ラテンアメリカ文学全集 〈全15巻〉 [責任編集・鼓直/木村榮一]
四六判 上製 装丁/粟津 潔 セット定価合計 38,100円 |
すぐれた文学は、近代以降はいつも、ある時代、ある地域の人びとの生き死にのさまを、時代と地域を共有する人びとはもちろん、それらを異にする人びとの心にさえしみいる表現となって、世界じゅうにあふれ出た。 20世紀末の現在、メディアは複雑に多様化し、人びとは文字以外にもさまざまな魅力的で、有効な方法で、みずからの心を表現し、他者と交流している。文学の衰退が言われる所以である。 だがここに、この新しいメディア状況のなかで衰退するどころか、むしろこれに刺激され、これと格闘しながら「時代」の表現を獲得している文学がある。地域に根ざしつつ地域を越えた表現の乱反射が、われわれの生きる時代と世界をくっきりと映しだす。 |
(1)このページを読む者に永遠の呪いあれ | |
マヌエル・プイグ著 木村榮一訳 400p/1990.10/2800円 |
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ニューヨークに暮らす老アルゼンチン人と彼に付添うアメリカの青年。 全編を貫く二人の会話を通して、人間が抱える闇の世界と人の孤独が浮かび上がる プイグ晩年の佳作。 |
(2)武器の交換 | |
ルイサ・バレンスエラ著 斎藤文子訳 176p/1990.11/2000円 |
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反体制派の人間がいつか忽然と姿を消し、関わりを恐れる周囲の人々も口を閉ざす70年代のアルゼンチン。
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(3)くもり空 | |
オクタビオ・パス著 井上義一/飯島みどり訳 260p/1991.9/2200円 |
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柔軟な思考、鋭い直感、勁い倫理を支えに、現代の人類が直面する社会・政治・歴史の問題の核心に迫る評論集。
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(4)ジャーナリズム作品集 | |
ガブリエル・ガルシア=マルケス著 鼓直/柳沼孝一郎訳 344p/1991.4/2500円 |
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ジャーナリズムの世界に足を踏み入れた若き日のマルケス。
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(5)陽かがよう迷宮 | |
マルタ・トラーバ著 安藤哲行訳 200p/1993.1/2200円 |
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一番小さくもあれば大きくもある、そのうえけっして抜けだしえない〈心〉という迷宮。この迷宮から抜けだそうとする主人公の旅の行方は?
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(6)誰がパロミノ・モレーロを殺したか | |
バルガス=リョサ著 鼓直訳 192p/1992.8/2200円 |
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初期の傑作『緑の家』から20年後、あの懐かしき砂漠の町ピウラや主人公リトゥーマを再登場させて、推理小説仕立てのエンターティンメントの世界に新しい境地を開く。
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(7)楽園の犬 | |
アベル・ポッセ著 鬼塚哲郎/木村榮一訳 388p/1992.5/2800円 |
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時空を自在に超えて、いくつものテキストと多様な人物を交錯させ、地上に楽園を求めたジェノヴァ多国籍企業代理人コロンブスの虚実を、破天荒な構想で描く魔術的傑作。
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(8)深い川 | |
ホセ・マリア・アルゲダス著 杉山晃訳 416p/1993.12/3000円 |
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アンデス山中で、白人に生まれながらインディオの間で育った少年の目に、先住民差別の現実はどう映ったか。待望久しいインディヘニスモ文学の最高峰。
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(9)脱獄計画 | |
アドルフォ・ビオイ=カサレス著 鼓直/三好孝訳 186p/1993.9/ |
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家族との確執もあって悪魔島に赴任したヌヴェール中尉が、そこで見たものは何か。
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(10)遠い家族 |
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カルロス・フエンテス著 堀内研二訳 312p/1992.9/2500円 |
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電話帳で同姓同名の人物を探し出すという、ふとした遊びが、現実と関わりをもち始めたとき、植民者エレディア一族の汚辱に満ちた来歴が明らかになる、完璧なる小説。
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(11)通りすがりの男 |
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フリオ・コルタサル著 木村榮一ほか訳 244p/1992.11/2300円 |
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現実と幻想、覚醒と夢がひとつに融けあった驚異の世界へと読者を誘う、
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(12)山は果てしなき緑の草原ではなく |
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オマル・カベサス著 太田昌国/新川志保子訳 292p/1994.7/2600円 |
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都会を離れニカラグアの解放ゲリラに身を投じた青年を待ち受けたものは?
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(13)ガサポ(仔ウサギ) |
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グスタボ・サインス著 平田渡訳 274p/1993.5/2400円 |
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酒とセックスの乱痴気騒ぎに耽りながら、大人の価値観に激しく反発する、メキシコ・シティの片隅の残酷な青春を描いて、若い世代の圧倒的共感を呼んだ
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(14)マヌエル・センデロの最後の歌 |
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アリエル・ドルフマン著 吉田秀太郎訳 576p/1993.7/3300円 |
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この世に正義はない、として生まれてくることを拒否した胎児たち。
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(15)隣りの庭 |
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ホセ・ドノソ著 野谷文昭/野谷良子訳 328p/1996.10/3000円 |
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軍事政権を嫌いスペインに暮らすラテンアメリカの作家たち。
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