現代企画室

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愛のパレード

セルヒオ・ピトル/著
大西 亮/訳
2011年4月刊行
定価2800円+税
4-6上製・408頁
ISBN978-4-7738-1105-6 C0097

1910年代、世界に先駆けて社会革命を経験し、40年前後からは、大戦を逃れた大勢の亡命者を受け入れた、稀なまでの魅力を放つ20世紀メキシコ。本邦初紹介のメキシコの作家、ピトルは、この時代を背景に、ナンセンスな不条理、知的な諧謔に満ちた多声的(ポリフォニック)な、瞠目すべき〈疑似〉推理小説を仕立て上げた。

【著者紹介】セルヒオ・ピトル(ピトル,S.)

1933年、メキシコのプエブラに生まれる。ベラクルス州での幼少時代、父、母、妹を相次いで亡くし、マラリア感染による蟄居生活を余儀なくされるなど、数々の不幸に見舞われる。メキシコ国立自治大学で法律を学び、1961年より長期の海外生活に入る。70年代以降は外交官としてベオグラードやワルシャワ、パリ、ブダペスト、モスクワ、チェコに滞在、多数の文学作品の翻訳を手がける。1959年に短篇集『包囲された時間』で作家デビュー、『フルートの音』(1972)、『ブハラ夜想曲』(1981)、『愛のパレード』(1984)、『青い目の聖女を従える』(1988)、『結婚生活』(1991)などの作品によってメキシコを代表する作家としての地歩を固める。後三作は〈カーニバル三部作〉の名で総称される。その後、『遁走術』(1996)、『旅』(2001)、『ウィーンの魔術師』(2005)からなる〈回想三部作〉を発表、日記やエッセー、紀行文、身辺雑記、短篇小説など、複数のジャンルを横断する柔軟な作風によって注目される。2005年にセルバンテス賞を受賞、メキシコ人としてはオクタビオ・パス、カルロス・フエンテスにつづく三人目の快挙としてメディアでも大きく報じられた。

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