するも、クーデターで政権は崩壊、キューバとメキシコで長い亡命生活を余儀なくされた。58年に帰国すると64年には彼の名を取った「ロムロ・ガジェゴス文学賞」が制定され、現在まで続いている。69年にカラカスで没するまで、執筆活動のほか、民主主義を擁護する文化人として様々な事業に携わった。

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