「セレクトブック」のコーナーでは、現代企画室の本をひとつのテーマのもとにジャンルを横断してご紹介します。現在約400タイトルに及ぶ現代企画室の本をさまざまなテーマで結び合わせてみると、新たな世界が見えてくるかもしれません。
第3回 「魅惑のアルゼンチン」
第3回目は、今年で建国200年を迎えたアルゼンチンをテーマにセレクトしました。
死後40年以上が経った今でも多くの支持を集める革命家チェ・ゲバラ、FIFAワールドカップでも注目された「神の子」マラドーナ、不朽の名作を数多く生み出したタンゴ奏者ピアソラ、大統領夫人ともなった女優エビータなど、アルゼンチンは強烈な個性で人びとを惹き付けるスターを数多く輩出してきました。
文学の分野においても、優れた書き手たちを挙げれば枚挙にいとまがありません。ボルヘス、ビオイ=カサーレス、マヌエル・プイグ、コルタサル、マルタ・トラーバ、アベル・ポッセ、ルイサ・バレンスエラ……。日本でも人気の高いラテンアメリカ文学のなかでも、アルゼンチンは実に魅力的な作家たちを生み出しています。
現代企画室がお届けする、魅惑のアルゼンチンを表現する13冊。
そのユニークな世界をお楽しみください。
定価2500円+税
盟友ボルヘスの思い出、ヨーロッパ移民の典型というべき一族の歴史と田園生活、そして書物遍歴。幻想的な作品で知られるアルゼンチンの鬼才の意外な素顔。
定価2200円+税
ゲバラの医学生時代の貧乏旅行の様子を綴った日記。無鉄砲で、無計画、他人の善意を当てにする旅行を面白おかしく描写して、瑞々しい青春文学の趣きをもつ。
「バガボンド」を自称して生きた若き日のゲバラの書簡集。「医者になる、研究者になる」と親に書き送る彼の人生を変えたのはカストロとの運命的な出会いだった。
定価2200円+税
メモ魔とも言うべきゲバラは、若き日の2度目の旅においても日記をつけていた。『放浪書簡集』とはまた別の貌つきと心の動きを示す魅力的な日記。未公表写真収録。
定価2800円+税
ニューヨークに暮らす老アルゼンチン人と彼に付添うアメリカの青年。全編を貫く二人の会話を通して、人間が抱える闇の世界と人の孤独が浮かび上がるプイグ晩年の佳作。