『黒澤明の十字架―戦争と円谷特撮と徴兵忌避』出版記念トークイベント
戦後、黒澤明の贖罪―『静かなる決闘』の三船の苦悩はなにか
黒澤明(1910-1998年)の監督デビュー(『姿三四郎』東宝、1943年3月)から70周年にあたる今年、問題作『静かなる決闘』(大映、1949年)に黒澤明の「贖罪意識」を読みとり、丹念な調査で黒澤映画と日本戦後映画史への新たな視点を提示した快作『黒澤明の十字架』(指田文夫著、現代企画室)が刊行されました。戦中、戦後の日本社会の歩みと軌を一にすることで「国民的作家」となった黒澤明。ある時期より社会問題への直接の言及は少なくなったものの、戦争で負った心の傷は、ずっと黒澤の心に重くのしかかっていました。黒澤は「戦後」を
いかに生きたのか。日本社会はいつ「戦後」を脱したのか。黒澤映画についての日本で最初の評論集『黒沢明の世界』(三一書房、1969年)を著した映画評論家・佐藤忠男さんをゲストに迎えて、『静かなる決闘』、『夢』(黒澤プロ、1990年)の一部を鑑賞しつつ語りあい、黒澤映画の核心に迫ります。
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佐藤忠男(さとう・ただお)
映画評論家・日本映画大学学長
1930年新潟県生まれ。1962年映画評論家として独立、映画を中心に、演劇、文学、大衆文化、教育と幅広い分野にわたり執筆活動を展開する。また、日本映画大学の学長として、後進の育成にも尽力する。1996年に紫綬褒章を受章。その他、芸術選奨文部大臣賞、韓国王冠文化勲章、フランス芸術文化勲章シュバリエ章等を受賞。『映画の真実』『映画で読み解く「世界の戦争」』『日本映画史1-4』『長谷川伸論』『知られざる映画を求めて』『完本 小津安二郎の芸術』『新世紀アジア映画』など著書多数。
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指田文夫(さしだ・ふみお)
大衆文化評論家・『黒澤明の十字架』著者
1948年生まれ。横浜市役所勤務、「ウォーマッド横浜」など企画。著書に『いじわる批評これでもかっ!』(晩成書房)
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◆出演:佐藤忠男、指田文夫、司会:金子遊(映像作家)
◆日時:2013年6月6日(木) 19:00〜
◆会場:クラブヒルサイドサロン
(150-0033 東京都渋谷区猿楽町30-2 ヒルサイドテラスアネックスB棟2階)
※地図はこちら
◆参加費:1000円
◆予約:現代企画室
電話:03-3461-5082 FAX:03-3461-5083 mail:gendai@jca.apc.org
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