「セレクトブック」のコーナーでは、現代企画室の本をひとつのテーマのもとにジャンルを横断してご紹介します。現在約400タイトルに及ぶ現代企画室の本をさまざまなテーマで結び合わせてみると、新たな世界が見えてくるかもしれません。
第13回 「これから大人になる若い人たちへおすすめの本」
現代企画室は、中学校・高校の図書館におすすめの本を提案する取り組みに参加しています。
そこで今回は、次の世代の人たちに読んでもらいたい本をテーマにセレクトしました。
大人と子どもの対話シリーズ「娘と話す」は、フランスのスイユ社から刊行され、大好評を博したシリーズの日本語版としてスタートしましたが、日本語版のオリジナルも加わってさらに充実したラインナップになりました。これからを生きる世代とともに考えたい20のテーマを刊行しています。
そのほか、子どもの頃や青年時代の出会いや体験が、人生を歩むうえで重要な意味をもつことを伝えてくれる8冊をご紹介します。
若い世代が自分の生き方を考えるとき、先人たちがどんなことに支えられ、育まれ、どんな出会いから生きる知恵を教わってきたかを知ることは、とても豊かなみちしるべとなります。
中学生、高校生の大切な時期に出合ってほしい本です。
ひとつのテーマを背景からきちんと知って自分の意見を考えることや、学校以外の世界からどう学ぶかのヒントになれば幸いです。
定価2000円+税
すえもりブックスを主宰し、国際児童図書評議会(IBBY)国際理事としても活躍した編集者、末盛千枝子。宝物のような絵本の数々とすばらしい人びととの出会いが、名編集者を育んできた。
定価2000円+税
岩手に移住した著者は、震災を岩手で経験し、「3.11絵本プロジェクトいわて」を立ち上げる。いま、このようなときにこそ、絶望の中に希望を見出し、人生の美しさを伝えようとする末盛千枝子の「希望の言葉」。
定価2200円+税
ゲバラの医学生時代の貧乏旅行の様子を綴った日記。無鉄砲で、無計画、他人の善意を当てにする旅行が面白おかしく描写される。映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』の原作となった、瑞々しい青春文学。
定価1800円+税
世界70ヶ国、100都市を歩いた写真家の、等身大の言葉。岡山から東京に上京し、生きづらさを抱えていた青年時代のエッセイと、オランダに移住しアムステルダムの日常をユーモラスな視点で描く日記。
粟津潔横断的デザインの原点
定価1800円+税
街を教師に独学で学び、眼にした不思議やさまざまな出会いが、世界を魅了した粟津ワールドの原点だった。日本を代表するグラフィックデザイナー・粟津潔が、次の世代のために書き綴った少年時代の記憶。
網走からペルーへ——永山則夫の遙かなる旅
定価1600円+税
死刑、無期、死刑。異なる判決に翻弄されても「生」への希望を失わなかった永山則夫。彼には夢があった。それは、貧しい子どもたちも、学びながら仲間意識を育くむ塾をつくることだった。裁判員制度がはじまった現在にふたたび問う、「それでも彼を死刑にしますか?」