サルマン・ラシュディ(1947〜)

インドのボンベイの裕福なムスリムの家庭に生まれる。ウルドゥー語と英語のバイリンガルとして育ち、一四歳の時イギリスのパブリックスクールに入学。いったん移住地のパキスタンに戻るが、やがて再度イギリスに渡り、大学では歴史を専攻。卒業後、俳優、コピーライターなどの仕事に就きながら、幼い頃からの夢であった小説を書き始める。その間にイギリス人女性と結婚し、イギリスに帰化。一九八一年にインド現代史を背景にした雄渾な物語『真夜中の子供たち』を発表、一躍世界的な評価を得た。八八年に発表した『悪魔の詩』はコーランやモハメットを冒涜しているとしてイスラム社会の一部から憤激をかい、イランのホメイニ師によって死刑が宣告され、そのためラシュディは二時間以上同じ公共の場所にいることのない潜行生活を続けて現在に至っている。本書は八六年サンディニスタ政権下のニカラグア訪問記である。


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