〈鏡〉としてのパレスチナ
ナクバから同時代を問う
ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉/編
臼杵 陽/著
阿部 浩己/著
早尾 貴紀/著
酒井 啓子/著
奈良本 英佑/著
太田 昌国/著
峯 陽一/著
鵜飼 哲/著
錦田 愛子/著
板垣 雄三/著
2010年5月刊行
定価2400円+税
4-6上製・288頁
ISBN978-4-7738-1007-3 C0036
1948年のイスラエル建国にともなうパレスチナ人の大災厄として、ナクバを固定化させてはならない。パレスチナ人の追放は前年の国連によるパレスチナ分割決議から進行し、その背後には、日本も含めた「文明国」が「後進民族」を統治するという理念に支えられた委任統治システムがあった。そして情報がリアルタイムで世界中を行きかうこの現代において、パレスチナにおける入植地の拡大とユダヤ化はなお進行し、ナクバは終わらない。
本書は2008年から2009年にかけて企画された「連続セミナー〈ナクバ60年〉を問う」をベースとして編まれたものである。占領とその恒常化、中東全域へのアメリカのプレゼンス、難民の帰還権等を歴史的に検討するとともに、民族解放運動それ自体が負った課題やアパルトヘイト体制との関わりなど、多岐にわたる視点へとナクバを開き、異なる領域との経験分有を目指す。ナショナリズムと排外主義に満ちたこの時代が、いまパレスチナという〈鏡〉に映し出される。
本書は2008年から2009年にかけて企画された「連続セミナー〈ナクバ60年〉を問う」をベースとして編まれたものである。占領とその恒常化、中東全域へのアメリカのプレゼンス、難民の帰還権等を歴史的に検討するとともに、民族解放運動それ自体が負った課題やアパルトヘイト体制との関わりなど、多岐にわたる視点へとナクバを開き、異なる領域との経験分有を目指す。ナショナリズムと排外主義に満ちたこの時代が、いまパレスチナという〈鏡〉に映し出される。
【著者紹介】ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉(ミーダーンパレスチナタイワノタメノヒロバ)
パレスチナをはじめとする中東地域の動きに注目し、さまざまな文化や歴史的背景をもちながら平和的で対等な共存を求めるこの地の人びととつながっていくことをめざして、2006年より活動。「ミーダーン」とはアラビア語の「広場」という意味で、対話を通じて生まれる可能性への期待を込めたもの。http://midan.exblog.jp/