現代企画室編集長 太田昌国選書「ラテンアメリカ文学を探索する」フェア
@オリオン書房ノルテ店
5月中旬よりオリオン書房ノルテ店にて、現代企画室編集長の太田昌国が選書したラテンアメリカ文学フェアが始まります。現代企画室の書籍を軸に、複雑多様なラテンアメリカ文学の世界に分け入る切り口として各セクションを設け、その豊饒な作品世界を紹介します。もはや古典となった作品から新世代の作家のものまで、わたしたちの想像力を刺激してやまない作品群に立ち会える絶好の機会となることでしょう。
◆会場:オリオン書房ノルテ店
◆日程:2013年5月中旬から
▼コーナーの様子
▼ブックフェアフェア詳細
ラテンアメリカ文学は20世紀後半に本格的に世界の他の地域へと紹介されはじめ、それまで欧米諸国一辺倒であった「世界文学」の地勢図に変更を迫るほどの衝撃をもって、広い読者層に迎えられました。今回のフェアでは、現代企画室の書籍の紹介とともに、6つのセクションを設けて選書されています。
[現代企画室の本]
セルバンテス・コレクション
『作家とその亡霊たち』
『嘘から出たまこと』
『メモリアス』
『価値ある痛み』
『屍集めのフンタ』
『愛のパレード』
『澄みわたる大地』
ラテンアメリカ文学選集(12冊)
[太田昌国選書]
文学バザール
革命・独裁・亡命・魔術的・クレオール・狂気――何から何まで豊穣にあるのが、ラテンアメリカ現代文学の世界です。他の棚には置かれていない、さまざまな主題への入り口を、ここでは用意しました。
ガルシア=マルケス『百年の孤独』(新潮社)
同上『エレンディラ』(ちくま文庫)
アレナス『夜になる前に』(国書刊行会)
リョサ『世界終末戦争』(新潮社)
ボルヘス『伝奇集』(岩波文庫)
パス『孤独の迷宮』(法政大学出版局)
ペドロ・シモセ『ぼくは書きたいのに、出てくるのは泡ばかり』(現代企画室)
セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』(水声社)
コンフィアン『朝まだきの谷間』(紀伊國屋書店)
リョサ『密林の語り部』(岩波文庫)
デスノエス『低開発の記憶』(白水社)
ドーフマン『世界で最も乾いた土地』(早川書房)
先住民族世界からの/への眼差し
5世紀前の、ヨーロッパによるアメリカ「征服」――この史実は、この大陸のみならず、世界全体の近代以降の歴史にただならぬ影響を及ぼしています。「征服」されたかに見える先住民族の声が、あるいはその世界への眼差しが、近代を照らし出します。
アルゲダス『ヤワル・フィエスタ』(現代企画室)
同上『アルゲダス短編集』(彩流社)
同上『ダイヤモンドと火打石』(彩流社)
アストゥリアス『グアテマラ伝説集』(岩波文庫)
複数の声を伝える女性作家たち
男性原理が優位性をもって貫徹している人類社会にあって、女性が発する声は、次第にその底力を示しつつあります。〈ひとつ〉に固執する男性原理を離れて、〈複数の〉声を伝える女性作家の作品群です。
レストレポ『サヨナラ』(現代企画室)
フェレ『呪われた愛』(同上)
ガーロ『未来の記憶』(同上)
ダンティカ『アフター・ザ・ダンス』(同上)
ビオレッタ・パラ『人生よありがとう』(同上)
アジェンデ『精霊たちの家』(河出書房新社)
ダンティカ『骨狩りのとき』(作品社)
表現の世界を広げる証言文学
ラテンアメリカの過酷な歴史と現実は、実際に起きたことを記録する証言文学ともいうべき世界でも、多様な表現を生み出しています。青春紀行文学から、オーラル・ヒストリー、手練れの作家による記録文学、政治評論などです。
ゲバラ『モーターサイクル南米旅行日記』(現代企画室)
ベアトリス『「悪なき大地」への途上にて(同上)
ドミティーラ『私にも話させて』(同上)
ドルフマン『ピノチェト将軍の信じがたく終わりなき裁判』(現代企画室)
ポニアトウスカ『トラテロルコの夜』(藤原書店)
マルコス『老アントニオのお話』(現代企画室)
マルコス『ラカンドン密林のドン・ドゥリート』(同上)
エメセゼール『帰郷ノート・植民地主義論』(平凡社)
新世代の作家たち
ラテンアメリカ文学「ブーム」を担った作家たちに代わって台頭しつつある次世代の作家たちも、様変わりした時代の姿と格闘した作品を発表し続けています。
レイローサ『その時は殺され』(現代企画室)
レイローサ『船の救世主』(同上)
レイローサ『アフリカの海岸』(同上)
セプルベダ『カモメに飛ぶことを教えた猫』(白水社)
ボラーニョ『通話』(白水社)
ボラーニョ『野生の探偵たち』(白水社)
ボラーニョ『2666』(白水社)
ロセーロ『顔のない軍隊』(作品社)
ロセーロ『無慈悲な昼食』(作品社)
フリア・アルバレス『蝶たちの時代』(作品社)
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