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朝日新聞デジタル&w    2019年7月29日
夕刊フジ    2019年7月24日
毎日新聞    2019年7月13日
朝日マリオン    2019年7月
京都新聞    2014年3月16日 「楽読楽書」欄 評者:金原瑞人(翻訳家)
週間読書人    2014年2月28日
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朝日新聞デジタル&w    2019年7月29日

〈『ブレス あの波の向こうへ』の劇場鑑賞券と原作本をセットで3名様に〉

映画『プラダを着た悪魔』でアン・ハサウェイ演じる主人公を誘惑する色男として出演したほか、米TVドラマ「メンタリスト」主演を務めた、“最もセクシーな俳優の一人”とされるサイモン・ベイカーの初監督、製作、脚本、主演作品。

原作は、日本の直木賞にあたるオーストラリアで最も栄誉ある“マイルズ・フランクリン文学賞”を受賞したティム・ウィントンによる自伝的小説「ブレス」。オーストラリアの海辺の小さな町でサーフィンを通じて恋の痛みやたくましさを身につけていく少年たちの姿を描き、本国で5週連続TOP10入り、2018年度インディーズ映画で1位の大ヒットを記録しました。

どのシーンもオーストラリア特有の空気感を映し出しており、そのノスタルジックかつ詩的な美しさに感動を覚えます。演技経験のない実際の美少年サーファーをメインキャストにしたもの見どころ。

7/27(土)より新宿シネマカリテ他全国順次公開を記念して、劇場鑑賞券と原作本をセットで3名様にプレゼントいたします。
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夕刊フジ    2019年7月24日

〈ブレス/あの波の向こうへ 7月27日公開〉

オーストラリアを代表する作家、ティム・ウィントンの自伝的小説を国際的人気俳優のサイモン・ベイカーが初監督&主演で映画化。サーフィンのシーンが迫力たっぷりで見応えがある。演技初挑戦だが、サーフィンが上手で繊細な少年を15歳のサムソン・コールターと16歳のベン・スペンスが好演している。

1970年代、オーストラリアの海辺の街。内向的な少年のパイクレット(コールター)は悪ガキのルーニー(スペンス)と冒険の日々を送っていた。2人はミステリアスなサンドー(ベイカー)と出会い、サーフィンを教えてもらう。

伝説のサーファーだったサンドーはルーニーを連れて海外へ。残されたパイクレットはサンドーの妻イーヴァ(エリザベス・デビッキ)と深い関係になるが…。

原作はライフセービング(人命救助)を仕事にする主人公がサーフィンにのめり込んだ少年時代を回想する形式で書かれている。狂暴な荒波に立ち向かうサーファーは死と隣り合わせであることを常に自覚、恐怖心を克服していく。さっそうとした青春ではなく、悶々としながら自分自身と向き合った日々がノスタルジックな感傷を誘う。
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毎日新聞    2019年7月13日

〈ブレス あの波の向こうへ〉

27日より全国順次公開。監督・出演=サイモン・ベイカー。出演=エリザベス・デビッキほか。サーフィンの楽しさを知った少年たちの仲間意識やライバル心。サーフィンを通して少年たちの成長する姿を描く青春映画。
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朝日マリオン    2019年7月

〈映画「ブレスあの波の向こうへ」の原作本〉

7月27日(土)新宿シネマカリテなどで、全国順次公開される映画「ブレスあの波の向こうへ」の公開を記念して、原作本(2592円、四六判、アンプラグド提供)を3人に。

オーストラリアの栄誉ある文学賞マイルズ・フランクリンを受賞したティム・ウィントンによる自伝的小説「ブレス」。

映画は、ドラマ「メンタリスト」で知られるオーストラリアの人気俳優サイモン・ベイカーが、初監督・製作・脚本、そして主演も務めた渾身の一作。初めてサーフィンの楽しさを知り、まるで世界が広くなったような感覚になった少年たち。感受性が強い少年期特有の仲間意識やライバル心も芽生えていく。「早く大人になりたい」と誰もが思ったあのころの記憶がよみがえる。
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京都新聞    2014年3月16日 「楽読楽書」欄 評者:金原瑞人(翻訳家)

〈海辺のきらめく青春小説〉

舞台は1970年代のオーストラリア。サーフィンにとりつかれた少年パイクレットと親友のルーニーは伝説のサーファー、サンドーと知り合い、次々にビッグウェーブに挑戦していく。何より張り詰めた文体が快い。

「そして一瞬波をかぶり、大量の水が勢いよく襲ってきて、僕は後方へ押し戻されるような感覚がした。回りにあるのは渦巻く蒸気だった。ほとばしりが最高潮に達した泡の源泉の中で、僕は身動きがとれなくなって、雑音と信じられない思いの中を漂い、それから、視界を奪う水煙のうねりに落ちていった」

この後から3人に奇妙な連帯感と高揚が生まれていく。しかし、若者特有の無鉄砲さや気まぐれがひずみや軋轢(あつれき)をもたらし、さらにサンドーの妻がこれに絡んでくる。傷つき傷つけ、嫉妬と羨望(せんぼう)と絶望がせめぎあう青春を、喪失の時代と捉えた作品。だがここにあるのは絶望ではなく、かけがえのないきらめきなのだと思う。
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週間読書人    2014年2月28日

〈『ブレス(呼吸)』刊行記念イベント開催「世界文学地図とオーストラリア」〉

1月29日、代官山のクラブヒルサイドでティム・ウィントン著『ブレス』(現代企画室)刊行記念イベント「オーストラリア文学とワインの会」が開催され、作家の池澤夏樹氏とメルボルン大学教授でオーストラリアの文化・文学研究者のケイト・ダリアン=スミス氏、モデレーターに本書訳者で早稲田大学法学学術院教授の佐和田敬司によるトークセッションが行なわれた。

『ブレス』の原著は2008年に刊行。昨年12月に「オーストラリア現代文学傑作選」の第二巻目として日本でも刊行された。本書は作者の出身地である西オーストラリアが舞台の青春小説でサーフィンを通じて自然や周囲の人との関係、自らの限界にぶつかっていく少年たちを描く。

池澤氏は自著においてオーストラリアを題材にし、また「世界文学全集」の編集も行うなど世界の文学に幅広く精通している。「『世界文学全集』の編集は可能な限り一人で行いました。オーストラリアの文学についても大変興味をもっていましたがその時は選びきれなかた。その折に一昨年来刊行された『異境』そして今回の『ブレス』。あの時史っていればよかったなと思います」と述懐。また旅や取材で訪れたオーストラリアのエピソードについて紹介しながら『ブレス』について「青春小説であるという容れ物を越えて登場人物の痛烈な関係を描き、そこに深く切り込んでいくということが言えます。あるいは人間と空気の関係。呼吸をすること、作中に登場するアボリジニの伝統楽器ディジュリドゥという吹奏楽器、サーフィン中に転倒して顔が出てくるまで息ができないシーン、呼吸は人間の一番基本的な振る舞いです。このあたりは全てタイトルにかかってきます。タイトルだけでなくこういった緻密な計算や伏線、仕掛けが巧みに作ってあり小説として大変良くできています」と感想を語った。

続いてダリアン=スミス氏は、オーストラリア文学は同じ英語圏であるアメリカやイギリスなどで高い評価を得ている一方、海外文学とりわけ英語文額の翻訳を多く出版している日本においては有名な作家を除き少数のものしか入ってきていないと言及。「オーストラリア文学についてもっと知ってもらいたい気持ちがありました。以前『ダイヤモンド・ドッグ』という短編小説を出版し多くの人に関心を持ってもらいました」と紹介した。『ブレス』については「人間関係の緊張とりわけ世代間の緊張がよく描かれていると思います。若い世代は好んでリスクを取り、年配の世代はリスクを取りたがらないという描写がなされます。これはオーストラリアで1980年代以降経験してきた社会的な変化の状況についても象徴しているものだと思います」と評した。

「オーストラリア現代文学傑作選」は出版を通じて、日豪の相互理解・交流を促す目的もあり、駐日オーストラリア大使館・豪日交流基金の助成をうけて刊行される。会場には駐日オーストラリア大使も出席し、会に先立ちスピーチを行った。









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